税務ニュース2003年11月03日 最高裁、サブリース契約でも賃料減額請求を認める(2003年11月 3日号・№041) 安易なサブリース契約に警鐘、賃料下落リスクは地主も負担
最高裁、サブリース契約でも賃料減額請求を認める
安易なサブリース契約に警鐘、賃料下落リスクは地主も負担
最高裁判所第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は、10月21日、いわゆるサブリース契約について、借地借家法32条1項に基づく賃料減額請求を認める初判断を示し、個別の賃料の算定については、東京高裁に審理を差し戻した。(敷金請求本訴、賃料相当額確認請求反訴事件、平成12年(受)第573号、574号)
いわゆるサブリース契約では、契約上の賃料等を前提に建築資金の返済を予定しているケースも見られ、家賃相場が下落傾向にある場合には、契約上の賃料があてにならず、家賃相場の下落リスクは、地主(オーナー)も負担することになる。税理士等の経営相談においても、サブリース契約には、十分な注意が必要だ。
サブリース契約は建物賃貸借契約か?
いわゆるサブリース契約とは、不動産会社等が地主に建物を建築させ、その建物を借りて転貸する契約である。その主要な部分は、建築した建物の賃貸借であるが、建物の設計監理、建築資金の仲介、賃料の保証(自動増額の保証)、建物の管理業務の委受託など、複合的な契約として行われることが多い。借地借家法の適用に関しても疑義があった。原審では、サブリース契約が賃料保証的な性格を多分に有している実態から、借地借家法32条1項所定の賃料減額請求権について、限定的に解してきた。(東京高裁、平成10年(ネ)第3894号、平成11年(ネ)第1118号)
最高裁は、サブリース契約について建物の賃貸借契約であることが明らかであり、借地借家法及び同法32条が適用されるべきものであると判示した。さらに、本件サブリース契約には、賃料増額特約が存するが、借地借家法32条1項の規定は強行法規であって、賃料自動増額特約によってもその適用を排除することは出来ないと判示した。また、相当賃料額は、「契約の経緯」、「近傍同種の賃料相場」等の事情を考慮して判断すべきとして、原審を破棄して東京高裁に差し戻した。
オーナーは、賃料減額リスクの十分な検討を
バブル期に建築されたサブリース契約による建物では、問題が表面化しているケースも多い。契約上の賃料が減額されると、資金的に破綻する例もある。一方、不動産会社としても、実勢の賃料と契約上の賃料との逆ザヤが大きく、契約上の賃料を負担することが出来ず、賃料の減額請求あるいは、契約解除を求めるケースが見られていた。
今回の最高裁判決により、オーナーは、契約時の事情を考慮しながらも、実勢賃料等を反映した賃料への減額を受け入れざるを得ないことになる。サブリース契約といえども、賃料の減額リスクを十分に検討した上での契約(投資)が求められる。
安易なサブリース契約に警鐘、賃料下落リスクは地主も負担
最高裁判所第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は、10月21日、いわゆるサブリース契約について、借地借家法32条1項に基づく賃料減額請求を認める初判断を示し、個別の賃料の算定については、東京高裁に審理を差し戻した。(敷金請求本訴、賃料相当額確認請求反訴事件、平成12年(受)第573号、574号)
いわゆるサブリース契約では、契約上の賃料等を前提に建築資金の返済を予定しているケースも見られ、家賃相場が下落傾向にある場合には、契約上の賃料があてにならず、家賃相場の下落リスクは、地主(オーナー)も負担することになる。税理士等の経営相談においても、サブリース契約には、十分な注意が必要だ。
サブリース契約は建物賃貸借契約か?
いわゆるサブリース契約とは、不動産会社等が地主に建物を建築させ、その建物を借りて転貸する契約である。その主要な部分は、建築した建物の賃貸借であるが、建物の設計監理、建築資金の仲介、賃料の保証(自動増額の保証)、建物の管理業務の委受託など、複合的な契約として行われることが多い。借地借家法の適用に関しても疑義があった。原審では、サブリース契約が賃料保証的な性格を多分に有している実態から、借地借家法32条1項所定の賃料減額請求権について、限定的に解してきた。(東京高裁、平成10年(ネ)第3894号、平成11年(ネ)第1118号)
最高裁は、サブリース契約について建物の賃貸借契約であることが明らかであり、借地借家法及び同法32条が適用されるべきものであると判示した。さらに、本件サブリース契約には、賃料増額特約が存するが、借地借家法32条1項の規定は強行法規であって、賃料自動増額特約によってもその適用を排除することは出来ないと判示した。また、相当賃料額は、「契約の経緯」、「近傍同種の賃料相場」等の事情を考慮して判断すべきとして、原審を破棄して東京高裁に差し戻した。
オーナーは、賃料減額リスクの十分な検討を
バブル期に建築されたサブリース契約による建物では、問題が表面化しているケースも多い。契約上の賃料が減額されると、資金的に破綻する例もある。一方、不動産会社としても、実勢の賃料と契約上の賃料との逆ザヤが大きく、契約上の賃料を負担することが出来ず、賃料の減額請求あるいは、契約解除を求めるケースが見られていた。
今回の最高裁判決により、オーナーは、契約時の事情を考慮しながらも、実勢賃料等を反映した賃料への減額を受け入れざるを得ないことになる。サブリース契約といえども、賃料の減額リスクを十分に検討した上での契約(投資)が求められる。
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