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一般2026年11月01日 温暖化でアレルギー悪化? 花粉の飛散や災害が影響 暑さで重症化の分析も 提供:共同通信社

 地球温暖化や異常気象などの気候変動の影響で、アレルギー疾患の悪化が懸念されている。花粉の飛散時期や量の変化に加え、豪雨被害による生活環境の悪化や、暑さによる重症化を指摘する研究もある。専門家は「暑さがもたらす健康影響は熱中症だけにとどまらない」と警鐘を鳴らす。

 ▽延びるシーズン
 アレルギー疾患は花粉やダニ、食物、昆虫の毒など特定の物質に対し、体の免疫が過剰に反応することで起きる。鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど症状が軽いものから、呼吸困難や血圧低下を伴う重篤なアナフィラキシーまで幅広い。
 温暖化の影響が指摘されるのが、花粉によるアレルギー性鼻炎だ。米国の研究チームは2021年、北米の観測データから花粉のシーズン入りが18年までの28年間で約20日早まり、飛散期間も8日程度延びたと発表した。花粉量も約21%増え、人為的な気候変動が要因の一つとみる。欧州では、カバノキなどの花粉の飛散開始が、従来より1週間程度早まったとの報告もある。
 日本で飛散状況を分析している国立病院機構福岡病院アレルギー科の岸川禮子医師によると、花粉症の主な原因となるスギやヒノキの花粉は、前年の夏の気温や日照時間の影響を強く受ける傾向がある。高温で日照時間が長く、湿度が低い年ほど翌年春の飛散量が増えやすく、長期観測では気温上昇に伴い飛散量が増えている可能性がある。

 ▽増えた薬の処方
 花粉は、暖冬の年ほど早く飛び始める傾向もある。近年は東北や北陸などで前倒しが目立ち、全国的な地域差は小さくなっており、人々が花粉にさらされる期間が長くなっている恐れがある。岸川さんは「異常気象の影響で花粉の飛散予測は難しくなっており、継続的な観測が重要になる」と強調する。
 温暖化が一因とみられる豪雨災害が、アレルギー症状を悪化させるとの研究も出てきた。広島大の研究では、18年の西日本豪雨の被災者は、被災していない人と比べてアレルギー性鼻炎の点鼻薬の処方が増え、影響は被災後も約1年間続いた。浸水した住宅で発生するカビや、汚染物質による生活環境の悪化、心理的ストレスなどが影響した可能性がある。
 26年には各地で豪雨災害が相次ぎ、今後も懸念される。広島大の山本花恵医師(分子内科学)は「被災後の健康影響は、けがや感染症だけでなく、アレルギー疾患なども考慮する必要がある」と話す。

 ▽医療機関に負担
 暑さとアレルギー反応による入院数との関連を指摘するのは、小児科専門医の那波伸敏東京科学大教授(地球環境医学)だ。11~22年の5~9月にアナフィラキシーで入院した約5万5千人分のデータと気象庁の気温データを分析した結果、平均気温が高くなるほど入院リスクが上昇する傾向が確認された。統計解析では、平均気温が極めて高い日は50%近く入院リスクが高まった。
 温暖化でハチなどの昆虫の活動が高まるほか、高温で体調を崩したり、花粉で体が過敏になっていたりするとアナフィラキシーが起きやすくなる可能性がある。
 那波さんは「気候変動対策は将来のアレルギー疾患の負担軽減という観点からも重要だ」と話し、発症予防のために「暑い日にはアレルギーが不安な食べ物は避けたり、虫よけを徹底したりするなどの対策を」と勧めている。
 那波さんは、長期的に患者が増えれば、医療機関の負担が増す可能性があり、診療する若手医師への教育の強化も急がれると指摘し、「医療全体への影響がある」と懸念を示した。(共同=矢野雄介)

(2026/11/01)

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