コラム2012年09月17日 【税実務Q&A】 中小企業等が機械等を取得した場合の特別償却の適用について(2012年9月17日号・№467)

税実務Q&A
No.135 法人税>減価償却
中小企業等が機械等を取得した場合の特別償却の適用について
 公認会計士緑川事務所 税理士 新沼 潮

 当社は、国内において製造業を営む中小企業者で、設立以来、引き続き青色申告書を提出しています。数年前に機械装置(以下「機械A」と言います。)を購入し、それについて租税特別措置法42条の6(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)により、特別償却の適用をしました。
 今期、機械Aに資本的支出をすると共に、他の機械装置(以下「機械B」と言います。)をリースしました。この機械Aに係る資本的支出部分と機械Bについて、上記の特別償却の適用はありますか。なお、機械Bは法人税法上のリース取引で、所有権移転外リース取引により取得したものです。


(1)中小企業者投資促進税制(措法42条の6)
 青色申告書を提出する中小企業者等が平成26年3月31日までの期間内に特定機械等を取得等して指定事業の用に供した場合には、基準取得価額の30%相当額の特別償却又は基準取得価額の7%相当額(法人税額の20%相当額が限度額となります。)の特別控除の適用ができます(措置法42の6①②)。
(2)機械Aに係る資本的支出について、上記(1)の適用の有無  法人が有する減価償却資産について行った資本的支出については、その資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして取り扱われます(法令55①)。
 ただし、法人の既に保有する資産について行われた改良、改造等のための支出であるため、原則として上記(1)の適用がある減価償却資産には当たらないと解することが相当である旨の解釈が、国税庁HP「質疑応答事例」において明示されています。
 なお、同「質疑応答事例」において、その資本的支出が、単独資産としての機能の付加価値がある場合などには、上記(1)の適用ができると説明がなされています。
(3)リース取引により取得した機械Bについて、上記(1)の適用の有無  法人税法上のリース取引は、通常の売買取引があったものと同様の処理を行います。税法上のリース取引とは、ノンキャンセラブル要件及びフルペイアウト要件を満たすものをいいます(法64の2③)。
 法人税法上のリース取引については、通常の資産を取得した場合と同様に、法人税額の特別控除の規定の適用があります。
 しかし、税法上のリース取引のうち所有権移転外リース取引については、法的には所有権が賃借人に移転しないため、減価償却方法がリース期間定額法に限られており、特別償却の適用も認められていません(法令48の2①六、措置法42の6⑥)。

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