一般2026年03月11日 外国人入国、事前審査へ 在留手数料大幅値上げも 入管法改正案を閣議決定 提供:共同通信社

政府は10日、訪日外国人の入国可否を事前に審査する電子渡航認証制度「JESTA(ジェスタ)」を創設する入管難民法改正案を閣議決定し、国会に提出した。成立すれば2028年度中の導入を目指す。改正案には、在留手続き手数料の上限を現行の1万円から30万円に引き上げることも盛り込んだ。上限引き上げは1982年以来。
出入国在留管理庁によると、ジェスタはテロや不法滞在の防止、入国審査の円滑化が目的。短期滞在の査証(ビザ)取得を免除する国・地域(現在は74)のほか、クルーズ船観光客や一部の乗り継ぎ客を対象とする。
渡航の数日前までにオンラインで氏名、滞在目的や滞在場所といった情報を提供させ、犯罪歴などと照合、不法滞在が疑われる場合は航空機や船に搭乗させない。
在留手続き手数料の具体額は今後、政令で定める。現在は永住許可が1万円で在留期間更新などが6千円。実費のみの徴収で、共生施策にも充てる欧米諸国の水準より大幅に安いとされる。
2025年末の在留外国人は約413万人で過去最多を更新した。政府は上限引き上げで、効率的な在留審査を行うためのシステム費や相談窓口設置費を賄うことを想定。将来的には外国人の日本語学習プログラムなどにも充てたいとしている。
改正案は上限を永住許可で30万円、期間更新などで10万円とする。将来的な物価上昇を見越して設定した。新たな額は26年度内に適用する。関係者によると、永住許可は約20万円、その他は希望する在留期間に応じ1万~7万円程度で検討。人道上配慮が必要で、経済的な事情から納付が難しい場合の減免措置も整備する。
企業や在住者、負担増不安 「住み続けられるか」
政府は今国会で入管難民法改正案を成立させ、2026年度内に在留手続きに関する手数料を大幅に引き上げる方針だ。40年以上据え置かれた上限を引き上げ、収入増加分は共生施策などに充てる見通し。だが、多くの外国人を雇う企業や、長く日本に住む外国人からは、負担が重くなることへの不安の声が上がる。
「見過ごせないコスト増になる」。東京都立川市の食品会社の担当者は心配そうに話す。技能実習や特定技能の外国人計約300人を雇い、在留手続きの手数料は原則、会社と本人が折半している。改正案に沿った値上げとなれば現状の数倍に達するとみられ、費用の捻出は容易ではない。
政府は増収分を外国人の日本語学習プログラムなどに充てる構想を描くが、食品会社の担当者は「ある程度働いたら母国に帰る人も多い」と指摘。定着に至らない外国人にも負担増を求める仕組みとなるため「疑問が多い」と話した。
東京都内の飲食店で働くインド人男性(43)は、値上げのニュースを知ってから「住み続けられるのか」と案じている。17年ほど前にコックとして来日。妻と子ども2人と暮らすが、物価高で生活は厳しい。
自身の在留期間更新の手数料は雇用先が支払うが、妻子分は自己負担。高市政権の外国人政策見直しで審査自体も厳格化が予想される。同様の懸念を抱える仲間は多く、日本を離れることを検討する人もいるという。「子どもは日本語しか話せない。もっと日本にいたいが…」とうつむいた。
JESTA
渡航前にオンラインで滞在目的などを尋ね入国可否を判断する制度。「Japan Electronic System for Travel Authorization」の頭文字を取った。現在は日本に向かう航空機の乗客リストを航空会社から離陸後に提供してもらい、不法滞在歴などがある外国人の情報と照合。結果を基に日本の空港で審査する。米国では2001年の米中枢同時テロを機に同様の制度「ESTA」が導入された。JESTA利用には手数料の支払いを求める方針。
入管難民法
日本への出入国の管理、外国人の在留資格や退去強制制度、難民認定手続きを定める。観光立国を掲げる政府は、審査時間の短縮と不法滞在者の入国防止に役立つとして、事前審査制度の導入を検討していた。直近の法改正は2024年6月で、技能実習に代わる新たな外国人受け入れ制度「育成就労」を創設。故意に納税を怠った場合などに永住許可を取り消し、別の在留資格に切り替える規定も盛り込まれた。27年4月に施行される。
(2026/03/11)
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