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解説記事2019年09月16日 ニュース特集 統実官の企画事案、資料調査課と情報連携(2019年9月16日号・№803)

ニュース特集
調査企画のポイントは、規模イメージとポンチ絵
統実官の企画事案、資料調査課と情報連携


 国税当局に設置されている調査企画部署:統括国税実査官(富裕層担当、国際担当、電子商取引担当、消費税担当、情報担当)の事務運営の一端が明らかになった。当局は、調査企画作業のポイントとして、調査対象者の特定、要調査項目の抽出、事案の規模イメージ、ポンチ絵の活用を挙げている。また、当局は、調査企画部署と調査実施部署の情報共有を重視。資料調査課等の調査実施部署との事案組成段階からの連携を指示している。

令和元事務年度における課税部の重点課題等

 令和元事務年度の課税部特留(特に留意すべき事項)は、調査事務の充実として、(1)調査等におけるデータ活用の推進、(2)調査等における課税部重点課題への取組を掲げている。課税部重点課題としては、①消費税の適正課税の確保への取組、②国際化への取組、③富裕層への取組、④無申告事案への取組、⑤シェアリングエコノミー等新分野の経済活動への取組の5項目を挙げる。また、調査事務における共通事項として、①大口・悪質な不正事案への取組、②好況業種等への取組、③高度情報化への対応、④広域展開する法人グループ等への取組、⑤源泉所得税同時調査の充実、⑥印紙税同時処理の充実を列挙している。
統実官が調査企画を実施
 上記、課税部重点課題等に係る調査企画を担当する部署として、国税当局は、統括国税実査官(統実官)を設置している。具体的には、富裕層担当、国際担当、電子商取引担当、消費税担当、情報担当の各統実官が、調査企画等を実施。重要事案担当、広域担当の統実官が、調査や局署間の連絡・調整などを行っている(図表1参照)。

【図表1】課税総括課の事務運営の基本的な考え方:調査事務

(1)局署関係部署の総合調整
 →(2)から(8)に掲げる課税上の問題が伏在する事案や専門的な知識・技能を必要とする事案等の調査企画・調整など。
(2)重点管理富裕層の管理(富裕層統実):重点管理富裕層及びその関係者を一体的に管理するとともに、継続的かつ重点的に管理する。
(3)重要事案(重要統実):その者及びその者の関係者をグループ的に捉えて調査することが有効な者への一体的な管理と調査を実施。
(4)スキーム事案等(国際統実):経済社会の国際化に的確に対応するため、情報収集、分析、実態解明及び調査の企画を専門的かつ組織横断的に実施。
(5)電子商取引事案(電商統実):電子商取引関連事業者に対する情報収集、実地調査等を専門的かつ組織横断的に実施。
(6)大規模広域管理事案(広域統実):局署の関係部門と必要な連絡・調整を行う。
(7)消費税の観点からの企画事案(消費税統実)……消費税担当統実官が行う情報収集、調査企画、調査結果等の分析等に関して、自局内関係部署又は他局との連絡・調整を行う。
(8)各種集約情報等からの企画事案(情報統実):①自ら収集した情報や組織外から提供された情報のほか、調査上有効なあらゆる情報を集約し、②分析・検討した上で、特に注視の必要な事案を個別管理し、調査に向けた情報付加等を行う。③個別管理等を通じて課税上の問題が顕在化したものから調査企画を行い、適切な調査実施部署に確実に引き継ぐ。

調査実施部署との情報共有で調査パフォーマンス向上

 調査企画部署では、調査実施部署との情報共有を重視している(図表2参照)。調査実施部署とは、局資料調査課や署個人課税部門、資産課税部門、法人課税部門等であり、課税部特留では、調査資料課等の運営について、以下の事項を記載しているもようだ。

① 局資料調査課等における調査……調査企画部署が企画している事案について、真に資料調査課が調査すべきと認められる場合には、調査企画部署における企画段階から情報共有し、効果的・効率的な引継ぎ・調査着手に努める。
② 国際担当統実官における取組……調査担当部署と事案組成部署の双方の人的資源を最大限活用する観点から、事案組成の早期段階から調査担当部署と協議することで、付加すべき情報や引継時期等のニーズを把握する。
③ 情報担当統実官における取組……特に、事案組成の早期段階から調査担当部署と協議することで、付加すべき情報や引継時期等のニーズを把握し、双方におけるパフォーマンスの総和の最大化を図る。
④ 電商担当統実官における取組……資料情報の提供に当たっては、活用部署との間で規模や範囲、提供時期や方法等を十分協議した上で、効果的な活用が図られるよう配意する。
⑤ 消費税担当統実官における取組……事務系統横断的な観点からの情報分析を優先するものとし、……関係部署との緊密な連携を図り、効果的・効率的に実施する。

ポンチ絵を活用して事案のポイントを分かりやすく

 国税当局では、調査企画作業のポイントとして、(1)調査対象者の特定(2)要調査項目の抽出(3)事案の規模イメージ、(4)ポンチ絵の活用を挙げる。
 調査企画作業では、①誰に課税する必要があるのか、②課税要件を満たすために押さえるべき項目はなにか、③増加税額、増差所得金額、調査場所などの調査体制の検討、④事案のポイントを分かりやすくするためのポンチ絵が必要ということのようだ。
 また、調査企画部署による企画事案については、調査実施部署からの報告体制が整備されている。この報告体制は、実地調査の状況を課税総括課が一元管理し、調査事績を集積・分析することで、その後の調査企画に役立てるためのもの。
 具体的には、調査企画事案の引継ぎを受けた調査担当部署が、調査終了後、その調査事績(回報書)を局主管課、課税総括課に提出する(図表3参照)。

経費認容等で増差所得金額に開差も「おおむね一致」

 回報書には、各税目に係る調査事績(増差所得金額や追徴税額等)欄のほか、「調査企画内容(想定非違)についての調査結果」として、次の3項目のうち、いずれかにチェックを入れる欄がある。(1)調査企画内容とおおむね一致した。(2)(1)に加え、調査企画内容以外の非違も把握した。(3)調査企画内容が事実と異なった。
 (1)「調査企画内容とおおむね一致した」とは、次のいずれかに該当するものとされている。①調査企画の主たる非違形態(売上除外、架空仕入など)と実地調査で把握した非違形態が一致した事案(調査企画の見込増差所得金額と実地調査で把握した増差所得金額に開差がある場合であっても、その要因が単に経費認容等である場合は、該当するものとする)、②調査対象者の架空外注費を想定したが、外注先の売上除外であった場合など、不正形態や見込増差所得金額は想定したとおりであったものの、処分の相手方が異なっていた事案。
 そのほか、回報書には、調査企画部署への意見・要望、他に事案に波及する情報(タックスプロモーターの有無など)を記載する欄も設けられている。
「正義感」「折れない心」……
 なお、国税当局は、調査企画に必要なものは、「自由な発想」「正義感」「折れない心」「ネットワーク・情報網」「フットワーク」としているようだ。

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