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一般2026年10月10日 科学的証拠で冤罪なくせ 無報酬で被告ら支援10年 提供:共同通信社

 冤罪救済に取り組む弁護士や有識者らの団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)」が今年、発足10年を迎えた。科学的証拠を活用して刑事事件の被告や受刑者らの支援を行い、これまで滋賀県の病院患者死亡など3件の無罪が確定した。依頼側から報酬を受け取らないのも特長で、学生ボランティアの協力も得ながら冤罪のない社会を目指す。
 IPJは、冤罪事件を再検証する米国の活動をモデルに「えん罪救済センター」として始動。被告や弁護人らの申請を受け、証拠から無実を立証できるかどうかを検討し、基準を満たせば支援対象とする。
 DNA型や供述の鑑定の専門家による協力態勢が構築されており、申請者へ紹介や助言を行う。事件の内容に応じてメンバーの弁護士が再審を請求することもある。
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に入院患者が死亡した事件では、殺人罪で服役した元看護助手の女性の再審請求を18年から支援。新たに提出された医師の鑑定書などから自然死の可能性が認められ、再審が始まり無罪となった。
 大阪市で17年に当時2歳の養女を虐待死させた罪に問われた男性の支援にも当たった。一審判決は懲役12年だったが二審で逆転無罪となり、今年3月に最高裁で確定。IPJ事務局長の笹倉香奈甲南大教授は、学生ボランティアが拘置所で男性と面会を繰り返し、自主的にシンポジウムを企画したことなどが、世論形成に大きな役割を果たしたと振り返る。
 学生ボランティアは、支援事件での目撃証言を検証する実験や冤罪をなくすため制度改正を求める活動も行う。6月、JR大阪駅近くで開かれた「ウメダアクション」では、福井中3殺害事件で再審無罪が確定した前川彰司さんらが登壇したステージ運営を手伝った。
 理念に共感が広がり、過去のクラウドファンディングでは1千万円以上を集めたが、鑑定やイベント運営には費用がかさみ、赤字が続く。持続可能な活動に向けた財源確保のため寄付も呼びかけている。
 笹倉教授は「1件でも多く支援し、司法改革の歯車の一つになれれば良い」と語った。

(2026/10/10)

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