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一般2025年10月13日 AI国内開発を推進 脱海外依存へ人材確保 政府の基本計画骨子案 提供:共同通信社

 政府は、人工知能(AI)政策の指針となる「AI基本計画」に国内開発推進を明記する方針を固めた。「国力を左右するAIを海外に過度に依存できない」と指摘し、国家戦略構築が不可欠と位置付ける。開発力強化に向け、国内外のトップ人材確保、次世代スーパーコンピューターの整備、高性能半導体の研究開発を盛り込む。月内にも関係省庁会議を開き、計画骨子を提示する。複数の政府関係者が12日、明らかにした。
 米中両国がハイテク覇権を争い、国際的な開発競争が激化する中、AI技術が経済や安全保障面の国力に直結するとして「反転攻勢」(石破茂首相)を狙う。
 基本計画骨子案では、AI開発の人材を引き寄せるため、エンジニアや研究者の待遇や生活環境の改善を掲げる。先進的な知見を取り入れるため、大学・研究機関や国内外の民間事業者との連携も進める。
 AI開発には膨大な計算処理が必要となるため、理化学研究所のスパコン「富岳」の後継機となる「富岳NEXT」の開発を推し進めるとした。コンピューターの高速演算処理を可能とするため、高性能半導体の研究開発の必要性に言及する。
 AIの利活用が日常化する社会を目指すと記述し、まずは政府や自治体が先導して取り入れるべきだと強調する。
 一方、AIの技術進歩による偽・誤情報の拡散やサイバー攻撃といった安全保障上のリスクにも触れる。リスクへの対応とイノベーション(技術革新)促進の両立を図り「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指すとした。
 政府は9月、首相をトップとするAI戦略本部の初会合を開催した。急速に技術が進展する現状を踏まえ、当面は計画を毎年変更する。

AI計画骨子案ポイント

 政府の「人工知能(AI)基本計画」骨子案のポイントは次の通り。
 一、国力を左右するAIを海外に過度に依存できない。国内開発を推進する。
 一、国内外からAI開発人材を確保する。待遇面や生活環境を改善。
 一、スーパーコンピューター「富岳NEXT」の開発、高性能半導体の研究開発を推進。
 一、リスクへの対応と技術革新の両立により世界で最もAIを開発・活用しやすい国を目指す。
 一、AI利活用が日常化する社会を目指す。

国際競争、劣勢に危機感 AI活用、投資進まず

 政府が「人工知能(AI)基本計画」に国内の研究開発推進を盛り込むのは、国際的な開発競争で劣勢に立たされている現状に危機感があるためだ。国内ではAI活用が十分に進んでおらず、開発に不可欠とされる投資も乏しいままだ。
 対話型生成AIの世界市場では「チャットGPT」を生み出した米オープンAIがリード。2023年に設立された中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が米国製に匹敵する高性能AIを10分の1以下のコストで開発、国際的な競争は激しさを増す。
 複数の日本企業がAI開発に乗り出しているものの「市場シェアは米国に遠く及ばない」(日本政府関係者)のが実情だ。
 そもそも日本国内ではAIが社会生活や経済活動に浸透しているとは言いがたい。総務省によると、生成AIを利用した経験があると回答した個人の割合は24年度で26・7%。米国(68・8%)や中国(81・2%)よりはるかに低かった。
 AI開発には巨額投資が必要とされるが、米スタンフォード大の調査では24年のAIへの民間投資額は日本が約9億ドル(約1300億円)にとどまり、米国の100分の1に満たなかった。

人工知能(AI)

 コンピューターで大量のデータを分析し、人間が行う学習や判断といった知的活動を、機械的に再現しようとする技術。検索エンジンや車の自動運転などの分野で活用されている。2022年の「チャットGPT」の公開以降、文章や画像を作り出せる生成AIを多くの企業や自治体、個人が使うようになった。生産性を高められるとの期待が集まる一方、偽情報「ディープフェイク」の拡散や知的財産権の侵害などへの懸念がある。

(2025/10/13)

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