会社法ニュース2024年11月08日 後発事象、一転し実務対応基準開発せず(2024年11月11日号・№1050) SSBJ、サステナビリティ開示基準の公開草案の修正なし
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、現在、「サステナビリティ開示基準の適用(案)」等に対して寄せられたコメントについて検討を行っているが、大きな論点の1つが後発事象の取扱いだ。
この点、SSBJは、取り扱いの明確化を図る観点から公開草案の提案を変更し、会社法監査報告書日後、サステナビリティ関連財務開示の公表承認日までの期間に関しては、財務諸表の修正を行う必要がある事象に関連する情報(財務諸表に関連する後発事象に関する情報)を入手した場合と、財務諸表の修正を行う必要がある事象に関連しない情報(財務諸表に関連しない後発事象に関する情報)を入手した場合の2つについて、サステナビリティ関連財務開示における対応を示し、サステナビリティ開示実務対応基準として開発することとしていた(本誌1048号9頁参照)。強制力があるサステナビリティ開示基準に定めを置かないこととした場合には、実務に多様性が生じ、関連する財務諸表とのつながりのない情報が開示される可能性があると考えられたためである。
しかし、この事務局案には賛成意見があったものの、「財務諸表に関連する後発事象に関する情報」と「財務諸表に関連しない後発事象に関する情報」の区分は曖昧である可能性があるとの意見や、関連する財務諸表との間のつながりを理解できるようにする方法は内容によって開示の仕方はさまざまであるとの意見が聞かれている。また、日本特有の取扱いを定める基準を開発することで、IFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)との間にかい離が生じることを懸念する意見も寄せられていた。
これらの意見を踏まえ、SSBJでは、前述の事務局提案を変更し、企業が作成した財務諸表を所与とし、財務諸表との間のつながりが理解できるように情報を開示しなければならないことを確認することにとどめ、公開草案の記載を修正したり、新たにサステナビリティ開示実務対応基準を開発したりすることはしないこととしている。ただし、実務上、つながりのある情報の考え方をどのように適用するのかについて、一定の指針を示すことは有用であることから、基準公表後に解説記事として提供することとしている。
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