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民事2022年11月05日 SNS等各種ITアカウントの閉鎖手続における留意点は  



 死後事務委任契約で、SNSなどのアカウントの閉鎖を依頼されました。どのような点に注意すべきでしょうか。

 アカウントの利用者が亡くなった場合の対応は、SNSなどの種類によって違うので、手続を事前に確認する必要があります。本人がどのサービスを利用しているか、何を希望しているのか聞いた上で、アカウントのIDやパスワードなど必要な情報を聴き取っておく必要があります。
解 説
1 SNS等各種ITアカウントの閉鎖手続
 SNSのアカウントやメールアカウントは、本人が亡くなっても当然には削除されません。自分の死後削除されることを望むのなら、あらかじめ本人が、削除されるように設定しておくか、遺族や受任者などに削除申請してもらう必要があります。Googleでは、アカウント無効化管理ツールを利用して、一定期間利用しなかった場合は、自動的に削除するよう設定しておくことができます。また、Facebookでは、生前に自分の死後本人のアカウントを完全削除するか、追悼アカウントにするか選ぶことができ、生前に追悼アカウント管理人を指定しておいて、死後に追悼アカウントをリクエストするという方法もあります。
2 受任者等から削除申請する場合
 本人が亡くなった後、削除申請するためには、本人が亡くなったことの分かる除籍謄本などの資料と申請者と本人の関係を示す死後事務委任契約書や遺言書などを事業者に対して提出する必要があります。その際、事業者にもよりますが、本人の氏名、アカウントのユーザー名、メールアドレスなどが必要となります。
3 注意点
 削除申請をしても、本人が偽名や通称を用いていた場合、住所や生年月日が正しく登録されていなかった場合、本人とアカウントの関連が証明できず、削除ができない可能性があります。
 本人とアカウントの関連性を証明するためや、受任者の権限を明らかにするため、死後事務委任契約書の文面に記載しておくという方法もありますが、それで事業者に関連性が認められるかは定かではありませんし、契約から実行までに期間が開く場合には、アカウント情報などの変更がないかなど定期的に見直す必要が出てきます。
 また、本人から預かっていたアカウント情報が間違っていたなどの理由で、事業者が削除要請に応じない場合、削除義務を負わないこと、その場合の報酬の扱いについても契約上明らかにしておいた方がよいでしょう。
アドバイス
〇IDやパスワードの事前確認と規約の関係性
 受任者が、本人のIDやパスワードを預かっておいて、本人の死後にログインし、削除するのが簡便ですが、規約上は通常は認められていないことに留意する必要があります。

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