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一般2026年09月30日 誹謗中傷、慰謝料見直しへ ネット普及「低額」指摘 時効も議論、民法改正 法務省、研究会設置 提供:共同通信社

 法務省は、民法の不法行為に関する規定の在り方を見直す研究会を設置する。山下貴司法相が29日の閣議後記者会見で明らかにした。インターネットの普及で深刻化する誹謗中傷に対し、裁判所が認める慰謝料の金額が低いとの指摘を踏まえ、算定時の基準の明確化を目指す。性被害を受けた未成年者が申告をためらっているうちに時効を迎えるケースが散見されることから、損害賠償請求権の消滅時効についても検討する。
 不法行為の規定は1896(明治29)年の民法制定時からほぼ変わっておらず、改正されれば初の大幅見直しとなる。山下法相は「制定時に想定していなかった権利侵害に関する規律を検討する必要がある」と述べた。
 研究会は民法の専門家らで構成。30日に初会合を開く。議論がまとまれば、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。
 現行民法には慰謝料額の算定方法に関する規定がない。裁判所が裁量で金額を算出し、金額の根拠も明らかにされてこなかった。物的損害に比べ、精神的損害に対する慰謝料の金額が低く、救済に寄与していないと感じる当事者が多かった。
 法務省がネット上の権利侵害に関する損害賠償請求訴訟118件を調査したところ、認められた慰謝料は「10万~30万円未満」が最多で、ネット以外での権利侵害より総じて低かった。
 日弁連は2022年、新たな条文を設けることなどを盛り込んだ「立法提言」を公表。侵害行為の悪質さや故意性の有無、保護される利益の性質など考慮すべき事由を明示することを求めた。
 現行民法の時効は、被害者が損害と加害者を知った時点から3年。生命や身体を害する行為の場合は5年と規定している。23年に刑法などが改正され、被害者が未成年の場合は18歳になるまでの期間が加算されることになり、民法も見直すべきだとの指摘が出ていた。
 現行法に明確な規定がない差し止め請求や死後の人格権保護についても議論する。過失で火災を起こした場合、隣家への損害賠償責任を免除される「失火責任法」の在り方も議題になりそうだ。

 時代に合った内容に

 成蹊大の渡辺知行教授(民法)の話 不法行為に対する損害賠償責任を規定した民法の条文は要件が抽象的だが、被害者を救済できるよう柔軟に解釈されてきた。名誉やプライバシーの侵害、医療事故といった具体的な事案について集積されてきた判例を検討し、明文化することも必要だろう。インターネットの普及など社会が変化していく中で、時代に合ったものにしていくことも欠かせない。米国では悪質な不法行為には、加害者側に実損額を超えて賠償金を支払わせる「懲罰的損害賠償」が認められている。加害行為を抑止するために、こうした制度も検討すべきではないか。

(2026/09/30)

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