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税務ニュース2002年12月12日 外形標準課税導入の実施時期の先送りも たばこ・酒などは与党3党の意見調整つかず

 平成15年度税制改正大綱の作成も大詰めを向かえているが、外形標準課税、所得税関係、酒・たばこ税の引き上げなどは、与党3党の意見がまとまらず、先送りの状況となっている。外形標準課税については、資本金1億円超の大企業に限って、導入する方針を固めたものの、反対意見も多く、実施時期も含めて結論は先送りされている。
資本割の課税標準の圧縮特例措置も
 外形標準課税については、資本金1億円超の大企業に限って導入する方向は変わっていない。内容としては、総務省案による外形基準を4分の1導入するとしているが、<1>報酬給与額の割合の特に高い法人について配慮する、<2>事業の規模に対し資本等の金額が極端に大きな法人について配慮する―ことになっている。
 <1>の措置としては、雇用安定控除(仮称)の仕組みを設ける。これは、「報酬給与額」が「収益配分額」の70%相当額を超える場合には、雇用安定控除として「収益配分額」から一定額(雇用安定控除額)を控除するというもの。<2>の措置としては、資本割の課税標準の圧縮特例が設けられる予定。資本割の課税標準である資本等の金額は、「資本等の金額」の区分に応じ、それぞれの算入率を乗じて得た金額となる。例えば資本等の金額が1兆円超であれば0%、5,000億円超、1兆円以下であれば25%、1,000億円超、5,000億円以下の部分は50%、1,000億円以下は100%となっている。
 しかし、外形標準課税は、自民党税調内でも反対する議員が多く、導入決定については留保されている状況。当初は平成16年度から導入される方向で進んでいたが、実施時期についても先延ばしされる可能性も浮上してきた。
免税点は2,000万円など段階的に引き下げるという意見も
 消費税の益税問題についても結論に至っていない。財務省は免税点を3,000万円から1,000万円に引き下げ、簡易課税制度については2億円から3,000万円に引き下げる案を出している。しかし、一気に引き下げることは大きな負担になることから、段階的に引き下げるといった意見も出されている。例えば、免税点は2,000万円、簡易課税は1億円にするといった意見が挙げられている。このため、実施時期を含め最終的な結論までには至っていない。
特定扶養控除と配偶者特別控除の廃止も与党間の調整つかず
 所得税関係では、特定扶養控除と配偶者特別控除の廃止について、与党内でもめている状況だ。公明党は特定扶養控除廃止の代わりに、児童手当の引き上げを要求しており、最終的な結論までには至っていない。
 なお、たばこについては、自民党が1本当たり1円70銭増税する案を示したものの、保守党の反対により決まっていない。また、酒に関しては、発泡酒・ワイン等の税率を見直し、ビール・発泡酒、清酒・ワイン、清酒・合成清酒、リキュール類・甘味果実酒等の間の税負担格差を半分に縮小する方向。例えば、ビールと発泡酒の格差については、発泡酒を20.47円上げる案などが出されているが、こちらは公明党の反対により結論に至っていない。

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