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解説記事2025年03月10日 SCOPE 「103万円の壁」の見直し、与党が基礎控除を上乗せ(2025年3月10日号・№1066)

国民民主党と合意できずも、一部法案を修正
「103万円の壁」の見直し、与党が基礎控除を上乗せ


 自民党及び公明党、国民民主党の三党による税制調査会の協議が2月26日に行われ、与党の「103万円の壁」の見直し案が改めて国民民主党側に提案された。国民民主党は、所得制限をかける与党案に対して受け入れることができないとのスタンスを崩さず、予算修正の最後のタイミングでの三党合意には至らなかった。与党案では、恒久的な措置として給与収入200万円相当以下の者には基礎控除額を政府案と合わせて47万円引き上げ、課税最低限を160万円とする。また、令和7年分及び8年分の措置として、税負担を軽減する対象を段階的に給与収入850万円まで引き上げる。減税額は政府案を含め1.2兆円となる見込みである。また、ガソリンの暫定税率の廃止については、与党側が廃止時期を明示することができなかった。与党の税制調査会は、令和7年度の予算及び税制改正では対応できないとしつつ、「103万円の壁」の見直しも含め、三党で協議を続けていくとしている。
 なお、「所得税法等の一部を改正する法律案」及び「地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」が3月4日、衆議院で可決され、参議院に送付された。「所得税法等の一部を改正する法律案」については、与党案をベースに一部修正が行われた。

給与収入200万円超から850万円以下の上乗せ特例は2年分の措置

 今回の与党案では、まず、低所得者層の税負担への配慮から、給与収入200万円相当以下の者には所得税の基礎控除にすでに税制改正法案として提出されている政府案に37万円上乗せし、47万円引き上げ、課税最低限を160万円とする。この上乗せ特例は恒久的措置とする。中所得層を含めた税負担軽減では、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、令和7年分及び8年分の措置として、税負担を軽減する対象を段階的に給与収入850万円まで引き上げる。
 具体的には、①給与収入200万円相当超~475万円以下の場合は40万円(政府案+30万円上乗せ)、②給与収入475万円相当超~665万円以下の場合は20万円(政府案+10万円上乗せ)、③給与収入665万円相当超~850万円以下の場合は15万円(政府案+5万円上乗せ)となる(図表1参照)。

 なお、世帯類型ごとの減税額は図表2のとおりである。

基礎控除、物価の上昇等を踏まえて引き上げ
 この与党案に対し国民民主党は、2月18日の三党協議で提案された自民党案と同様、所得制限があることから、受け入れることができないと回答。合意に至ることができなかった。
 しかし、与党は、国民民主党の合意は得られなかったが、今回示した与党案をベースに国会に提出している所得税法等の一部改正法案を修正した。また、基礎控除は、1995年を最後に引き上げが行われてこなかったが、今後は、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げることとし、修正した税制改正法案の附則に明記している。
ガソリンの暫定税率は令和8年度改正で
 また、もう一つの論点だったガソリンの暫定税率の廃止についても、与党側は廃止時期を明示することができず、国民民主党と合意には至っていない。与党側は、自動車関係諸税全体の見直しの中で、地方公共団体の財源の確保などを踏まえ、令和8年度税制改正での見直しに向け、引き続き協議していく考えだ。一方、国民民主党側は、一刻も早い廃止を主張。令和8年度税制改正議論の前に廃止するよう引き続き求めていくとしている。

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