行政・財政2026年08月18日 財務省、問われる目利き力 27年度予算膨張に市場不安 提供:共同通信社

政府の2027年度当初予算は、26年度の122兆円強を超え過去最大となる見通しだ。経済成長に向けた投資枠に要求額の上限を設けず、各省庁が8月末までに提出する概算要求の膨張が確実視されるため。金融市場は9月から本格化する予算編成で放漫財政とならないか不安を募らせる。査定する財務省による費用対効果の見極めが鍵を握るが、官僚の「目利き力」が通用するかどうかが問われる。
「上から下まで全員、経営学修士(MBA)レベル以上の議論ができなければいけない」。片山さつき財務相は査定の資質をこう表現する。実際に財務省には海外の大学でMBAを取得する官僚もいる。取得過程では、さまざまな買収案件を事例に事業価値や投資回収に必要な期間算定など競争戦略や分析力を磨く。
一方、海外ファンドの関係者は「実際の投資は勉強や議論通りにはいかない」と語る。需要変化の予測が難しいことに加え、理論とは異なる商習慣もあるからだ。片山氏は人工知能(AI)の活用を視野に入れる。だが「目利き力は長年蓄積してきた事業経験が生命線だ」(総合商社幹部)と、AIへの依存に警鐘を鳴らす意見もある。
省庁からは「背伸びし過ぎて、たくさん削られれば格好悪い」「市場が混乱すれば自分たちのせいになる」との声も上がり、過度な要求額にはならないとの見方がある。一方、近年常態化している補正予算を当初予算に盛り込む政府方針もあり、どの程度膨らむかは見通せない。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「年末の予算編成まで財政運営の不透明感はくすぶりやすい」と指摘した。
(2026/08/18)
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