税務・会計2025年01月30日 確定申告について 執筆者:北島淳

① 確定申告期間
会社員やパート・アルバイトのように、勤務先から給与をもらっている給与所得者は、原則として勤務先が年末調整をして所得税の計算・納付を行いますが、個人事業主の方などは、これらをご自身で行う必要があります。毎年、原則として3月15日の申告期限までに所得税の確定申告書を税務署へ提出しなければなりません。確定申告には大きく分けて「税金を納める申告」と「税金の還付を受ける申告」とがあり、主な対象者は以下の通りです。
※医療費控除額は「1年間の医療費-補てんされる金額-10万円」で計算します。ただし、総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく、総所得金額等の5%の金額を差し引いて計算するため、10万円以下でも控除が受けられる場合があります。
② 確定申告の手続き
確定申告は、以前は手書きの申告書を税務署へ郵送または持参する方式でしたが、近年ではネットで作成して電子申告する方も多くなっています。e-Tax等を利用する場合には、申請者の本人確認のため、マイナンバーカードが必要となります。いずれにしても源泉徴収票や支払調書、青色申告決算書・収支内訳書等を準備し、様式に則って申告書作成を進めて行くこととなります。なお、還付申告は、申告対象期間の翌年1月1日から受付が開始されますので、早く申告すれば、早く還付を受けられる可能性があります。
③ 申告期限を過ぎてしまったら?
確定申告を忘れていて、期限を過ぎてしまった場合は「期限後申告」となり、確定申告をしなかった
場合「無申告」として取り扱われてしまいます。この場合、延滞税を併せて納付する必要があります。
延滞税は納期限の翌日(3月16日)から発生し、2月を経過する日まで原則として年率「7.3%」、2月を経過した日以後は年率「14.6%」が課されます。無申告の場合は、納付すべき税額に応じた金額が無申告加算税として加算されます。詳細は国税庁のHP等でご確認下さい。
青色申告特別控についても、複式簿記で記帳し、期限内に申告をすると最高65万円の控除が受けられますが、期限後に申告すると複式簿記で記帳していても10万円の控除しか受けることができません。例えば所得税率が20%の方であれば、所得税だけで11万円の差が出てしまいます。また、この差は住民税や健康保険等にも影響しますので、金額としては大きなものとなります。
災害等のやむを得ない事情により期限までに確定申告ができない場合は「災害による申告、納付等の期限延長申請」を行うことで、納税の期限延長を認められる場合があります。また確定申告の期限までに全額の納税が難しい場合は延納制度を利用できます。延納制度は、納税すべき税額の半分(2分の1)以上を期限内に納付することで、残りの税額の納期限を5月31日まで延長できる制度です。お困りの方は、事態を放置せず、税理士へご相談下さい。
(2024年12月執筆)
(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)
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執筆者

北島 淳きたじま じゅん
税理士(北島淳税理士事務所)
略歴・経歴
1973年福井県生まれ。南山大学大学院法学研究科修士課程修了。
理念は「税理士はお客様を成功へと導くビジネスパートナー」。
税務・会計のみに留まらず広い視野から物事を捉え、お客様の将来像を共に考え共に描く
「未来創造型コンサルティング」を得意とする。
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