税務ニュース2020年01月17日 開示・加入時欠損金の判定要件で誤解も(2020年1月20日号・№819) 「支配関係後に新事業開始」「構造的損失発生事業」両要件は並列関係
令和2年度税制改正で実施される連結納税制度の見直しでは、連結納税制度開始あるいは連結納税グループ加入時(以下、開始・加入時)の時価評価課税・欠損金の切り捨ての取り扱いが緩和されたところだ。
開始・加入時における時価評価課税の有無、欠損金の取り扱いの判定方法は817号(6頁~)に掲載したフローチャートの通りだが、この中で注意したいのが、「完全支配関係継続」等を満たすとして「時価評価課税なし」と判定された後に行う欠損金に係る取り扱いの判定における“2つの要件”の関係だ。具体的には、「支配関係後に新事業開始」要件と「構造的損失発生事業(減価償却費/原価及び費用の額の合計額>30%)」要件である。
両要件の関係について、一部には「支配関係後に新事業開始」要件が「構造的損失発生事業」要件の上位に来るとの理解が広がっている。すなわち、まず「支配関係後に新事業開始」要件に該当するかどうかを判定し、同要件に該当しない場合にはさらに「構造的損失発生事業」要件に該当するかどうかを判定するというものだ。
しかし本誌取材によると、両要件はあくまで“並列”の関係にあることが確認されている。すなわち、「共同事業性」要件(42頁参照)に該当しない場合、「支配関係後に新事業開始」要件と「構造的損失発生事業」要件の両要件を“並列”で判定し、両要件ともに該当しない場合には、「加入後の欠損金のうち、支配関係前から有する資産の加入後の実現損相当額の欠損金について損益通算の対象外とした上で特定欠損金とする(支配関係後5年、加入後3年のいずれか早い日まで)」こととなる。
なお、「支配関係後に新事業開始」要件に該当する場合には、「支配関係前欠損金額の切捨て」「支配関係前資産の支配関係後加入前間の実現損相当額の欠損金額の切捨て」「支配関係前資産の加入後実現損の損金不算入(支配関係後5年、加入後3年のいずれか早い日まで)」となり、「構造的損失発生事業」要件に該当する場合には、「加入後の欠損金について損益通算の対象外とした上で特定欠損金とする(支配関係後5年、加入後3年のいずれか早い日まで)」こととなる。
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