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税務ニュース2004年11月15日 名古屋地裁・航空機リースでの所得圧縮を「合理的な経済活動」と判示(2004年11月15日号・№090) 課税処分は「法律的根拠のない法律行為の否認」と非難

名古屋地裁・航空機リースでの所得圧縮を「合理的な経済活動」と判示
課税処分は「法律的根拠のない法律行為の否認」と非難


 名古屋地裁民事第9部(加藤幸雄裁判長)は10月28日、会社社長らが参加した航空機リース事業における減価償却費の損益通算の可否(具体的には、各組合契約が民法上の組合契約か利益配当契約か)を主な争点とする事件に対し、当局の課税処分(過少申告加算税を含む約3億3千万円の追徴課税)を取り消し、納税者の主張を全面的に認める判決を言い渡した(平成15年(行ウ)第26号~第31号)。

合理的経済人が税負担考慮するのは当然
 加藤裁判長は、納税者の経済的合理性を前提に、当局における「税逃れ」認定(更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分等)を「法的根拠のない法律行為の否認を行うのと異ならない」などと判示。各組合契約は民法上の組合に当たると判断した。
 判決では、(1)課税要件についての事実認定の在り方について、(2)本件各事業の内容と経済的合理性、(3)本件各組合契約の法的性質について判断を下している。
 (1)について加藤裁判長は、「租税法における目的論的解釈の名の下に、一般法の概念と矛盾・抵触するものであってはならない」として、私法による解釈の重要性を強調。租税回避行為が問題となるような場合であっても、課税庁は、課税処分が許容されるための法律上の根拠を示す必要があると判示した。加藤裁判長はこれらのことについて、「合理的経済人にとって、何らかの意味で税負担を考慮するのがむしろ通常」として、課税庁は、「法的根拠のない法律行為の否認を行うのと異ならないとの非難を免れ難い」と表現した。

「所得税法を適用した結果に過ぎない」
 (2)について加藤裁判長は、「合理的経済人が、減価償却費と損益通算による所得の減少を考慮して、事業計画を策定することは、ごく自然なこと」とした上で、いったんは課税の対象から外れた経済的利益も、最終的には課税の対象となる(譲渡所得というかたちで清算される)ものであるなどと判示。さらに、現実として納税額が減少するのは、所得税法69条が総合所得税の建前を具体化したものであることや、所得税法が採っている累進課税制度、長期譲渡所得の優遇措置などを適用した結果にすぎないなどとして、原告らの事業内容は「経済的合理性を欠く」とする被告の主張を斥けた。
 また、(3)については、本件組合契約は、民法上の組合契約の成立要件を満たしているとした上で、「利益配当契約」であるとする被告らの主張を斥け、「一般組合員が所有権の機能の重要な一部分である「処分」権能を有していることは明らかであり、各航空機が本件各業務執行会社の単独所有に属するとの被告らの主張は採用できない」と判示した。
 

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