紛争・賠償2026年09月08日 バンド楽譜公開賠償責任は 11日に弁論、最高裁判断へ 提供:共同通信社

バンド音楽の楽譜「バンドスコア」を販売する東京都内の業者が、模倣された楽譜の無料公開で営業上の利益を侵害されたとして、公開した業者に賠償を求めた訴訟の上告審弁論が11日、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)で開かれる。バンドスコアは楽曲そのものと異なり、著作権法の保護対象ではないとされる。見解が一、二審で割れており、最高裁が弁論後に一定の判断を示す見通し。
二審東京高裁判決などによると、バンド音楽はあらかじめ楽譜があるのではなく、録音現場で演奏・録音しながら作曲することが大半。楽譜を制作する際には、演奏された曲を実際に聴く「耳コピ」をして書き起こす作業が必要とされる。
原告はこうして制作した楽譜を正規に販売していたが、別の業者が2008年ごろに無料サイトで模倣版を公開。原告は売り上げが減ったとして、損失利益の一部に当たる5億円の賠償を求めた。
訴訟では、著作権法の保護対象ではない表現物の利用を巡り、民法上の賠償責任が認められるかどうかが争点となった。21年の一審東京地裁は模倣自体を認めず、原告の請求を棄却した。
24年の二審判決は、同様の論点が問題になった訴訟で最高裁が11年に言い渡した判決を踏まえ、無料公開に対する賠償責任を問うには、別の法的利益が侵害されるなどの「特段の事情」が必要だと言及した。
その上で、無料公開は「楽譜の書き起こしにかかる時間や労力にフリーライド(ただ乗り)するもので、他人の営業上の利益を侵害している」とし、特段の事情の存在を認めた。楽譜の類似性などから模倣があったとし、被告側に約1億6900万円の賠償を命じた。
今回の訴訟について、早稲田大の上野達弘教授(知的財産法)は「特段の事情」に関して小法廷が指針となるような踏み込んだ判断を示す可能性もあると指摘。「楽譜制作ビジネスや音楽文化への影響を強調した二審判決に対し、最高裁がどう判断するかもポイントになるだろう」と述べた。
(2026/09/08)
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