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解説記事2021年07月12日 税制改正解説 令和3年度税制改正における法人税関係の改正について(2021年7月12日号・№890)

税制改正解説
令和3年度税制改正における法人税関係の改正について
 千々松佳保

はじめに

 令和3年度税制改正においては、ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現を図るための事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度及び認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例並びに中小企業の経営資源の集約化による事業再構築等を促すための中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設を行うとともに、家計の暮らしと民需を下支えするための住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の特例の延長等を行うこととされたほか、固定資産税の評価替えへの対応等を行うこととされ、関係法令の改正が行われた。
 このうち法人税関係(国際課税関係を除く。)については、会社法の改正による株式交付制度の創設に伴う確定申告書等に添付すべき書類の整備、円滑・適正な納税のための環境整備としての寄附金税制の適正化等の改正を行うこととされたほか、租税特別措置法の改正では、事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除制度(デジタルトランスフォーメーション投資促進税制及びカーボンニュートラルに向けた投資促進税制)、認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例及び中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設等が行われる一方で、高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の廃止等、既存の租税特別措置の整理合理化が行われた。
 本稿はこれらの改正の主な内容について解説をするものである。

法人税法等の改正

Ⅰ 会社法等の改正(取締役の報酬等に関する規律)に伴う整備

一 譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例
 取締役の報酬等として出資の履行を要しないで交付される特定譲渡制限付株式についての役務提供費用の額は、その特定譲渡制限付株式の交付時等の価額に相当する金額とされた(法令111の2④)。

二 役員給与の損金不算入
 不相当に高額な役員給与の損金不算入における形式基準による超過額について、定款等により役員に対する給与の支給につき自己の株式等の数の上限を定めている法人のその株式等に係る限度額が、その定められた数の上限及び支給時等の1単位当たりの価額により算定された金額とされた(法令70)。

三 資本金等の額
 事前交付型の株式報酬に係る資本金等の額の増加額について、当期までに費用に計上された交付株式に係る役務の提供額に相当する金額とすることとされた(法令8①一の二)。

四 非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の損金算入等
 事前交付型の株式報酬により株式を交付している法人を被合併法人等とする非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の計算において、その株式報酬のうち役務未提供部分に相当する金額は、非適格合併等対価額に含めないこととされた(法令123の10⑮)。

五 その他の整備
 株式引受権について、新株予約権と同様、その株式引受権に係る義務を簿価純資産価額等の計算上負債として取り扱う等の整備が行われた(法令8①十五等)。

Ⅱ 会社法等の改正(株式交付制度の創設)に伴う整備

一 確定申告書等の添付書類
 確定申告書等に添付すべき書類について、株式交換、株式移転及び株式交付に係る株式交換契約書、株式移転計画書、株式交付計画書及び主要な事項に関する明細書並びに株式交付子会社の株主に対して交付した資産の数又は価額の算定の根拠を明らかにする事項を記載した書類が追加された(法規35五・六、37の12六・七、37の17①五・六)。

二 有価証券の譲渡損益の計上時期
 有価証券の譲渡に係る契約をした日に譲渡損益を認識しない事由に株式交付に係る有価証券の譲渡が追加されるとともに、その譲渡損益を認識すべき日が株式交付の日とされた(法規27の3)。

Ⅲ その他

一 社会医療法人に対する税制上の措置
 社会医療法人の認定要件のうち救急医療等確保事業に係る業務の実績が一定の基準に適合することとの要件について、夜間等救急自動車等搬送件数及びへき地診療所に対する医師の延べ派遣日数等の基準値に係る特例が追加された(平20.3厚生労働告119)。

二 減価償却資産の範囲
 無形固定資産となる電気ガス供給施設利用権に、電気事業法の配電事業を営む者に対して電気の供給施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して電気の供給を受ける権利が追加された(法令13八タ)。

三 寄附金の損金不算入
 寄附金の損金不算入制度について、次の見直しが行われた。
(1)特定公益増進法人に対する寄附金の特別損金算入限度額について、次の見直しが行われた。
① 特別損金算入限度額の計算の対象となる寄附金から出資に関する業務に充てられることが明らかな寄附金が除外された(法法37④)。
② 特定公益増進法人の範囲に、定款にその地方独立行政法人の試験研究の成果を活用する事業等を実施する者に対する出資を行う旨の定めがある地方独立行政法人が追加された(法令77一の二)。
(2)事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることにより支出した金額については、みなし寄附金制度を適用しないこととされた(法法37⑤ただし書)。
(3)公益法人等の寄附金の損金算入限度額の計算の対象外とされる法人の範囲に、敷地分割組合が追加された(法規22の4六)。

四 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度について、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律に基づく独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の助成金のうち北海道旅客鉄道株式会社の輸送の安全の確立のための鉄道施設等の整備に充てられるものが、同法の改正後において引き続きこの制度の対象とされた(法令79六、法規24の2)。

五 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度について、その対象事業に電気事業法の配電事業が追加された(法法45①一)。

六 貸倒引当金
 貸倒引当金制度について、対象となる金融に関する取引に係る金銭債権を有する内国法人に、割賦販売法の登録少額包括信用購入あっせん業者が追加された(法令96⑤四)。

七 不正行為等に係る費用等の損金不算入
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正に伴い、不正行為等に係る費用等の損金不算入制度について、損金不算入の対象となるものに同法の課徴金及び延滞金が追加された(法法55④七)。

八 税務関係書類における押印義務の見直しに関する法人税関係の改正
 税務関係書類における押印義務の見直しにより、次の改正が行われた。
(1)法人税申告書等に係る代表者等の自署押印に関する平成30年改正法附則の経過措置について、令和3年4月1日以後に提出するものは、自署及び押印を要しないこととされた(平成30年改正法附則41②、42③、126③)。
(2)マイクロフィルムによる帳簿書類の保存について、その保存の要件に係る帳簿書類の保存に関する事務の責任者等の押印は要しないこととされた(平24.1財務告26①五イロ)。

九 年金制度の見直しに伴う法人税関係の改正
 存続連合会確定給付年金積立金運用契約に係る存続連合会確定給付年金積立金の運用及びその運用に係る存続連合会確定給付年金積立金の管理の受託の業務が、退職年金業務等に該当することが明確化された(法令156の2十)。

租税特別措置法の改正

Ⅰ 税額控除等関係

一 中小企業者等の法人税率の特例(連結:中小企業者等である連結法人の法人税率の特例)
(1)対象となるみなし公益法人等の範囲に敷地分割組合が追加された上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の3の2①②、措令27の3の2)。
(2)連結納税制度の廃止及びグループ通算制度の施行に対応するため、次の改正が行われた。
① 対象法人の範囲について、各事業年度終了の時において大通算法人に該当する普通法人は本制度を適用しないこととされ、対象法人から除かれる適用除外事業者に該当する普通法人には、通算法人である普通法人の各事業年度終了の日においてその普通法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人が適用除外事業者に該当する場合におけるその普通法人を含むこととされた(措法42の3の2①)。
② 通算親法人である協同組合等又は通算親法人である特定の医療法人について、本制度により軽減税率が適用される所得の金額は軽減対象所得金額とされた(措法42の3の2③二)。

二 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度(研究開発税制)
(1)本制度の対象となる「試験研究費の額」について、次の見直しが行われた(措法42の4⑧一)。
① 試験研究のために要する費用の額で研究開発費として損金経理をした金額のうち、棚卸資産若しくは固定資産(事業の用に供する時において試験研究の用に供する固定資産を除く。)の取得に要した金額とされるべき費用の額又は繰延資産(試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除く。)となる費用の額が追加された。
② 上記①の見直しに伴い、上記①の固定資産又は繰延資産の償却費、除却による損失及び譲渡による損失の額が除外された。
③ 上記①の見直しに伴い、当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額が除外された。
④ 新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究に該当しない試験研究のために要する費用の額が除外された。
(2)一般試験研究費の額に係る税額控除制度(改正前:試験研究費の総額に係る税額控除制度)の見直し
① 税額控除割合が、次の区分に応じたそれぞれ次の割合(上限:10%)とされた(措法42の4①一)。
 イ ロ以外の場合……10.145%から、9.4%から増減試験研究費割合を減算した割合に0.175を乗じて計算した割合を減算した割合(下限:2%)
 ロ その事業年度が設立事業年度である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
② 法人の令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度については、税額控除割合は、上記①にかかわらず、次の区分に応じたそれぞれ次の割合(上限:14%)とされた(措法42の4②一)。
 イ 増減試験研究費割合が9.4%を超える場合(ロの場合を除く。)……10.145%に、その増減試験研究費割合から9.4%を控除した割合に0.35を乗じて計算した割合を加算した割合
 ロ 増減試験研究費割合が9.4%以下である場合(ハの場合を除く。)……10.145%から、9.4%からその増減試験研究費割合を減算した割合に0.175を乗じて計算した割合を減算した割合(下限:2%)
 ハ その事業年度が設立事業年度である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
③ 試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除割合の特例の適用期限が、令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4②二)。
④ 令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち基準年度比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度の税額控除額の上限について、当期の調整前法人税額の5%相当額を加算することとされた(措法42の4③三)。
⑤ 試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除額の上限の特例の適用期限が、令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4③二)。
(3)中小企業技術基盤強化税制の見直し
① 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例のうち税額控除割合を割り増す部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の措置に見直され、その特例における逓増率が0.3から0.35に引き上げられた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑤)。
② 試験研究費割合が10%を超える場合の特例のうち税額控除割合を割り増す部分の適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑤)。
③ 令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち基準年度比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度の税額控除額の上限について、当期の調整前法人税額の5%相当額を加算することとされた(措法42の4⑥三)。
  増減試験研究費割合が9.4%を超える場合又は試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除額の上限の特例と重複適用することができることとされている。その他の内容は上記(2)④と同様である。
④ 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例のうち税額控除額の上限を引き上げる部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える事業年度(設立事業年度及び比較試験研究費の額が0である事業年度を除く。)の控除上限額に当期の調整前法人税額の10%相当額を加算する措置とされた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑥一)。
⑤ 試験研究費割合が10%を超える場合の特例のうち税額控除額の上限を割り増す部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える場合には適用しないこととされた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑥二)。
(4)特別試験研究費の額に係る税額控除制度の見直し
① 成果活用促進事業者との共同研究及び成果活用促進事業者に対する委託研究に係る税額控除割合が、25%とされた(措法42の4⑦二、措令27の4①四・十一)。
② 特定中小企業者等に対する委託研究について、次の見直しが行われた(措令27の4等)。
 イ 委任契約等により委託するもので、その委託に基づき行われる業務が試験研究に該当するものに限ることとされた。
 ロ 委任契約等において、その試験研究の成果がその委託をする法人に帰属する旨(改正前:その試験研究の成果の帰属に関する事項)を定めなければならないこととされた。
③ 大学等との共同研究及び大学等に対する委託研究について、適用を受けようとする法人が中小企業者及び農業協同組合等以外の法人である場合におけるその契約又は協定に定めるべき事項に試験研究に要する費用の見込額が追加され、その見込額は50万円を超えるものに限ることとされた(措規20⑱二二)。
(5)上記(1)から(4)までの改正に伴い、グループ通算制度の場合について、次の改正が行われた。
① 通算法人の税額控除可能分配額の計算につき上記(2)①と同様の改正が行われ、グループ通算制度における税額控除割合の特例及び税額控除額の上限の特例の適用については、通算グループ全体で計算することとされた(措法42の4⑧八・九)。
② 進行年度における税額控除額の上限の上乗せ措置により適用通算法人の対象事業年度において法人税額基準額に加算される金額について、その加算される金額の計算の基礎となる欠損金増加合計額に対応する法人税額相当額に税額控除額の上限の特例の割合を乗じて計算した金額を加算することとされたほか、中小企業者等の法人税率の特例の適用期限の延長に伴う所要の整備が行われた(措法42の4⑪一)。
③ 通算適用除外事業者に該当する中小企業者については大学等との共同研究及び大学等に対する委託研究につきその契約又は協定に試験研究に要する費用の50万円を超える見込額の定めが必要な法人とされたほか、上記(4)の改正に伴う見直しが行われた(措規20⑱等)。

三 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度
 制度が廃止された(旧措法42の5、旧措令27の5、旧措規20の2)。

四 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:中小連結法人が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)制度(中小企業投資促進税制)
(1)次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の6①)。
① 対象法人について、次の見直しが行われた。
 イ 対象法人に商店街振興組合が追加された。なお、商店街振興組合は、特定中小企業者等に該当することとされている(措法42の6①、措令27の6⑦)。
 ロ みなし大企業の判定における大規模法人から独立行政法人中小企業基盤整備機構(みなし大企業の判定の対象法人の発行する株式の全部又は一部が中小企業等経営強化法の認定事業再編投資組合の組合財産である場合におけるその組合員の出資に係る部分に限る。)を除外する措置が廃止された(措法42の6①、旧措令27の6①)。
② 指定事業に次の事業が追加された(措規20の3⑤二・十一・十二)。
 イ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業で、生活衛生同業組合の組合員が行うもの
 ロ 不動産業
 ハ 物品賃貸業
③ 対象資産から匿名組合契約その他これに類する一定の契約の目的である事業の用に供するものが除外された(措法42の6①、措令27の6④)。
(2)通算適用除外事業者に該当する中小企業者については本制度を適用しないこととされたほか、連結納税制度の廃止及びグループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われた(措法42の6①④、措令27の6⑦等)。

五 沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除制度
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和4年3月31日まで1年延長された(措法42の9①、措令27の9①)。
(1)対象資産のうち特定高度情報通信技術活用システム(5G情報通信システム)に該当するものについては、その法人の認定導入計画に記載された認定特定高度情報通信技術活用設備に限ることとされた(措法42の9①)。
(2)対象事業について、次のとおり見直された(措令27の9⑥⑨等)。
① 産業高度化・事業革新促進地域に係る措置の対象事業から、こん包業、機械設計業、経営コンサルタント業、エンジニアリング業、商品検査業及び研究開発支援検査分析業が除外された(措令27の9⑥)。
② 国際物流拠点産業集積地域に係る措置の対象事業から、こん包業が除外された(措令27の9⑨)。
③ 経済金融活性化特別地区に係る措置の対象事業から、自然科学研究所に属する事業、法律事務所に属する事業、特許事務所に属する事業、公認会計士事務所に属する事業及び税理士事務所に属する事業が除外された(認定経済金融活性化計画)。

六 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の11の2①、平29.8総務・財務・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境告1)。
(1)承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件のうち先進性を有すること等の要件の見直しが行われた。
(2)特別償却割合又は税額控除割合の引上げに係る対象事業が地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものであることとの要件の見直しが行われた。
(3)同一の事業者が同一の地域において複数の地域経済牽引事業計画の承認を受けた場合の主務大臣の確認要件の見直しが行われた。

七 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:特定中小連結法人が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)制度
 適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された(旧措法42の12の3、旧措令27の12の3、旧措規20の8)。

八 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:中小連結法人が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)制度
(1)本制度における中小企業者等について上記(1)①ロと同様の見直し等が行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の12の4①)。
(2)通算適用除外事業者に該当する中小企業者については本制度を適用しないこととされたほか、連結納税制度の廃止及びグループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われた(措法42の12の4①等)。

九 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除制度(改正後:給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度)
(1)法人が給与等の引上げ及び設備投資を行った場合に係る措置が改組され、青色申告書を提出する法人が、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、その事業年度において次の①の要件を満たすときは、その法人のその事業年度の控除対象新規雇用者給与等支給額(その事業年度において、地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度の適用を受ける場合には、その控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を控除した残額)の15%(その事業年度において次の②の要件を満たす場合には、20%)相当額の税額控除ができる措置とされた(措法42の12の5①等)。
① その法人の新規雇用者給与等支給額からその新規雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその新規雇用者比較給与等支給額に対する割合が2%以上であること。
② その法人のその事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額からその比較教育訓練費の額を控除した金額のその比較教育訓練費の額に対する割合が20%以上であること。
(2)中小企業者等が給与等の引上げを行った場合に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法42の12の5②等)。
① 本措置の適用を受けるための要件である「その中小企業者等の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が1.5%以上であること」との要件について、その中小企業者等の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が1.5%以上であることとの要件とされた。
② 税額控除割合を乗ずる基礎となる金額である「その雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額」について、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額を給与等の支給額から控除しないで計算することとされた上、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額を給与等の支給額から控除して計算した金額が上限とされた。
③ 税額控除割合が25%となる要件である「その中小企業者等の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が2.5%以上であること」との要件について、その中小企業者等の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が2.5%以上であることとの要件とされた。
(3)通算適用除外事業者に該当する中小企業者については中小企業者等の雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置を適用しないこととされたほか、連結納税制度の廃止及びグループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われた。

十 事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除制度(デジタルトランスフォーメーション投資促進税制・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制)(創設)
(1)事業適応設備に係る措置
  青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律(以下「産競法等改正法」という。)の施行の日から令和5年3月31日までの間に、情報技術事業適応の用に供するために特定ソフトウエアの新設若しくは増設をし、又は情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)を支出する場合において、その新設又は増設に係る特定ソフトウエア並びにその特定ソフトウエア又はその利用するソフトウエアとともに情報技術事業適応の用に供する機械装置及び器具備品の取得等をして、これをその法人の事業の用に供したときは、その事業の用に供した日を含む事業年度において、その取得価額(下記(2)の措置の対象となる資産と合計して300億円が上限とされている。)の30%相当額の特別償却又はその取得価額の3%(情報技術事業適応のうち産業競争力の強化に著しく資する一定のものの用に供する資産については、5%)相当額の税額控除(税額控除額は、下記(2)及び下記(3)の措置の税額控除と合計して当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができるというものである(措法42の12の7①④)。
(2)事業適応繰延資産に係る措置
  青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、産競法等改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合には、その支出した日を含む事業年度において、その支出した費用に係る繰延資産の額(上記(1)の措置の対象となる資産と合計して300億円が上限とされている。)の30%相当額の特別償却又はその繰延資産の額の3%(情報技術事業適応のうち産業競争力の強化に著しく資する一定のものを実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用に係る繰延資産については、5%)相当額の税額控除(税額控除額は、上記(1)及び下記(3)の措置の税額控除と合計して当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができるというものである(措法42の12の7②⑤)。
(3)カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
  青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者(その認定事業適応計画(エネルギー利用環境負荷低減事業適応に関するものに限る。)にその計画に従って行うエネルギー利用環境負荷低減事業適応のための措置として生産工程効率化等設備等を導入する旨の記載があるものに限る。)であるものが、産競法等改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に、その計画に記載された生産工程効率化等設備等の取得等をして、これをその法人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、その取得価額(500億円が上限とされている。)の50%相当額の特別償却又はその取得価額の5%(その生産工程効率化等設備等のうちエネルギーの利用による環境への負荷の低減に著しく資する一定のものについては、10%)相当額の税額控除(税額控除額は、上記(1)の措置及び上記(2)の措置の税額控除と合計して当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができるというものである(措法42の12の7③⑥)。

十一 法人税の額から控除される特別控除額の特例
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和6年3月31日まで3年延長された(措法42の13⑥)。
(1)特定税額控除制度に、上記十の制度の税額控除が追加された(措法42の13⑥⑧)。
(2)特定税額控除制度の不適用措置における法人の継続雇用者給与等支給額がその継続雇用者比較給与等支給額を超えることとの要件の判定上、継続雇用者給与等支給額及び継続雇用者比較給与等支給額の算定に際し、給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額は、給与等の支給額から控除しないこととされた(措法42の13⑥一、措令27の13④⑤)。
(3)通算適用除外事業者に該当する中小企業者について本措置の対象とされたほか、特定対象年度の所得の金額がその前事業年度の所得の金額以下である場合の適用除外について、グループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われるとともに、通算法人が適用対象事業年度において研究開発税制のうち一般試験研究費の額に係る税額控除制度又は特別試験研究費の額に係る税額控除制度の適用を受けようとする場合におけるこの措置による適用可否の判定については、継続雇用者給与等支給額及び国内設備投資額に係る要件並びに基準所得等金額の計算につき、通算グループを一体として計算する調整を行うこととされた(措法42の13⑤等)。

十二 通算法人の仮装経理に基づく過大申告の場合等の法人税額
 特例の対象に適用期限の延長等がされた一定の税額控除規定が追加されるとともに、法人税の額から控除される特別控除額の特例の適用がある場合の要加算調整額の整備が行われた(措法42の14①)。

Ⅱ 特別償却関係

一 特定設備等の特別償却制度(改正後:特定船舶の特別償却制度)
(1)再生可能エネルギー発電設備等の特別償却は、その適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法43①表一、旧措令28①②⑥⑨⑪、旧平31.3財務告96一、旧平30.3経済産業告69)。
(2)船舶の特別償却について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法43①)。
① 外航船舶について、経営合理化及び環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた(平27.3国土交通告473別表1)。
② 内航船舶について、次の見直しが行われた。
 イ 対象船舶から匿名組合契約(当事者の一方が相手方の事業のために出資をし、相手方がその事業から生ずる利益を分配することを約する契約を含む。)又は外国におけるこれに類する契約の目的である船舶貸渡業の用に供される船舶で、その貸付けを受けた者の沿海運輸業の用に供されるものが除外された(措令28②)。
 ロ 経営合理化及び環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた(平27.3国土交通告473別表2①)。

二 被災代替資産等の特別償却制度
 被災代替資産等の特別償却制度における中小企業者等について、上記Ⅰ四(1)①ロと同様の見直しが行われた(措法43の3②)。

三 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度
 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、研究所用の施設の取得等資金に係る要件が3億5,000万円以上(改正前:3億円以上)に引き上げられた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法44①、措令28の4①一)。

四 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度
(1)本制度の対象となる特定中小企業者等が、青色申告書を提出する法人で中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)又はこれに準ずる法人であるもののうち中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月16日)から令和5年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の認定を受けた同法の中小企業者に該当するものとされ、対象資産がその認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までの間に、取得等をして、その法人の事業の用に供した資産とされた(措法44の2①)。
(2)本制度の対象となる法人について、上記Ⅰ四(1)①ロと同様の見直しが行われた(措法44の2①)。
(3)令和5年4月1日以後に取得等をした特定事業継続力強化設備等の特別償却割合が、18%(改正前:20%)に引き下げられた(措法44の2①)。
(4)対象資産について、次の見直しが行われた。
① 対象資産に、機械及び装置並びに器具及び備品の部分について行う改良又は機械及び装置並びに器具及び備品の移転のための工事の施行に伴って取得し、又は製作するものを含むこととされた(措法44の2①)。
② 対象資産から、資産の取得等に充てるための国又は地方公共団体の補助金等の交付を受けた法人が、その補助金等をもって取得等をしたその補助金等の交付の目的に適合した資産等が除外された(措法44の2②、中小企業等経営強化法施行規則29)。
(5)通算適用除外事業者に該当する中小企業者については、本制度を適用しないこととされた(措法44の2①)。

五 共同利用施設の特別償却制度
 取得価額要件が400万円以上(改正前:200万円以上)に引き上げられた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法44の3①、措令28の6)。

六 特定地域における工業用機械等の特別償却制度
(1)過疎地域に係る措置が改組され、青色申告書を提出する法人が、特定過疎地域持続的発展市町村計画に記載された計画期間の初日又は特定過疎地域持続的発展市町村計画が定められた日のいずれか遅い日から令和6年3月31日までの間に、過疎地域及び過疎地域に準ずる地域のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進される地区内において営む対象事業の用に供する対象設備の取得等をして、これをその地区内においてその法人の対象事業の用に供した場合には、その用に供した日以後5年以内の日を含む各事業年度において、その対象設備に係る産業振興機械等の普通償却限度額の32%(建物等及び構築物は、48%)相当額の割増償却ができる措置とされた(措法45②表一、措令28の9⑨一⑪一⑫〜⑮、措規20の16⑥⑦)。
(2)特定地域における工業用機械等の特別償却のうち、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置、国際物流拠点産業集積地域に係る措置、経済金融活性化特別地区に係る措置及び沖縄の離島の地域に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和4年3月31日まで1年延長された(措令28の9①一〜四)。
① 産業高度化・事業革新促進地域に係る措置、国際物流拠点産業集積地域に係る措置及び経済金融活性化特別地区に係る措置の対象資産のうち特定高度情報通信技術活用システム(5G情報通信システム)に該当するものについては、その法人の認定導入計画に記載された認定特定高度情報通信技術活用設備に限ることとされた(措法45①)。
② 一の生産等設備を構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が一定金額以上であることとの要件における「取得価額」が、法人税法施行令の規定により計算した取得価額とされた(措令28の9②一イ)。
③ 対象事業について、次のとおり見直された。
 イ 産業高度化・事業革新促進地域に係る措置の対象事業から、こん包業、機械設計業、経営コンサルタント業、エンジニアリング業、商品検査業及び研究開発支援検査分析業が除外された(措令28の9③)。
 ロ 国際物流拠点産業集積地域に係る措置の対象事業から、こん包業が除外された(措令28の9⑥)。
 ハ 経済金融活性化特別地区に係る措置の対象事業から、自然科学研究所に属する事業、法律事務所に属する事業、特許事務所に属する事業、公認会計士事務所に属する事業及び税理士事務所に属する事業が除外された(認定経済金融活性化計画)。
(3)特定地域における産業振興機械等の割増償却のうち、半島振興対策実施地域に係る措置、離島振興対策実施地域に係る措置及び奄美群島に係る措置について、一の設備を構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が一定金額以上であることとの要件における「取得価額」が、法人税法施行令の規定により計算した取得価額とされた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法45②、措令28の9②一イ、⑨二〜四)。
(4)特定地域における産業振興機械等の割増償却のうち振興山村に係る措置は、その適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法45②表四、旧措令28の9⑫四⑭四、旧措規20の16⑥)。
(5)特定地域における産業振興機械等の割増償却における適用要件について他の通算法人のうちいずれかの法人が資本金の額等が5,000万円を超える法人又は受託法人に該当する場合における通算法人を中小規模法人から除外するとともに、特定地域における産業振興機械等の割増償却における設備の投資規模に係る要件について所要の整備が行われたほか、連結納税制度の廃止及びグループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われた(措法45②等)。

七 医療用機器等の特別償却制度
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法45の2①〜③)。
(1)医療用機器に係る措置における対象機器のうち診療所用のCT及びMRIについて、配置効率化要件が追加された(措令28の10②一、平31.3厚生労働告151)。
(2)医療用機器に係る措置における高度な医療の提供に資する機器について、医療用機器のうち高度な医療の提供に資する機器について、次の見直しが行われた(平21.3厚生労働告248)。
① 追加(3機器)
  対象機器に次の機器が追加された。
  眼底カメラ(補償光学技術を用いるものに限る。)、眼軸長計測機能付レフラクト・ケラトメータ、デジタル印象採得装置
② 除外(4機器)
  対象機器から次の機器が除外された。
  眼科用超音波画像診断装置、超音波式角膜厚さ・眼軸長測定装置、回転式ミクロトーム、高頻度人工呼吸器

八 特定都市再生建築物の割増償却制度
 対象となる民間都市再生事業計画の認定要件に、次の要件が追加された上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法47①、「民間都市再生事業計画制度の運用について(事業認定ガイドライン)」3)。
(1)その事業区域内において複数(2以上)の用途を整備すること。
(2)特定都市再生緊急整備地域については、その事業区域内に多層にわたるオフィスを含む建築物を整備する場合、そのオフィス用途部分の基準階面積が1,000㎡以上であること。

九 特別償却等に対する複数の規定の不適用措置
 法人の有する減価償却資産の取得価額又は繰延資産の額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額につき試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の適用を受けたときは、その減価償却資産又は繰延資産については、租税特別措置法の規定による特別償却又は税額控除制度等は、適用しないこととされた(措法53②)。

十 その他の特別償却制度
 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度の適用期限が、令和5年3月31日まで2年延長された(措法46の2①)。

Ⅲ 準備金関係

一 中小企業事業再編投資損失準備金制度(創設)
 中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)で青色申告書を提出するもののうち、産競法等改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に経営力向上計画(事業承継等事前調査に関する事項の記載があるものに限る。)について認定を受けたものが、各事業年度においてその認定に係る経営力向上計画に従って行う事業承継等(他の特定事業者等の株式又は持分の取得で一定のものに限る。)として他の法人の株式又は出資の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その取得をした株式又は出資の取得価額が10億円を超える場合を除く。)において、その株式又は出資の価格の低落による損失に備えるため、その株式又は出資の取得価額の70%相当額以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を損金の額に算入することができるものである。なお、この準備金は、各事業年度終了の日において前事業年度から繰り越された金額のうち積立事業年度終了の日の翌日から5年を経過したものがある場合には、その各事業年度において、原則として、積立金額の5年均等額を益金の額に算入することができるというものである(措法55の2)。

二 中小企業者等の貸倒引当金の特例
 割賦販売小売業並びに包括信用購入あっせん業及び個別信用購入あっせん業に係る法定繰入率が、0.7%(改正前:1.3%)に引き下げられた(措令33の7④四)。

三 農業経営基盤強化準備金制度
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(措法61の2①)。
(1)対象となる法人が、農地中間管理事業の推進に関する法律の規定により公表された協議の結果において、市町村が適切と認める区域における農業において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者とされたものに限定された(措法61の2①)。
(2)損金算入限度額となるその事業年度の所得の金額について、積立て後5年を経過した農業経営基盤強化準備金の取崩しにより益金の額に算入される金額を益金の額に算入しないものとして計算することとされた(措令37の2②)。

四 農用地等を取得した場合の課税の特例
 圧縮限度額となるその事業年度の所得の金額について、上記(2)と同様の見直しが行われた(措令37の3③)。

Ⅳ 土地税制関係

一 土地の譲渡等がある場合の特別税率
 優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置について、次の見直しが行われた。
(1)適用除外措置の対象となるマンション敷地売却事業について、その認定買受計画に決議特定要除却認定マンション(改正前:決議要除却認定マンション)を除却した後の土地に新たに建築されるマンションに関する事項等の記載があるマンション敷地売却事業とされた(措法62の3④十、措令38の4)。
(2)適用除外措置の対象となる収用換地等による土地等の譲渡について、下記(1)の敷地権利変換は、その収用換地等に該当しないこととされた(措法62の3④三)。
(3)適用除外措置の対象となる一定の建築物の建築事業を行う者に対する土地等の譲渡及び特定の民間再開発事業を行う者に対する土地等の譲渡について、地区施設の範囲を改正前と同様とするための所要の規定の整備が行われた(措令38の4二イ、二)。

二 短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率
 適用除外措置の対象となる収用換地等による土地等の譲渡について、上記(2)と同様の見直しが行われた(措法63③三)。

三 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等
(1)送電施設又は変電施設に係る部分について、配電事業の用に供するために設置される送電施設又は使用電圧5万ボルト以上の変電施設が追加された(措規14⑤三イ)。
(2)適用対象となる一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に関する事業が、東日本大震災からの復興に向けた取組を重点的に推進する必要があると認められる区域である地方公共団体の区域内において行われるものとされた(措規14⑤四の七)。

四 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
(1)適用対象に、資産につきマンション建替法の敷地分割事業が実施された場合においてその資産に係る敷地権利変換により除却敷地持分、非除却敷地持分等又は敷地分割後の団地共用部分の共有持分を取得するときが追加される等の見直しが行われた(措法65①七)。
(2)上記(1)の改正に伴い、完全支配関係がある法人の間で譲渡された譲渡損益調整資産について、その譲渡の後に上記(1)の敷地権利変換があった場合において、圧縮記帳の適用を受けるときは、その譲渡損益調整資産の譲渡利益額を引き続き計上しないこととされた(措法65⑩)。

五 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除(連結:特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除)制度(1,500万円特別控除制度)
(1)特定の民間住宅地造成事業の用に供するための土地等が買い取られる場合に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年12月31日まで3年延長された(措法65の4①三)。
① 適用対象から都市計画法の開発許可を受けて行われる一団の宅地の造成事業に係る土地等の譲渡が除外された(旧措法65の4①三イ)。
② 適用対象となる土地区画整理法による土地区画整理事業として行われる一団の宅地の造成事業に係る土地等の譲渡について、その施行地区の全部が市街化区域に含まれる土地区画整理事業として行われる一団の宅地造成事業に係る土地等の譲渡に限定された(措法65の4①三)。
(2)適用対象となるマンション敷地売却事業について、通行障害既存耐震不適格建築物に該当する決議特定要除却認定マンション(改正前:決議要除却認定マンション)の敷地の用に供されている土地等につき実施されたマンション敷地売却事業とされた(措法65の4①二十二の二)。

六 農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の所得の特別控除(連結:農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除)制度(800万円特別控除制度)
 農用地利用集積等促進計画を公告することにより農地中間管理機構に対し農地等を譲渡した場合の確定申告書等に添付すべき書類について、「福島県知事のその農地等に係る権利の移転につき農用地利用集積等促進計画を定めたことの公告をした旨及びその公告の年月日を証する書類」が追加された(措規22の6④四イ)。

七 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例
 過疎地域の外から内への買換えに係る措置及び防災再開発促進地区のうち危険密集市街地内における防災街区整備事業に関する都市計画の実施に伴う買換えに係る措置は、その適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって制度の対象から除外された(旧措法65の7①表三・五、旧措令39の7④⑥、旧措規22の7③三・四④五・六)。

Ⅴ その他の特別措置関係

一 沖縄の認定法人の所得の特別控除制度(連結:沖縄の認定法人の連結所得の特別控除制度)
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和4年3月31日まで1年延長された(措法60①②)。
(1)国際物流拠点産業集積地域に係る措置の対象事業からこん包業が除外された(沖縄振興特別措置法施行令5)。
(2)経済金融活性化特別地区に係る措置の対象事業から自然科学研究所に属する事業、法律事務所に属する事業、特許事務所に属する事業、公認会計士事務所に属する事業及び税理士事務所に属する事業が除外された(認定経済金融活性化計画)。

二 株式等を対価とする株式の譲渡に係る所得の計算の特例(連結:株式等を対価とする株式の譲渡に係る連結所得の計算の特例)(創設)
 法人が、その有する株式を発行した他の法人を株式交付子会社とする株式交付によりその株式を譲渡し、その株式交付に係る株式交付親会社の株式の交付を受けた場合(その株式交付により交付を受けた株式交付親会社の株式の価額がその株式交付により交付を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額のうちに占める割合が80%に満たない場合を除く。)には、その譲渡した株式の譲渡損益のうちその交付を受けた株式交付親会社の株式に対応する部分の計上を繰り延べるものである(措法66の2の2①)。

三 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得の計算の特例(連結:特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る連結所得の計算の特例)
 認定の期限(令和3年3月31日)の到来をもって制度が廃止された(旧措法66の2の2、旧措令39の10の3、旧措規22の9の3)。

四 技術研究組合の所得の計算の特例(連結:技術研究組合の連結所得の計算の特例)
 対象となる試験研究用資産から鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)が除外された上、その適用期限が令和6年3月31日まで3年延長された(措法66の10①、措令39の21)。

五 特定投資運用業者の役員に対する業績連動給与の損金算入の特例(連結:連結法人である特定投資運用業者の役員に対する業績連動給与の損金算入の特例)(創設)
 青色申告書を提出する法人で特定投資運用業者に該当するものが、令和3年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度においてその業務執行役員に対して特定業績連動給与を支給する場合には、その特定業績連動給与に係る役員給与の損金不算入制度の適用については、その法人が金融商品取引法の規定により提出する公表事業報告書は、有価証券報告書とみなすこととするとともに、その算定方法の内容を、一定の日以後遅滞なく公表事業報告書に記載して提出し、かつ、説明書類に記載して公衆の縦覧に供し、又は公表したときは、業績連動給与の損金算入要件のうち有価証券報告書への記載等によりその算定方法の内容が開示されていることとの要件を満たすこととするものである(措法66の11の2)。

六 認定特定非営利活動法人に対する寄附金の損金算入等の特例(連結:認定特定非営利活動法人等に対する寄附金の損金算入の特例)
 その対象となる寄附金から出資に関する業務に充てられることが明らかなものが除外された(措法66の11の3②)。

七 認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例(連結:認定事業適応連結法人の連結欠損金の損金算入の特例)(創設)
 青色申告書を提出する法人で産競法等改正法の施行の日から同日以後1年を経過する日までの間に産業競争力強化法の事業適応計画の認定を受けたもののうちその認定に係る認定事業適応事業者であるものの各事業年度(その認定に係る事業適応計画に記載された実施時期内の日を含む各事業年度であって、一定の要件を満たす事業年度に限る。)において欠損金の繰越控除制度を適用する場合において、特例欠損事業年度において生じた欠損金額があるときは、超過控除対象額に相当する金額を欠損金の繰越控除制度において損金算入することができる金額に加算するというものである(措法66の11の4)。

八 投資法人に係る課税の特例
 「事業年度終了の時において有する一定の特定資産の帳簿価額がその時において有する資産の総額の2分の1相当額を超えていること」との要件の判定について、投資法人が資産の貸付けをした場合において、その資産の売却を行ったものとしてその売却の対価の額に係る金銭債権を貸借対照表に計上しているときは、その貸借対照表に計上されているその金銭債権の帳簿価額はその資産の帳簿価額とみなすこととされた(措令39の32の3⑬)。

九 特定投資信託に係る受託法人の課税の特例
 「事業年度終了の時において有する一定の特定資産の帳簿価額がその時において有する資産の総額の2分の1相当額を超えていること」との要件の判定について、上記八と同様の見直しが行われた(措令39の35の3⑦)。

十 公益法人等の損益計算書等の提出
 公益法人等の損益計算書等の提出について、損益計算書等の提出を要しないみなし公益法人等の範囲に敷地分割組合が追加された(措令39の37①)。

Ⅵ 震災税特法関係

一 復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(改正後:特定復興産業集積区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度)
(1)復興産業集積区域内において産業集積事業又は建築物整備事業の用に供される機械等に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和6年3月31日まで3年延長された(震災税特法17の2①②)。
① 東日本大震災復興特別区域法の改正に伴い、対象区域が東日本大震災復興特別区域法の特定復興産業集積区域とされた。
② 認定地方公共団体に該当する福島県の区域内の地方公共団体の指定を受けた法人が取得等をする機械装置の特別償却割合が50%に引き下げられる等の特別償却割合及び税額控除割合の見直しが行われた。
(2)復興居住区域内において賃貸住宅供給事業の用に供される被災者向け優良賃貸住宅に係る措置は、適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された(旧震災税特法17の2①表二②④、旧震災税特令17の2③、旧震災税特規6の2の2②二)。

二 企業立地促進区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(改正後:企業立地促進区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度)
(1)企業立地促進計画に係る措置について、適用期限をその起算日が平成26年4月1日前である場合には起算日から5年とする規定が削除された(旧震災税特法17の2の2①②)。
(2)次の措置が追加された。
① 福島県知事の指定を受けた法人が、提出特定事業活動振興計画の提出のあった日(令和3年4月20日)から令和8年3月31日までの間に、福島県の区域内においてその提出特定事業活動振興計画に定められた特定事業活動に係る事業の用に供する一定の減価償却資産の取得等をして、これをその区域内においてその事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、その減価償却資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額(建物等及び構築物については、取得価額の25%相当額)の特別償却又はその取得価額の15%(建物等及び構築物については、8%)相当額の税額控除(税額控除額は、企業立地促進計画に係る措置及び下記②の措置の税額控除と合計して当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)ができる措置(震災税特法17の2の2①表二②)。
② 新産業創出等推進事業実施計画につき福島県知事の認定を受けた法人が、提出新産業創出等推進事業促進計画の提出のあった日(令和3年4月20日)から令和8年3月31日までの間に、その提出新産業創出等推進事業促進計画に定められた新産業創出等推進事業促進区域内において新産業創出等推進事業の用に供する一定の減価償却資産の取得等をして、これをその区域内においてその事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、その減価償却資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額(建物等及び構築物については、取得価額の25%相当額)の特別償却又はその取得価額の15%(建物等及び構築物については、8%)相当額の税額控除(税額控除額は、企業立地促進計画に係る措置及び上記①の措置の税額控除と合計して当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)ができる措置(震災税特法17の2の2①表三②)。

三 避難解除区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度
 適用期限をその起算日が平成26年4月1日前である場合には起算日から5年とする規定が削除された(旧震災税特法17の2の3①②)。

四 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度(改正後:特定復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度)
 次の見直しが行われた上、法人指定の期限が令和6年3月31日まで3年延長された(震災税特法17の3①)。
(1)東日本大震災復興特別区域法の改正に伴い、対象区域が東日本大震災復興特別区域法の特定復興産業集積区域とされた(震災税特法17の3①)。
(2)税額控除割合が一律で10%とされた(震災税特法17の3①)。
(3)平成23年3月11日において被災雇用者等が雇用されていた事業所の所在する区域及び同日において被災雇用者等が居住していた区域について、引き続き、改正前と同様の区域とするための整備が行われた(震災税特令17の3、令3.4復興告3)。

五 企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度(改正後:企業立地促進区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度)
 次の措置が追加された上、各措置については同一事業年度において重複して適用できないこととされた(震災税特法17の3の2②)。
(1)提出特定事業活動振興計画の提出のあった日(令和3年4月20日)から令和8年3月31日までの間に福島県知事の指定を受けた法人が、その指定があった日から同日以後5年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度のその期間内において、福島県の区域内に所在するその提出特定事業活動振興計画に定められた特定事業活動を行う事業所に勤務する特定被災雇用者等に対して給与等を支給する場合には、その事業年度において、その支給する給与等の額の10%相当額の税額控除(当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)ができる措置(震災税特法17の3の2①表二)。
(2)提出新産業創出等推進事業促進計画の提出のあった日(令和3年4月20日)から令和8年3月31日までの間に新産業創出等推進事業実施計画につき福島県知事の認定を受けた法人が、その認定を受けた日から同日以後5年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度のその期間内において、その提出新産業創出等推進事業促進計画に定められた新産業創出等推進事業促進区域内に所在する新産業創出等推進事業を行う事業所に勤務する避難対象雇用者等その他の一定の雇用者に対して給与等を支給する場合には、その事業年度において、その支給する給与等の額の15%相当額の税額控除(当期の調整前法人税額の20%相当額が上限とされている。)ができる措置(震災税特法17の3の2①表三)。

六 復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却等制度(改正後:特定復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却等制度)
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和6年3月31日まで3年延長された(震災税特法17の5①)。
(1)東日本大震災復興特別区域法の改正に伴い、対象区域が東日本大震災復興特別区域法の特定復興産業集積区域とされた(震災税特法17の5①)。
(2)認定地方公共団体に該当する福島県の区域内の地方公共団体の指定を受けた中小企業者等が取得等をする開発研究用資産の特別償却割合が50%に引き下げられる等の特別償却割合の見直しが行われた(震災税特法17の5①)。

七 新産業創出等推進事業促進区域における開発研究用資産の特別償却等制度(創設)
 新産業創出等推進事業実施計画につき福島県知事の認定を受けた法人が、提出新産業創出等推進事業促進計画の提出のあった日(令和3年4月20日)から令和8年3月31日までの間に、その提出新産業創出等推進事業促進計画に定められた新産業創出等推進事業促進区域内において開発研究の用に供される開発研究用資産の取得等をして、これをその新産業創出等推進事業促進区域内においてその法人のその開発研究の用に供した場合には、その開発研究の用に供した日を含む事業年度において、その開発研究用資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額の特別償却ができるものである。また、この制度の対象となる開発研究用資産の減価償却費の額は、研究開発税制の適用を受ける場合には、特別試験研究費の額に該当するものとみなされる(震災税特法18①②)。

八 被災代替資産等の特別償却制度
 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された(震災税特法18の2①)。
(1)本制度における中小企業者等について、上記Ⅰ四(1)①ロと同様の見直しが行われた(震災税特法18の2①)。
(2)対象資産から車両運搬具が除外された(震災税特法18の2①、旧震災税特令18五)。

九 被災者向け優良賃貸住宅の割増償却制度
 適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された(旧震災税特法18の2、旧震災税特令18の2、旧震災税特規6の5)。

十 再投資等準備金制度
 東日本大震災復興特別区域法の改正に伴い対象区域が東日本大震災復興特別区域法の特定復興産業集積区域とされた上、法人指定の期限が令和6年3月31日まで3年延長された(震災税特法18の3①)。

十一 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除制度(2,000万円特別控除制度)の特例
 対象となる事業が次の土地等の区分に応じそれぞれ次の事業に限ることとされた上、その適用期限が令和8年3月31日まで5年延長された(震災税特法18の9②)。
(1)特定住宅被災市町村の区域のうち復興推進区域内にある土地等……その土地等が所在する特定住宅被災市町村又はその特定住宅被災市町村の存する県が単独で又は共同して作成した東日本大震災からの復興を図るための一定の計画に記載された事業
(2)特定住宅被災市町村の区域のうち復興推進区域以外の区域内にある土地等……その土地等が所在する特定住宅被災市町村又はその特定住宅被災市町村の存する県が単独で又は共同して作成した東日本大震災からの復興を図るための一定の計画に記載された事業(令和3年3月31日においてその計画に記載されていたものに限る。)

十二 帰還環境整備推進法人に対して土地等を譲渡した場合の所得の特別控除の特例等(改正後:帰還・移住等環境整備推進法人に対して土地等を譲渡した場合の所得の特別控除の特例等)
 福島復興再生特別措置法の改正により、帰還環境整備事業計画の目的が住民の帰還及び移住等の促進を図るための環境の整備に、その名称が帰還・移住等環境整備事業計画に改められ、帰還環境整備推進法人の名称が帰還・移住等環境整備推進法人に改められたことに伴い、所要の規定の整備が行われた(震災税特法18の10、震災税特令18の8、震災税特規6の9)。

十三 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例
 被災区域から特定被災区域への買換えに係る買換資産の所在地の区域が東日本大震災からの復興に向けた取組を重点的に推進する必要があると認められる一定の区域とされた上、その適用期限が令和6年3月31日まで3年延長された(震災税特法19①、19①表一イ、20①、21、震災税特令19②、復興特区令2等)。

十四 その他の震災税特法関係の改正
(1)震災損失の繰戻しによる法人税額の還付制度等について、規定の削除が行われた(旧震災税特法15等)。
(2)震災税特法関係措置の適用期限の延長等に伴い、グループ通算制度の施行に対応するための所要の改正が行われた(震災税特法17の4の2①等)。

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