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一般2024年04月08日 体罰被害の男性根絶訴える バスケ部後輩は「指導死」 提供:共同通信社

 小中高生の自殺者数が高止まりしている。厚生労働省のまとめでは、2023年は過去最多だった前年から1人減の513人。原因・動機は「学校問題」が半数以上を占め、うち6人は「教師との人間関係」だった。高校のバスケットボール部の後輩が顧問の体罰を苦に命を絶ち、自身も暴力を受けていた男性(30)は、体罰根絶を訴える。
 「できる選手ほど見せしめのように殴られた」。東京都の会社員谷豪紀(たに・ごうき)さんは、大阪市立(現府立)桜宮高のバスケットボール部時代を振り返る。泥くさいプレースタイルに憧れて入った強豪チームでは、当時の男性顧問教諭による体罰が常態化していた。
 試合に出る選手には特に厳しく、谷さんも3年になったころから暴力を受けるようになった。「本当に分かっとるんか」。指示通り体が動いていないと怒鳴られ、頬をぶたれた。「口の中が切れた痛みより、心の傷の方が大きかった」
 体罰をやめてほしいと訴えたこともあるが「じゃあ、辞めるんやな」と迫られた。体育科(当時)の生徒だったため、退部した場合は事実上、学校も辞めざるを得ない状況だった。下宿と学校の往復で逃げ場はなく「存在を消してしまいたい」と何度も思った。
 谷さんは12年3月に高校を卒業。その年の12月、後輩だった2年の男子部員=当時(17)=が、自ら命を絶った。顧問からの暴力や暴言を苦にしてのことだった。手足が長く人なつっこい性格で、1年の時から試合で活躍。つらい練習でも周囲を鼓舞する存在だった。
 顧問は部員への傷害などの罪で有罪が確定。事件は社会に大きな衝撃を与え、教職員の不適切指導で子どもが死に追いやられる「指導死」が注目される契機となった。
 今も、顧問に追い込まれる夢にうなされることがあると話す谷さん。大学卒業後、会社員として働くかたわら、体育教諭を目指す学生向けの講義などで、自身の経験を語ってきた。「以前より体罰は良くないという認識は広まったが、まだ繰り返されている」。自分や後輩のような経験をする子どもを、一人でもなくしたいと願っている。

(2024/04/08)

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