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解説記事2020年09月07日 税制改正解説 令和2年度における法人税関係及び新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に関する改正について(下)(2020年9月7日号・№848)

税制改正解説
令和2年度における法人税関係及び新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に関する改正について(下)
 鈴木慎一郎

租税特別措置法の改正(承前)

Ⅱ 特別償却関係

一 特定設備等の特別償却制度

1 改正の内容
 再生可能エネルギー発電設備等の特別償却について、次の見直しが行われた。
(1)特別償却割合の引下げ
 特別償却割合が、14%(改正前:20%)に引き下げられた(措法43①表一下欄)。
(2)適用期限の延長
 措置の適用期限が、令和3年3月31日まで1年延長された(平31.3財務告96一)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人が令和2年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする再生可能エネルギー発電設備等について適用し、法人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした再生可能エネルギー発電設備等については、従前どおりとされている(改正法附則86①)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則100①)。

二 耐震基準適合建物等の特別償却制度(改正後:港湾隣接地域における技術基準適合施設の特別償却制度)

1 改正の内容
 耐震基準適合建物等に係る措置が廃止された(旧措法43の2①、旧措規20の11①)。
2 適用関係
 上記1の改正は、法人が5年経過日以前に取得又は建設をした耐震基準適合建物等については、従前どおりとされている(改正法附則86②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則100②)。

三 情報流通円滑化設備の特別償却制度

1 改正の内容
 適用期限(令和2年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された(旧措法44の5、旧措令28の8、旧措規20の15)。
2 適用関係
 上記1の改正は、法人が令和2年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした情報流通円滑化設備については、従前どおりとされている(改正法附則86③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則100③)。

四 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却制度(改正後:障害者を雇用する場合の特定機械装置の割増償却制度)

1 改正の内容
(1)対象資産の除外
 対象資産から工場用の建物及びその附属設備が除外された(措法46①、措令29①)。
(2)割増償却割合の引下げ
 割増償却割合が、12%(改正前:24%)に引き下げられた(措法46①)。
(3)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法46①)。
2 適用関係
 上記1(1)及び(2)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則100④)。

五 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度

1 改正の内容
 対象事業である事業再編促進対象事業に、次の事業が追加された(農競規2二・三)。
(1)肥料卸売事業、農薬卸売事業、配合飼料卸売事業及び農業用機械卸売事業
(2)肥料小売事業、農薬小売事業、配合飼料小売事業及び農業用機械小売事業
2 適用関係
 上記1の改正は、農業競争力強化支援法施行規則の一部を改正する省令(令和2年財務省・農林水産省・経済産業省令第3号)の公布の日(令和2年4月1日)から施行されている(改正農競規附則①)。

六 企業主導型保育施設用資産の割増償却制度

1 改正の内容
 適用期限(令和2年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された(旧措法47、旧措令29の4、旧措規20の20)。
2 適用関係
 上記1の改正は、法人が令和2年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした企業主導型保育施設用資産については、従来どおり適用できることとされている(改正法附則86④、改正措令附則33、改正措規附則15)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則100⑤、改正措令附則43、改正措規附則18)。

七 その他の特別償却制度

 倉庫用建物等の割増償却制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法48①)。

Ⅲ 準備金等関係

一 金属鉱業等鉱害防止準備金制度

1 改正の内容
 適用期限(令和2年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された(旧措法55の2、旧措規21の4)。
2 適用関係
 上記1の改正は、令和2年4月1日の前日を含む事業年度終了の日において金属鉱業等鉱害防止準備金の金額を有する法人(令和2年4月1日以後に特定施設(その使用の開始の日が令和2年3月31日以前であるものに限る。)の移転を受ける法人を含む。)の令和2年4月1日以後に開始する各事業年度の所得の金額の計算については、従来どおり適用できることとされている(改正法附則87①)。ただし、その適用に係る積立限度額の計算における独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に鉱害防止積立金として積み立てた金額に乗ずる割合(改正前:80%)は、次の事業年度の区分に応じそれぞれ次のとおり逓減することとされている。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則101①)。
(1)令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間に開始する事業年度……70%
(2)令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間に開始する事業年度……60%
(3)令和4年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する事業年度……50%
(4)令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度……40%
(5)令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に開始する事業年度……30%
(6)令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する事業年度……20%
(7)令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度……10%

二 特定災害防止準備金制度

1 改正の内容
(1)積立限度額の引下げ
 準備金の積立限度額が、独立行政法人環境再生保全機構に維持管理積立金として積み立てた金額のうち都道府県知事が通知する額の60%相当額(改正前:独立行政法人環境再生保全機構に維持管理積立金として積み立てた金額のうち都道府県知事が通知する額に相当する金額)に引き下げられた(措法56①⑦)。
(2)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法56①⑦)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則101②)。

三 その他の準備金等制度

1 損金算入限度額の計算の基礎となる所得の金額等の計算方法の見直し
 特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例の創設に伴い、次の制度における損金算入限度額の計算の基礎となる所得の金額等について、特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例を適用しないで計算することとされた(措令33の4③、33の5①、35②、37の2②、37の3③)。
(1)関西国際空港用地整備準備金制度(措法57の7、68の57)
(2)中部国際空港整備準備金制度(措法57の7の2、68の57の2)
(3)新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除制度(措法59、68の62)
(4)農業経営基盤強化準備金制度(措法61の2、68の64)
(5)農用地等を取得した場合の課税の特例(措法61の3、68の65)
2 適用期限の延長
(1)海外投資等損失準備金制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法55①)。
(2)特定原子力施設炉心等除去準備金制度の適用期限が、令和5年3月31日まで3年延長された(措法57の4の2①)。
(3)農業経営基盤強化準備金制度の適用期限が、令和3年3月31日まで1年延長された(措法61の2①)。

Ⅳ 土地税制関係

一 土地の譲渡等がある場合の特別税率

1 改正の内容
(1)その有する資産が主として土地等である法人の発行する株式等を譲渡した場合の譲渡利益額の計算における原価の額となる株式等の譲渡直前の帳簿価額の見直し
 特定支配関係のある他の法人から受ける配当等の額がある場合の株式等の1単位当たりの帳簿価額の算出方法の特例(法人税法施行令第119条の3第7項、第119条の4第1項)の創設に伴い、その有する資産が主として土地等である法人の発行する株式又は出資の譲渡をした場合の譲渡利益金額の計算における原価の額となる株式又は出資の譲渡直前の帳簿価額について、その帳簿価額を同令第119条の3第7項又は第119条の4第1項の規定により算出している場合には、同令第9条第1項第1号ワに掲げる金額がないものとして算出した1単位当たりの帳簿価額にその譲渡をした株式又は出資の数を乗じて計算した金額とされた(措令38の4⑤二)。
(2)優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置の見直し
 優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置の対象から次の土地等の譲渡が除外された(旧措法62の3④八・十二、旧措令38の4⑰一、旧措規21の19②八・十二⑨)。
① 都市再生特別措置法に規定する認定整備事業計画に係る都市再生整備事業の用に供するためにその都市再生整備事業の認定整備事業者に対して行う土地等の譲渡。
② 都市計画法の開発許可又は土地区画整理事業の認可を受けて、1,000㎡以上の一団の宅地の造成が行われる一定の宅地造成事業の用に供するためにその事業者に対して行う土地等の譲渡。
(3)適用停止措置等の期限延長
 制度の適用停止措置の期限が令和5年3月31日まで、優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置及び確定優良住宅地等予定地のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置の期限が令和4年12月31日まで、それぞれ3年延長された(措法62の3④⑤⑮)。
2 適用関係
 この制度は、適用停止中であることから、経過措置は設けられていない。連結納税制度の場合についても同様である。

二 短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率

 制度の適用停止措置の期限が、令和5年3月31日まで3年延長された(措法63⑧)。

三 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例

1 改正の内容
 次の場合に、この制度の適用対象となることが明確化された。
(1)資産につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において、その資産に係る権利変換により、施設建築物の一部についての借家権を取得しなかったことにより一定の補償金を取得するとき(措法64①三の二、措令39⑦)。
  一定の補償金とは、次の補償金をいう。
① 権利変換計画において、都市再開発法第79条第3項又は同法第111条の規定により読み替えられた同項の規定により、床面積の基準が定められたことによってその基準に照らし床面積が著しく小である施設建築物の一部についての借家権が与えられることとなる者に対して借家権を与えられないように定められたことにより支払われるもの
② やむを得ない事情により、既存の建物の借家権を有する者が都市再開発法第71条第3項の規定により借家権の取得を希望しない旨の申出をしたと認められる場合に、その申出に基づき支払われるもの
(2)資産につき密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備促進法)による防災街区整備事業が施行された場合において、その資産に係る権利変換により防災施設建築物の一部についての借家権を取得しなかったことにより一定の補償金を取得するとき(措法64①三の三、措令39⑩)。
  一定の補償金とは、次の補償金をいう。
① 権利変換計画において、密集市街地整備促進法第212条第3項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律施行令第43条の規定により読み替えられた同項の規定により、床面積の基準が定められたことによってその基準に照らし床面積が著しく小である防災施設建築物の一部についての借家権が与えられることとなる者に対して借家権を与えられないように定められたことにより支払われるもの
② やむを得ない事情により、既存の建物の借家権を有する者が密集市街地整備促進法第203条第3項の規定により借家権の取得を希望しない旨の申出をしたと認められる場合に、その申出に基づき支払われるもの
2 適用関係
 上記1の改正は、令和2年4月1日から施行されている。なお、明確化のための改正であることから経過措置は設けられていない。

四 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例

1 改正の内容
(1)施設建築物の借家権を取得する場合等が適用対象であることの明確化
 次の場合に、この制度の適用対象となることが明確化された。
① 資産につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において、その資産に係る権利変換により施設建築物の一部についての借家権を取得する権利を取得するとき(措法65①四)及びその権利変換に係る施設建築物の工事完了により施設建築物の一部についての借家権を取得する権利に基づきその施設建築物の一部についての借家権を取得するとき(措法65⑦)
② 資産につき密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業が施行された場合において、その資産に係る権利変換により防災施設建築物の一部についての借家権を取得する権利を取得するとき(措法65①五)及びその権利変換に係る防災施設建築物の工事完了により防災施設建築物の一部についての借家権を取得する権利に基づきその防災施設建築物の一部についての借家権を取得するとき(措法65⑧)
(2)譲渡損益調整資産の譲渡利益額の計上が繰り延べられる場合の明確化
 上記(1)の改正に伴い、完全支配関係がある法人の間で譲渡された譲渡損益調整資産について、その譲渡の後に上記(1)の権利変換又は工事完了があった場合において、圧縮記帳の適用を受けるときは、その譲渡損益調整資産の譲渡利益額を引き続き計上しないことが明確化された(措法65⑩)。
2 適用関係
 上記1の改正は、令和2年4月1日から施行されている。なお、明確化のための改正であることから経過措置は設けられていない。

五 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例

1 改正の内容
(1)既成市街地等の内から外への買換えに係る措置の見直し
① 譲渡資産の範囲の見直し
  譲渡資産から工場、作業場その他これらに類する施設が相当程度集積している区域として国土交通大臣が指定する区域内にある事業所として使用されている建物(その附属設備を含む。以下同じ。)及びその敷地の用に供されている土地等が除外された(措令39の7②、令2.3国土交通告491)。
② 確定申告書等に添付すべき書類
  上記①の改正に伴い、この特例の適用を受ける場合に確定申告書等に添付すべき書類について、次の場合の区分に応じそれぞれ次のとおりとされた(措規22の7③)。
 イ 譲渡資産の所在地が、横浜市、川崎市、堺市、神戸市、尼崎市又は西宮市の区域内である場合……その所在地が、国土交通大臣が指定する区域以外の既成市街地等内である旨を、その所在地を管轄する市町村長が証する書類
 ロ 譲渡資産の所在地が、大田区又は大阪市の区域内である場合……その所在地が、国土交通大臣が指定する区域以外の地域内である旨を、その所在地を管轄する特別区の区長又は市町村長が証する書類
(2)航空機騒音障害区域の内から外への買換えに係る措置の見直し
① 圧縮限度額の見直し
  譲渡資産が、次の区域内にある場合には、圧縮限度額が譲渡益の額の70%(改正前:80%)相当額とされた(措法65の7①)。
 イ 令和2年4月1日前に特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第4条第1項に規定する航空機騒音障害防止特別地区となった区域
 ロ 令和2年4月1日前に公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律第9条第1項に規定する第二種区域となった区域
 ハ 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第5条第1項に規定する第二種区域
② 確定申告書等に添付すべき書類の見直し
  上記①の改正に伴い、この措置の適用を受ける場合に確定申告書等に添付すべき書類について、特定空港として指定された空港の設置者又は特定飛行場の設置者が、その所在地が航空機騒音障害防止特別地区又は第二種区域に該当することなった日を証する書類が追加された(措規22の7④一イロ)。
(3)都市機能誘導区域の外から内への買換えに係る措置の除外
 この措置は、制度の対象から除外された(旧措法65の7①表四、旧措規22の7③五④三)。
(4)密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災再開発促進地区のうち危険密集市街地内における防災街区整備事業に関する都市計画の実施に伴う土地等の買換えに係る措置の見直し
① 譲渡資産に係る要件の見直し
  危険密集市街地内にある土地等、建物又は構築物で、その土地等又はその建物若しくは構築物の敷地の用に供されている土地等の上に耐火建築物又は準耐火建築物で一定の建築物を建築するために譲渡をされるものであることとする譲渡資産の要件について、危険密集市街地内に建築される建築基準法第53条第3項第1号イに規定する耐火建築物等又は同号ロに規定する準耐火建築物等であることにつき、その建物の建築主の申請に基づき都道府県知事が認定した建築物を建築するために譲渡をされるものであることとされた(措法65の7①表五、措令39の7⑥)。
② 危険密集市街地の要件の見直し
  危険密集市街地の指定に係る国土交通大臣が定める基準について、避難困難性が高い地域(その区域の面積、その区域内の幅員4m以上の道路及び幅員4m未満の道路のそれぞれの延長並びにその区域内にある地震に対する安全性が不足している建築物の数を勘案して算出される地震時等において区域内の住民等が区域外へ避難することのできる確率がおおむね97%未満である地域をいう。)が除外された(令2.3国土交通告495)。この改正により、危険密集市街地は、不燃領域率がおおむね40%未満の地域として国土交通大臣が指定する区域となった。
  また、不燃領域率について、国土交通省告示が改正され、その区域内にある一定規模以上の道路又は公園、緑地、広場その他の空地の面積及びその区域内にある耐火建築物等(改正前:耐火建築物)の建築面積の合計のその区域内にある全ての建築物の建築面積の合計に対する割合を勘案して算出されるその区域内の延焼防止上有効な部分の面積の合計のその区域の面積に対する割合とされた(令2.3国土交通告494)。
(5)所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から国内にある一定の土地等、建物若しくは構築物又は国内にある鉄道事業の用に供される車両及び運搬具への買換えに係る措置の見直し
 買換資産のうち鉄道事業の用に供される車両及び運搬具(貨物鉄道事業用の電気機関車)が除外された(措法65の7①表六、措令39の7⑦)。
(6)日本船舶から日本船舶への買換えに係る措置の見直し
① 譲渡資産の見直し
  建設業又はひき船業の用に供されている船舶について、その進水の日からその譲渡日までの期間が、35年(改正前:40年)未満であるものに限定された(措令39の7⑧二)。
② 買換資産の見直し
  海洋運輸業の用に供される船舶及び沿海運輸業の用に供される船舶について、船齢(その進水から取得の日までの期間をいう。)が、法人税法の規定により定められた耐用年数以下であることとの要件が追加された(措令39の7⑨)。
(7)適用期限の延長
 既成市街地等の内から外への買換え、航空機騒音障害区域の内から外への買換え、既成市街地等及びこれに類する一定の区域(人口集中地区)内における土地の計画的かつ効率的な利用に資する施策の実施に伴う土地等の買換え、所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から国内にある一定の土地等、建物若しくは構築物又は国内にある鉄道事業の用に供される車両運搬具への買換え及び日本船舶から日本船舶への買換えに係る措置の適用期限が令和5年3月31日まで3年延長され、過疎地域の外から内への買換え及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災再開発促進地区のうち危険密集市街地内における防災街区整備事業に関する都市計画の実施に伴う土地等の買換えに係る措置の適用期限が令和3年3月31日まで1年延長された(措法65の7①、65の8①、65の9)。
2 適用関係
(1)上記1(1)(2)(4)①、(5)及び(6)の改正は、法人が令和2年4月1日以後に譲渡資産の譲渡をして、同日以後に買換資産の取得をする場合のその買換資産及びその買換資産に係る特別勘定又は期中特別勘定について適用し、法人が同日前に譲渡資産の譲渡をした場合における同日前に取得をした買換資産又は同日以後に取得をする買換資産及びこれらの買換資産に係る特別勘定又は期中特別勘定並びに法人が同日以後に譲渡資産の譲渡をする場合における同日前に取得をした買換資産については、下記(3)の場合を除き、従前どおりとされている(改正法附則88①、改正措令附則34)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則102①)。
(2)上記1(3)の改正は、法人が令和2年4月1日前に行った譲渡資産の譲渡をした場合における同日前に取得をした買換資産又は同日以後に取得をする買換資産及びその買換資産に係る特別勘定又は期中特別勘定については、従前どおりとされている(改正法附則88②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則102②)。
(3)上記1(5)の改正に伴い、法人が令和2年4月1日から令和4年9月30日までの間に国内にある鉄道事業の用に供される車両及び運搬具(貨物鉄道事業用の電気機関車)でその法人が令和2年4月1日前に締結した契約に基づき取得をするものについては、改正後の租税特別措置法第65条の7第1項の表の第6号の下欄の資産とみなすこととする経過措置が設けられている(改正法附則88③)。この場合には、同条第14項及び同法第65条の8第18項の規定は適用されない(改正法附則88③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則102③)。

Ⅴ その他の特別措置関係

一 国家戦略特別区域における指定法人の課税の特例(連結:国家戦略特別区域における連結法人である指定法人の課税の特例)

1 改正の内容
(1)対象事業の除外
 対象事業である特定事業から次の事業が除外された(旧国家特区規11の2二イ(5)ロ(2)(3))。
① 高度な医療を提供する医療施設又は医療設備に近接して設けられるホテル、旅館その他の宿泊施設であって、専ら患者又はその家族の利用に供されるものの運営に関する事業
② 国際会議等への外国人の参加に必要な渡航に係る手続の代行又はその渡航に付随して行う通訳案内その他の外国人の参加者の便宜となるサービスの提供に関する事業
③ 外国会社、国際機関その他の者に勤務する者の子女又は海外から招へいした研究者の子女を対象とした外国語による教育に関する事業
(2)軽減対象所得金額及び全所得金額の計算方法の見直し
 特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例の創設に伴い、軽減対象所得金額及び全所得金額について、特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例を適用しないで計算することとされた(措令37④)。
(3)指定期限の延長
 制度の適用の前提となる内国法人の指定期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法61①)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、令和2年4月1日から施行されている(改正国家特区規附則)。

二 交際費等の損金不算入制度

1 改正の内容
(1)接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人の除外
 接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人からその事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が100億円を超える法人が除外された(措法61の4①)。
 なお、資本金の額又は出資金の額は、中小法人に係る損金算入の特例における中小法人の資本金の額又は出資金の額と同様に、資本又は出資を有しない法人、公益法人等、人格のない社団等及び外国法人にあっては、それぞれ資本金の額又は出資金の額に準ずる金額とすることとされている(措法61の4①②、措令37の4)。
 また、受託法人は、その100億円を超える法人となるかどうかの判定においては、資本又は出資を有しない法人と同様とすることとされている(措令1の2③表(措法61の4①の項及び措令37の4の項))。
(2)適用期限の延長
 制度(中小法人に係る損金算入の特例を含む。)の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法61の4①)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合については、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日以後に開始する連結事業年度分の法人税について適用し、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。

三 中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用(連結:中小連結法人の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用)措置

1 改正の内容
(1)設備廃棄等欠損金額の特例の廃止
 適用期限(令和2年3月31日)の到来をもって、設備廃棄等欠損金額の特例が廃止された(措法66の12、旧措法66の13②〜④、旧措令39の24③④、旧措規22の13)。
(2)適用期限の延長
 措置の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法66の12)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度において生じた欠損金額について適用し、法人の同日前に終了した事業年度において生じた欠損金額については、従前どおりとされている(改正法附則91①)。連結納税制度の場合における連結親法人の連結欠損金額についても同様である(改正法附則105①)。
 なお、認定事業再編事業法人のうち令和2年4月1日前にその特定事業再編計画に係る認定を受けたものの同日以後に終了する事業年度において生じた欠損金額のうち、その特定事業再編計画に基づく設備廃棄等を行った場合のその設備廃棄等を行ったことにより生じた損失の額に達するまでの金額(以下「特定設備廃棄等欠損金額」という。)については、この措置は適用しないこととされている(改正法附則91②)。連結納税制度の場合における連結親法人の連結欠損金額についても同様である(改正法附則105②)。
 また、特定設備廃棄等欠損金額について欠損金の繰戻しによる還付制度を適用する場合には、その特定設備廃棄等欠損金額が生じた欠損事業年度の欠損金額のうちその特定設備廃棄等欠損金額を超える部分の金額は、ないものとすること等とされている(改正法附則91③④、改正措令附則38)。連結納税制度の場合における連結親法人の連結欠損金額についても同様である(改正法附則105③④、改正措令附則48)。

四 特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する法人で一定の特定事業活動を行うものが、令和2年4月1日から令和4年3月31日までの期間内に特定株式を取得して、その取得した事業年度終了の日まで引き続き有している場合において、その特定株式の取得価額の25%相当額以下の金額を取得事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法により経理したときは、その特別勘定の金額を損金の額に算入できることとされた(措法66の13①)。この場合において、特定株式につき、その取得の日から5年を経過する日までの間は、産業競争力強化法に基づく証明がないことその他一定の事由に該当するときは、特別勘定の金額の全部又は一部を取り崩して益金の額に算入することとされている(措法66の13⑩〜⑫)。なお、損金の額に算入する金額は、所得金額等を限度とすることとされている(措法66の13①)。
 すなわち、適用対象法人が、適用事業年度において、一定の要件を満たす出資をした場合には、その出資を5年超継続する限り、一定の特別勘定の繰入額の所得控除ができることとなる。
 また、連結納税制度においても、同様の制度が創設されている(措法68の98①⑧〜⑩)。
2 適用関係
 上記1の制度は、令和2年4月1日から施行され(改正法附則1)、同日以後終了する事業年度から適用される(措法66の13①)。連結納税制度においても同様である(措法68の98①)。

五 農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例(連結:農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る連結所得の課税の特例)

1 改正の内容
(1)対象となる肉用牛の売却先の市場の追加
 対象となる家畜取引法に規定する家畜市場、中央卸売市場等において行う売却における市場に、地方卸売市場で食用肉の卸売取引のために定期に又は継続して開設されるもののうち、都道府県がその市場における食用肉の卸売取引に係る業務の適正かつ健全な運営を確保するため、その業務につき必要な規制を行うものとして農林水産大臣の認定を受けたものが追加された(措令39の26②二)。
(2)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和6年3月31日まで3年延長された(措法67の3①)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人が令和2年6月21日以後に地方卸売市場において行う肉用牛の売却について適用される(改正措令附則39)。連結納税制度の場合についても同様である。

六 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(連結:中小連結法人の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)

1 改正の内容
(1)対象法人の除外
 対象法人から連結法人が除外された(措令39の28①、旧措法68の102の2、旧措令39の124)。
(2)対象法人の要件における常時使用する従業員の数の引下げ
 対象法人の要件における常時使用する従業員の数が500人(改正前:1,000人)に引き下げられた(措令39の28①)。
(3)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法67の5①)。
2 適用関係
(1)上記1(1)の改正は、中小連結親法人又はその中小連結子法人が令和2年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした少額減価償却資産については、従前どおりとされている(改正法附則106、改正措令附則40)。
(2)上記1(2)の改正は、中小企業者等が令和2年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする少額減価償却資産について適用し、中小企業者等が同日前に取得又は製作若しくは建設をした少額減価償却資産については、従前どおりとされている(改正措令附則40)。

七 その他の特別措置

1 損金算入限度額の計算の基礎となる所得の金額等の計算方法の見直し
 特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例の創設に伴い、次の措置における損金算入限度額の計算の基礎となる所得の金額等について、特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例を適用しないで計算することとされた(措令36⑦、39の31④)。
(1)沖縄の認定法人の課税の特例(措法60、68の63)
(2)組合事業等による損失がある場合の課税の特例(措法67の12、68の105の2)
2 適用期限等の延長
 次の措置の適用期限等が、令和5年3月31日まで3年延長された。
(1)投資法人に係る課税の特例(措法67の15)における特例特定資産に係る措置(措令39の32の3⑫)
(2)退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置(措法68の5)

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置(法人税関係)

一 大規模法人等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付(連結:大規模法人等以外の連結親法人の連結欠損金の繰戻しによる還付)措置

1 改正の内容
 法人の令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置を適用しないこととする措置が講じられた(新型コロナ税特法7)。
 ただし、その法人がその各事業年度終了の時において次の法人に該当する場合は、この措置の対象とならない(新型コロナ税特法7ただし書、新型コロナ税特令5)。
(1)大規模法人(次の法人をいう。以下同じ。)
① 資本金の額又は出資金の額が10億円を超える法人
② 保険業法第2条第5項に規定する相互会社(同条第10項に規定する外国相互会社を含む。)
(2)大規模法人との間にその大規模法人による完全支配関係がある普通法人
(3)普通法人との間に完全支配関係がある全ての大規模法人が有する株式及び出資の全部をその全ての大規模法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人
(4)投資信託及び投資法人に関する法律第2条第12項に規定する投資法人
(5)資産の流動化に関する法律第2条第3項に規定する特定目的会社
 なお、連結納税制度の場合における連結親法人の連結欠損金額についても、同様の措置が講じられている(新型コロナ税特法8)。
 次に、法人課税信託の受託者は、各法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに、それぞれ別の者とみなして、この措置を適用することとされている(新型コロナ税特法9①)。
 なお、受託法人は、この措置の適用においては、大規模法人とすることとされている(新型コロナ税特法9③、新型コロナ税特令6②)。
2 適用関係
(1)上記1の措置は、新型コロナ税特法の公布の日(令和2年4月30日)から施行されている(新型コロナ税特法附則1)。
(2)上記1の措置は、各事業年度分の法人税につき確定申告書を令和2年7月1日前に提出した法人のその各事業年度において生じた欠損金額については、令和2年7月31日までに納税地の所轄税務署長に還付請求書を提出することにより、欠損金の繰戻しによる還付制度が適用できることとされている(新型コロナ税特法附則4)。連結納税制度の場合における連結親法人の連結欠損金額についても同様である(新型コロナ税特法附則5)。

二 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:中小連結法人が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)制度

1 改正の内容
 対象資産である特定経営力向上設備等における経営力向上設備等に、機械及び装置、工具、器具及び備品、建物附属設備並びにソフトウエアのうち、事業者が策定した投資計画(次の(1)から(3)までのいずれかに該当することにつき経済産業大臣の確認を受けたものに限る。)に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備が追加された(中経規16②三)。
(1)情報処理技術を用いた遠隔操作を通じて、事業を対面以外の方法により行うこと又は事業に従事する者が現に常時労務を提供している場所以外の場所において常時労務を提供することができるようにすること。
(2)現に実施している事業に関するデータの集約及び分析を情報処理技術を用いて行うことにより、その事業の工程に関する最新の状況の把握及び経営資源等の最適化を行うことができるようにすること。
(3)情報処理技術を用いて、現に実施している事業の工程に関する経営資源等の最適化のための指令を状況に応じて自動的に行うことができるようにすること。
2 適用関係
 上記1の改正は、中小企業等経営強化法施行規則の一部を改正する省令(令和2年経済産業省令第45号)の公布の日(令和2年4月30日)から施行されている(改正中経規附則)。

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