会社法ニュース2004年01月26日 経済同友会・日本企業のCSRの現状と課題をまとめる(2004年1月26日号・№051) CSRに関する専任部署の設置は31.9%
経済同友会・日本企業のCSRの現状と課題をまとめる
CSRに関する専任部署の設置は31.9%
経済同友会は1月16日、「日本企業のCSR:現状と課題-自己評価レポート2003」と題する報告書をとりまとめた(対象は会員企業877社で回答率は26.1%)。それによると、CSR(企業の社会的責任)に関する専任部署の設置は31.9%、内部通報窓口の設置は63.4%にのぼっており、CSRの体制作りが進み始めていることが明らかとなった。
今後の課題は実践的な運用
企業の社会的経営責任の議論が高まる中、経済同友会では、社会的責任経営を「様々なステークホルダーを視野に入れながら、企業と社会の利益を高い次元で調和させ、企業と社会の相乗発展を図る経営のあり方」と定義。議論の段階から一刻も早く実践の段階に移すべきであるとしており、今回の報告書は、日本企業のCSRに関する取り組みの平均像を明らかにするものである。
それによると、まず、CSRの体制については、専任部署を設置していると回答した企業は31.9%にのぼっている。これまで社内の各部署が担当していた取り組みを一元化する方向になってきたようだ。
また、昨今の企業不祥事を受け、企業行動規範の策定やコンプライアンス専任部署を設置する点については、約8割を超える企業が実施している。内部通報窓口の設置は63.4%、コンプライアンスの遵守状況のチェックも69.2%の企業で実施していることが分かった。
ただし、内部通報窓口については、仕組みだけで十分な機能が果たせるかどうかは疑問であるとの回答も35.7%にのぼっており、今後は、仕組みを実践的に運用していくことが課題となりそうだ。
持続可能報告書作成は23.3%にとどまる
その他、CSRでは、財務面のみならず、環境面、社会面についても、その結果を適切に情報開示することが叫ばれているが、環境面については、56.7%の企業が環境報告書を作成していることが分かった。
しかし、社会面を含む持続可能性報告書となると23.3%の企業しか作成していない実態が浮き彫りになっており、今後の課題といえそうだ。
CSRの国際規格化への動きには牽制も
なお、今回の報告書では、ISO(国際標準化機構)によるCSRの国際規格化への動きについても言及している。これについては、企業の取り組みを制約するものになってはならない、②企業の取り組みがISOの取得だけに自己目的化する方向になってはならないなどとしており、今後もこの点については、拙速なものにならないよう意見を述べていくとしている。
CSRに関する専任部署の設置は31.9%
経済同友会は1月16日、「日本企業のCSR:現状と課題-自己評価レポート2003」と題する報告書をとりまとめた(対象は会員企業877社で回答率は26.1%)。それによると、CSR(企業の社会的責任)に関する専任部署の設置は31.9%、内部通報窓口の設置は63.4%にのぼっており、CSRの体制作りが進み始めていることが明らかとなった。
今後の課題は実践的な運用
企業の社会的経営責任の議論が高まる中、経済同友会では、社会的責任経営を「様々なステークホルダーを視野に入れながら、企業と社会の利益を高い次元で調和させ、企業と社会の相乗発展を図る経営のあり方」と定義。議論の段階から一刻も早く実践の段階に移すべきであるとしており、今回の報告書は、日本企業のCSRに関する取り組みの平均像を明らかにするものである。
それによると、まず、CSRの体制については、専任部署を設置していると回答した企業は31.9%にのぼっている。これまで社内の各部署が担当していた取り組みを一元化する方向になってきたようだ。
また、昨今の企業不祥事を受け、企業行動規範の策定やコンプライアンス専任部署を設置する点については、約8割を超える企業が実施している。内部通報窓口の設置は63.4%、コンプライアンスの遵守状況のチェックも69.2%の企業で実施していることが分かった。
ただし、内部通報窓口については、仕組みだけで十分な機能が果たせるかどうかは疑問であるとの回答も35.7%にのぼっており、今後は、仕組みを実践的に運用していくことが課題となりそうだ。
持続可能報告書作成は23.3%にとどまる
その他、CSRでは、財務面のみならず、環境面、社会面についても、その結果を適切に情報開示することが叫ばれているが、環境面については、56.7%の企業が環境報告書を作成していることが分かった。
しかし、社会面を含む持続可能性報告書となると23.3%の企業しか作成していない実態が浮き彫りになっており、今後の課題といえそうだ。
CSRの国際規格化への動きには牽制も
なお、今回の報告書では、ISO(国際標準化機構)によるCSRの国際規格化への動きについても言及している。これについては、企業の取り組みを制約するものになってはならない、②企業の取り組みがISOの取得だけに自己目的化する方向になってはならないなどとしており、今後もこの点については、拙速なものにならないよう意見を述べていくとしている。
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