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訴訟手続2026年05月21日 民事訴訟、全面デジタル化 電子判決文も、21日から 提供:共同通信社

 民事訴訟手続きのデジタル化を定めた改正民事訴訟法が21日に全面施行された。紙中心だったやりとりが原則電子化され、将来的には電子判決文のデータを一般に提供する仕組みも整備される。利便性の向上や裁判情報の活用促進につながり、民事裁判の手続きは大きな転換点を迎える。
 2022年5月に成立した改正法は段階的に施行され、口頭弁論へのオンライン参加などの仕組みを既に導入。全面施行で注目されるのは、書面データのオンライン提出だ。手続きには裁判所の「民事裁判書類電子提出システム(mints、ミンツ)」を活用する。
 裁判を起こす際の訴状の提出はこれまで、書面を郵送したり窓口に持参したりしていた。今後は自宅や事務所からオンラインで提出可能になる。具体的な主張書面も電子化され、当事者と裁判所がシステム上で共有。判決文も裁判所に行かずに受け取れる。代理人のいない「本人訴訟」では紙の書面を認める。
 訴訟記録が電子化されるため、閲覧の方法も変わる。当事者ではない第三者の研究者が記録を閲覧しようとする場合、従来は遠隔地からでも、事件が係属し、紙の記録が保管されている裁判所を訪れる必要があった。全面施行後は必要な手続きを経て、最寄りの裁判所で電子化された記録を閲覧できるようになる。
 電子化に伴い、年間約20万件とされる判決文のデータベース化が進む。関連法は25年5月に成立し、27年5月までに施行される。国の指定法人が個人情報を加工した上で、データベースに登録。利用者は膨大な裁判情報を得られるようになる。人工知能(AI)を使った判決内容の統計的な分析など、実務や研究での活用が期待されている。

 経験ない世界、検証を継続 東京地裁の鈴木所長代行

 民事訴訟手続きの全面デジタル化に関し、東京地裁の鈴木謙也所長代行が20日までに共同通信の取材に応じた。「司法アクセスが容易になり、裁判の迅速化にも資する」と強調。裁判官や書記官のシステム習熟を図るだけでなく、弁護士会でも研修を行い準備を進めてきたとして「誰も経験したことのない世界。実際の運用を見て継続的に検証する」と述べた。
 東京地裁では、模擬シナリオを用いて提訴から判決言い渡しまでの演習を行ったほか、裁判書類の電子提出システムの利用方法を説明する研修動画を作成した。また、東京にある三つの弁護士会所属の弁護士や事務職員を対象に、裁判所から職員を派遣してシステムの操作方法を説明する研修を5回行ったという。
 運用に伴い、通信障害が起きてシステムが使えなくなるなどの事態も予想される。鈴木氏は対処策として「障害発生を想定した訓練も実施してきた」とし、「不測の事態が生じた時にどういう対策をするか。不断に検討していく」と話した。
 生成人工知能(AI)の業務での活用にも言及した。「文献や裁判例のリサーチ、証拠の整理で活用できる」とする一方、法律的に正しく検討して事実認定をするといった裁判官のスキルは変わらず大事だと強調。「AIに使われてしまうことがないよう、法律家としてのトレーニングが一層重要だ」と語った。

(2026/05/21)

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