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解説記事2011年06月27日 【第2特集】 東証一部上場93社にみる本年5月総会の動向〔付議議案編〕(2011年6月27日号・№408)

議案数は前年並み、定款変更議案で引き続き減少傾向
東証一部上場93社にみる本年5月総会の動向〔付議議案編〕

 本誌407号4頁では、東証一部上場の平成23年2月期決算・5月総会会社93社を中心として、今年の定時株主総会開催に向けた準備・対応等の状況を紹介した。今回は、当該93社において本年総会で付議された議案から今年の特徴を確認したい(前年5月総会の付議議案について、360号24頁参照)。

付議議案は計298、1社当たり議案数は前年並み  平成23年5月に定時株主総会を開催した東証一部上場会社は計93社(前年総会は92社)である。付議された総議案数は計298議案となり、前年260議案と比較して微増した(前年はサンエー(2659)1社につき公表資料からは議案の詳細が判明せず、集計から除外した)。
 1社当たりの付議議案数で比較すると、本年を含めたここ5年間の推移は、平成19年:4.9議案、20年:3.7議案、21年:3.9議案、22年:2.9議案、本年:3.2議案となり、水準としては前年総会時とさほど変わらないことがわかる。
 近年、平成20年・21年総会のアデランスホールディングス(8170。本年総会の商号は「ユニヘアー」)で、また22年総会の松屋(8237)で株主提案が注目されたが、対象会社中に本年、株主提案はなかった。
剰余金処分議案と無配会社の現況  本年93社の上程議案について、各議案をそれぞれ何社が付議したのか、前年91社分(上記・サンエーを除く)と比較して示したのが表1である(議案名称は原則、企業年金連合会の分類によっており、本表では「補欠監査役予選」「役員賞与支給」「買収防衛策」を独自に付加している)。また、東証一部上場会社全体に対する各議案付議会社数の割合を、前々年94社分も併せて議案ごとに算出すると、次のとおりとなる(数値は平成21年、22年、本年の順)。


 ①は便宜上、上記のような掲げ方をしているが、期末配当の決定機関を株主総会とする本年70社(407号6頁の表3参照)がすべて期末配当に係る議案を上程した場合には75.3%となる数値である。今年は、70社中60社がこのように期末配当を株主総会で決定し、ジーンズメイト(7448)と丸栄(8245)の2社の議案は繰越利益剰余金の填補等を行うものとなった(今号18頁の表2参照。本表における同一決算日内の各社の掲載順は前号の表3と同一。役員選任欄では候補者数を、定款一部変更、退職慰労金支給、ストック・オプションの各欄では複数付議の場合にその数を掲げた。備考欄の記載は定款変更の内容を中心としている)。
 本年の無配会社は12社。期末配当の決定機関を株主総会とする会社が10社、取締役会とする会社が2社であり、前年とまったく同一の11社にジーンズメイトが加わった形。無配会社の実数をみると、平成19年:3社、20年:7社、21年:13社、22年:11社と推移しており、近年の厳しい経済環境を窺わせる結果となる。
定款変更議案、引き続き減少傾向を示す  ②の定款一部変更議案について同様に推移をみると、付議会社は平成19年:56社(58.3%)、20年:47社(48.5%)、21年:94社、22年:25社、本年:18社となる。全社が21年、株券電子化に係る定款変更を行ったのを除けば、会社法施行後の継続的な減少傾向が確認できる。
 本年18社で行われた定款変更を多い順にみると、(i)社内ないし社外役員の責任限定に係るもの:5件、(ⅱ)事業目的の追加:4件、(ⅲ)電子公告の導入:2件、(ⅳ)取締役の任期を2年から1年とするもの:2件となる。これらのほか、補欠監査役の予選効力の伸長、商号変更、用語変更、本店所在地変更、取締役の員数増、監査役の員数増、自己株式取得、事業目的の削減、MBO関連がそれぞれ1社にある。
 いわば積残しとして(ⅲ)や補欠監査役関係の議案がみられる一方で、近時のガバナンス論議および関連改正を踏まえたものとして(i)や(ⅳ)が付議されていることとなろう。ちなみに、商号変更は「ブランド力がある社名」に戻す(ユニヘアー・8170)、用語変更は「会社法の該当規定の用語と合致させる」(久光製薬・4530)、26の事業目的を10に絞る目的削減は「事業の現状に合わせ、事業目的の明確化を図る」(ポケットカード・8519)といった事例となる。
 なお、役員選任議案の推移は改選期の影響によるところが大きく、その他議案では⑥の退職慰労金支給議案に特徴的な動きがみられる。打切り3社を含むものの計16社の本年は、近年続いた減少傾向から外れた。チヨダ(8185)は報酬制度改革を図る例である。 (了)

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