コラム2011年10月31日 【ゴーイング・コンサーン】 平成23年6月期決算では5社に継続企業の前提に関する注記(2011年10月31日号・№425)

平成23年6月期決算では5社に継続企業の前提に関する注記
不適正意見や意見不表明はなし

 全国の証券取引所に上場している平成23年6月期決算会社では、5社の監査報告書において、継続企業の前提(いわゆるゴーイング・コンサーン)に関する注記の追記情報が付されたことがわかった(下掲参照)。なお、不適正意見や意見不表明はなかった。
 東京証券取引所では、平成23年6月期決算会社36社のうち、リアルコムについては債務超過等、ファーストエスコは子会社1社が財務制限条項に抵触していること等の理由により、監査報告書に継続企業の前提に関する注記の追記情報が付されている。
 大阪証券取引所では52社のうちゲートウェイに、名古屋証券取引所では8社のうちノアに注記の追加情報が付された。また、札幌証券取引所では3社のうち日本産業ホールディングズが債務超過等の理由により注記の追加情報が付されている。
【全国証券取引所における平成23年6月期決算会社に係る継続企業の前提に関する注記の追記情報の記載状況】
会社名 業種
(上場区分)
追記情報の内容(一部抜粋) 監査法人等
リアルコム 情報通信
(マザーズ)
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は当連結会計年度を含め4期連続で当期純損失を計上したことから、当連結会計年度末において341,496千円の債務超過の状況となっている。 霞が関監査法人
ファーストエスコ 電気ガス
(マザーズ)
継続性の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は前連結会計年度まで3期連続の営業損失を計上し、当連結会計年度は営業利益を計上しているものの事業構造改革が進行途中である。また、会社の子会社1社がシンジケートローン契約について引き続き財務制限条項に抵触しており、会社は当該子会社に対し債務保証を行っている。 東陽監査法人
ゲートウェイ 精密機器
(JASDAQグロース)
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は前連結会計年度に317百万円の営業損失を計上し、当連結会計年度においても290百万円の営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローにおいても前連結会計年度は287百万円のマイナス、当連結会計年度は180百万円のマイナスを計上している。また、一部の諸経費の支払を遅延している。 東京中央監査法人
ノア 卸売
(セントレックス)
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、当事業年度まで3期連続の重要な営業損失、経常損失、当期純損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。 アーク監査法人
日本産業ホールディングズ 情報通信
(アンビシャス)
継続企業の前提に関する事項に記載のとおり、会社は5期連続の営業損失、経常損失及び当期純損失を計上し、当連結会計年度末において債務超過の状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。 UHY東京監査法人
(EDINETおよび各証券取引所の開示資料に基づき編集部が作成)

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