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会計ニュース2023年12月01日 バーチャルPPAの時価評価の要否は(2023年12月4日号・№1005) 会計士協会、デリバティブに該当するか基準諮問会議に検討を依頼

  • 企業会計基準諮問会議、会計士協会からの提案を受け、バーチャルPPAの会計処理の明確化について、企業会計基準委員会の新たなテーマとすべきか、実務対応専門委員会に評価を依頼へ。バーチャルPPAをデリバティブとして時価評価すべきか否かが問題。

 企業会計基準諮問会議は11月22日、日本公認会計士協会からの提案を受け、電力購入契約の一種であるバーチャルPPA(Power Purchase Agreement)の会計処理の明確化について、企業会計基準委員会の新たなテーマとすべきかどうか、実務対応専門委員会に評価を依頼することを決めた。
 バーチャルPPAとは、再生可能エネルギー発電設備が生み出す電力と環境価値のうち、環境価値のみを発電事業者から需要家(企業)に移転する仕組みのこと。発電事業者と需要家の間で電力の取引を伴わないことから、バーチャルPPAと呼ばれる。
 バーチャルPPAにおいては、非化石証書を発電事業者から需要家に移転し、「発電量×(PPA契約上の固定価格−卸電力市場で決定される電力価格)」により計算される金額を発電事業者と需要家との間で決済する(差金決済)ことが一般的であり、この差金決済という特徴に着目し、バーチャルPPAをデリバティブとして取り扱うべきかが問題となる。この点、監査法人に多くの質問が寄せられているが、実務上、統一された見解はないのが現状だ。
 このため、日本公認会計士協会では、時価評価の要否の明確化とともに、①デリバティブの該非、②会計処理を行う単位について検討することが必要としている。
 具体的に①に関しては、バーチャルPPAにおける差金決済時の想定元本等に当たるものは「発電量」であるが、発電量は発電実績に応じて変動する契約となっているため、契約期間中の想定元本等の量が定まらない場合であっても、想定元本等を有する契約として、デリバティブに該当することになるのか否かが明確ではないとしている。また、②に関しては、差金決済には非化石証書の「環境価値」と「電力の市場価格の変動に係る精算」という二つの要素が含まれているため、両者を区分して会計処理すべきか、又は一体として会計処理すべきかが論点となる。なお、会計士協会は、一体として会計処理すると判断された場合には、①の検討の結果、差金決済がデリバティブに該当したとしても、非化石証書の購入取引(非金融商品の購入取引)に組み込まれたデリバティブとして、時価評価が不要であると判断できる可能性があるため、実務対応報告で明確化すべきとしている。

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