一般2026年11月01日 弁護人立ち会いの実現を 元法相の森雅子参院議員 提供:共同通信社

弁護士時代に刑事事件を担当した経験から、取り調べに問題意識を持った。一部の事件で録音・録画が制度化した今でも、検察の見立てに沿う供述を強要する状況は改善されていない。
録音・録画は取り調べの「可視化」とは言えない。可視化とはいつでも自由に見られることを意味する。日本ではまだ可視化は実現していない。
不適切な取り調べを巡る国家賠償請求訴訟で、国側が提出した録音・録画データが広く国民に共有されるようになった。にもかかわらず、法務省は映像公開の制限につながり得る法改正を検討している。法制審議会(法相の諮問機関)でどんな結論になろうとも、法案審査では、しっかりと意見を述べたい。
そもそも法務省による法案作りは多くの問題をはらんでいる。法務省の中枢幹部は検察官出身者が多い。数年後に捜査したり、取り調べをしたりする側に戻る人たちだ。国賠訴訟の当事者になり得る立場なのに、自らを規律する法案のたたき台を作っている。
検察当局は不祥事が起きても「個別事案」と整理することが多い。組織の問題として調査してこなかった。今後も自浄作用は期待できないだろう。取り調べの是正も彼らには難しい。容疑者や被告に、平等に戦う武器を与えないといけない。取り調べへの弁護人の立ち会いが必要だ。
法務省は昨年末、取り調べの在り方を検討する「これからの刑事手続きに関する研究会」を設置した。学者の意見ばかり聴くのではなく、冤罪被害者の声にも耳を傾けた方がいい。
大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、後に無罪が確定した元厚生労働事務次官の村木厚子さんは、弁護人の立ち会いの必要性を訴えている。研究会は村木さんの意見に真摯に向き合うべきだ。
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もり・まさこ 弁護士。2007年初当選。19~20年に法相を務めた。
取り調べ立ち会い 高圧的な取り調べや供述誘導を防ぐため、日弁連などは取調室内での立ち会いの制度化を求めている。欧米諸国では容疑者が立ち会いを受ける権利が確立している。日本には法的規定がなく、捜査機関が拒否することがほとんどとされる。日弁連は、弁護士が取調室の外で待機し、必要に応じて助言する「準立ち会い」の活用を呼びかけている。
(2026/11/01)
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