会社法ニュース2021年08月06日 新市場区分とTOPIXの関係は(2021年8月9日号・№893) スタンダード市場選択でもTOPIX構成銘柄に
上場会社各社は「2021年9月1日~12月30日」の間にどの市場を選択するかを東証に申請することになるが、東証一部上場会社(2,200社弱)の中でプライム市場の上場維持基準に適合していないとされる664社のうちの相当数は経過措置の適用を受けプライム市場を選択することが予想される。ただ、プライム市場の上場維持基準を満たす目途が立たない会社は、「2021年9月1日~12月30日」の期間にスタンダード市場を選択することも検討の余地がある。というのも、この期間であれば上場審査を受けることなくスタンダード市場に移行できるのに対し、経過措置の適用を受けてプライム市場上場後にスタンダード市場に移行する場合、新規上場基準と同じ基準により改めて上場審査を受けなければならないからだ。また、プライム市場に上場すれば、コーポレートガバナンス・コードのうちプライム市場上場会社にのみ適用されるプライム市場特則に対応する必要もある。
市場選択に悩む会社にとって最も気になるのは株価にダイレクトに影響するTOPIXだろう。現状のTOPIXが東証一部上場会社により構成されているため、スタンダード市場を選択すれば自動的にTOPIXから除外されてしまうようにも見えるが、現在東証一部に上場している会社がスタンダード市場(あるいはグロース市場)を選択した場合であっても、2022年4月4日以降、当面はTOPIXを構成することになる(ただし、流通株式時価総額100億円未満の銘柄については段階的にウエイトが低減され、2025年1月31日にTOPIXから除外)。
また、金融審議会・市場構造専門グループが2019年12月27日に公表した「金融審議会市場ワーキング・グループ 市場構造専門グループ報告書」には、「TOPIXの変更に当たって、対象企業は主にプライム市場から選定されることが想定されるが、スタンダード市場等からも選定できるようにすることが考えられる」との記述がある(9頁)。この提言によれば、市場区分にかかわらず、流通株式時価総額を基準にTOPIX構成銘柄が選定されることも考えられる。すなわち、スタンダード市場やグロース市場の上場会社がTOPIXの構成銘柄になることもあり得るということだ。この点は2025年2月以降に検討されるためまだ確定事項ではないが、市場選択にあたっては考慮に入れるべき要素と言えよう。
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