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厚生・労働2026年04月25日 石綿被害、国に賠償命令 神戸地裁、時効主張退ける 提供:共同通信社

 工場でアスベスト(石綿)被害を受け、中皮腫で亡くなった男性=当時(74)=の遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁(島戸真裁判長)は24日、国に1430万円の支払いを命じた。争点となった損害賠償請求権が消滅する20年の時効の起算点について「発症日」とする国の主張を退け「死亡日」にすべきだと判断した。
 石綿健康被害を巡っては、最高裁が2014年に国の責任を認め、国は一定の要件を満たした当事者らと和解して救済している。厚生労働省は22年、別の訴訟の内容を踏まえて救済制度を一部見直し、中皮腫に関する時効の起算点を死亡日から発症日に変更した。
 島戸裁判長は判決理由で、発症日を起算点とすると長く生きた場合に賠償を求められる期間が「いたずらに短くなる」と指摘。仮に20年以上後に死亡した場合は請求権がなく「長期生存を望む患者や家族にあまりに酷。正義、公平の理念に反する」と批判した。
 厚労省は取材に「判決内容を精査し、対応を検討したい」とした。
 判決によると、亡くなった男性は金属加工工場で働き、断熱材として使う石綿布の切断作業に従事した可能性が高いと認定された。02年7月に中皮腫と診断され、同11月6日に死亡。提訴は22年11月3日で、国は時効と主張していた。
 原告弁護団によると、同種訴訟では地裁3件で原告が国に勝訴し、高裁1件で敗訴している。弁護団の奥村昌裕弁護士は記者会見で「国が救済に後ろ向きなのは許されない」と強調した。

 アスベスト(石綿)被害救済制度について、厚生労働省は2022年、中皮腫で死亡した場合に救済を求められる期間の起算点を「死亡日」から「発症日」に変更し、被害者側から「周知せず運用を変えた」と憤りの声が上がる。変更後も、死亡日を起算点と認める判決が相次ぐが、高裁段階で原告の訴えが退けられた例もあり、線引きを巡る争いが各地で続く。
 中皮腫は、診断から7カ月~1年5カ月で死亡するケースが多い。国は発症日を起算点とする理由について訴訟で、予後が悪く、発症時点で死亡も含めた全損害が発生するとの考えを示す。
 ただ、工場労働者の遺族による訴訟で、高松地裁は昨年1月、「発症と死亡の損害は質的に異なる」とし、起算点は死亡日との考えを示した。東京地裁も今年2月、同様の判決を出している。いずれも国は控訴し、高松高裁では昨年7月、地裁判決が取り消され、遺族側が最高裁に上告した。
 石綿被害のうち、じん肺については、国が司法判断を受けて起算点を見直した例がある。時効に関する国の主張を否定した24日の神戸訴訟の弁護団は制度変更について「不意打ちだ」と批判。奥村昌裕弁護士は、中皮腫についても運用を元に戻してほしいと訴えた。

(2026/04/25)

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