一般2026年10月03日 手書き習慣「大切」80% デジタル時代、個性意識か 文化庁の国語世論調査 提供:共同通信社

文化庁は2日、2025年度の国語に関する世論調査の結果を公表した。文字を手書きする習慣について80・4%が「大切にすべきだと思う」と答えた。手紙やはがきで、手書きや、印刷されたものに手書きが一言加えられたものが良いと思う人は82・3%に上った。同庁担当者は「デジタル機器の使用が一般的になっても、手書きで個性を表すことが大事と考える人が多いとうかがえる」と分析している。
手書きを大切にすべき理由を複数回答で尋ねると「漢字などを正確に身につけることにつながる」を選んだ人は70・7%、「個性が表れ、印刷文字にはない情感などを込めることができる」は68・2%だった。ただ、回答者の約3分の1は手書きの機会が「あまりない」または「ない」とした。
今回の調査では、パソコンやスマートフォンの普及で横書きに触れる機会が増えたとして「縦書き」の習慣について初めて尋ねた。文化庁によると、縦でも横でも読み書きする文化は世界でも珍しいという。
縦書きで読み書きする習慣を大切にすべきか、という問いには57・8%がそうだと答えた一方、36・0%は「どちらともいえない」とした。日常生活において縦書きで読んだり書いたりする機会があるとしたのは約3分の2で、縦書きに触れる機会で最多は「紙の本や辞書」、次いで「紙の新聞」だった。
世代別では、手書き習慣、縦書き習慣の両方で16~19歳が肯定的な回答が最も多かった。
国語に関心があるかという項目では「ある」が計83・1%で、高い水準を維持した。担当者は「交流サイト(SNS)などで言葉を介したやりとりの機会が増えたことに加え、『炎上』を懸念して言葉への関心が高まっている側面があるのでは」と話した。
調査は全国の16歳以上の日本国籍保有者を対象として今年3月に実施。3777人から有効回答があった。
方言否定、15年経て大幅減 「良さ確認の機会増加」
国語の世論調査で方言についての考え方を15年ぶりに尋ねたところ、「相手や場面によって共通語と方言を使い分ければよい」と回答した人は83・9%、「方言はできるだけ使わないほうがよい」は4・2%だった。方言に否定的な回答は2010年度調査の13・6%から大きく減った。
文化庁は20年度に調査が面接から郵送に変わったことが影響した可能性があるとして、比較には留意が必要としつつ、「東日本大震災で方言を用いた『がんばっぺ東北』が復興のスローガンになるなど、地域の言葉の良さを確認する機会が増えている」と分析した。
「使わないほうがよい」は00年度が12・2%、1995年度は17・9%だった。
今回調査で「使い分ければよい」と回答した人を年代別にみると、20~40代で90%以上の一方、70歳以上は70・2%にとどまった。学校の国語の授業で方言と共通語の使い分けなどが扱われるようになり、理解が深まっているとみられる。
日本の言語や方言の中には、アイヌ語や八重山方言、東日本大震災の被災地の方言などが、消滅の危機にあるとされる。「消滅しないような対策が必要である」を選んだのは51・0%で、「仕方がないことなので特に対策は必要ない」の21・5%を約30ポイント上回った。文化庁は全国の方言を保存する取り組みを実施している。
(2026/10/03)
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