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一般2026年09月03日 世界気温、数年で危機水準 産業革命前から1・5度超 国連、災害リスク警告 提供:共同通信社

 国連環境計画(UNEP)は2日、地球温暖化で産業革命前からの気温上昇が数年以内に世界平均で1・5度を超え、災害や健康被害などのリスクが危機的な水準まで高まると警告する報告書を公表した。悪影響を減らすには1・5度超の期間を最短にすることが重要だと指摘している。
 日本を含む約190の国や地域が参加し、11月で発効から10年になる国際枠組み「パリ協定」は気温上昇を1・5度に抑える目標を掲げている。国連のグテレス事務総長は「世界は10年前の約束を果たせそうにない。化石燃料からの脱却や再生可能エネルギーの拡大などが必要だ」と訴えた。UNEPは、1・5度の一時的な超過と、下降の道筋を示したのは初めてとしている。
 11月にトルコで開かれる国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)では、対策を実行に移せるかどうかに注目が集まりそうだ。
 報告書によると、現状の対策では世界の平均気温は2100年までに約2・6度上昇する。パリ協定の下で各国が策定する温室効果ガスの排出削減目標を全て達成し、排出量と森林などによる吸収量を差し引きゼロにできたとしても約1・8度上昇する見通しで、10年以内に1・5度を超過すると見込んでいる。
 1・5度を超えると極端な気象現象が増え、小さな島が水没する恐れが高まる。人の健康や食料生産、インフラ、経済にも深刻な影響があるとしている。今世紀中に最大3度上昇すると、氷河の4分の1以上が消失し、海面は9~13センチ上昇するという。
 この夏は国内で初めて最高気温が40度以上の酷暑日を5日連続観測し、7月中下旬の西日本の平均気温は統計開始以来最高になった。気象庁などは7月中旬から8月上旬の西日本の記録的高温は「温暖化がなければほぼ起こり得なかった」と分析した。
 報告書は、気温上昇がいったん1・5度を超えた後に下げるためには、二酸化炭素(CO2)の吸収量や除去量が排出量を上回る必要があるとしたが、CO2除去はあくまで追加手段と位置付けた。

 極端な高温、豪雨が現実化 温暖化対策「力の入れ時」

 地球温暖化により世界の平均気温が産業革命前から1・5度上昇すると、極端な高温や豪雨、氷河の融解、海面上昇などのリスクが高まると国連環境計画(UNEP)は指摘する。既に気温は1・4度程度上昇しているとされ、国内外で高温や異常気象は現実化している。UNEPは「今こそ温暖化対策に一層力を入れる時だ」としている。
 ネパールと中国の国境付近で8月下旬に発生し、千人超が死亡した大規模な土石流や水害は、氷河の崩壊が原因と指摘されている。温暖化で氷河や凍土が解け、地盤が緩んでいた可能性がある。
 欧米では今年も、熱波や山火事が相次いだ。国連欧州経済委員会(UNECE)によると、7月下旬までに欧州では計43万4千ヘクタール以上の森林などが山火事で焼失。同様の被害は、米国では184万9千ヘクタール、カナダでは377万ヘクタールに上るという。インフラへのダメージや観光の減少など、経済的な打撃も懸念されている。
 日本でも最高気温が40度以上の酷暑日の延べ地点数が過去最多となるなど記録的な高温を経験し、8月には千葉豪雨や北陸の大雨が発生した。
 UNEPのアンダーセン事務局長は「1・5度を超えたままでは何も良いことはない。温室効果ガス排出を削減し、超過をなるべく小さく短くし、正しい方向に進まなければならない」と強調した。

(2026/09/03)

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