株式・株主総会2020年04月24日
【中小企業の株主総会】現在、日本で、新型コロナウイルス感染症が流行していますが、例年どおりだと、定時株主総会当日は多数の株主が集まることが想定されます。感染症拡大防止のために、どのような対策をとればよいでしょうか。 共編:東京八丁堀法律事務所 中山雄太郎(弁護士) 工藤洋治(弁護士) 野田学(弁護士)
著:石井達也(弁護士・中小企業診断士) 白石紘一(弁護士) 中村明奈(弁護士) 土田悠太(弁護士) 松村拓紀(弁護士) 佐藤菜都季(弁護士)
現在、日本で、新型コロナウイルス感染症が流行していますが、例年どおりだと、定時株主総会当日は多数の株主が集まることが想定されます。感染症拡大防止のために、どのような対策をとればよいでしょうか。
感染症が流行している状況下では、株主総会で株主が集まることにより感染が拡大する事態を防ぐべく、例えば、以下のような措置をとることが考えられます。
まず、株主全員の同意を得て、「書面決議」(前記第6章第2「1 書面による決議の省略(書面決議)」(231頁)参照)及び「書面報告」(前記第6章第2「2 書面による報告の省略(書面報告)」(232頁)参照)の方法を用いることにより、株主総会の開催を省略することが考えられます。
「書面決議」及び「書面報告」の方法を用いることが困難な場合には、株主に対して株主総会の招集通知を送付する際、委任状を同封し、委任状を提出すれば株主総会への出席が不要となることを説明した上で、委任状の会社への返送を促すことが考えられます(前記第3章2「(5) 委任状について」(86頁)参照)。
また、株主総会の招集の決定において、書面投票制度・電子投票制度(前記第3章1「(4) 書面投票制度及び電子投票制度」(75頁)参照)を採用することを定めた上で、株主に対し、書面投票・電子投票を促すことも考えられます(ただし、書面投票制度・電子投票制度を採用した場合、法定の事項を記載した株主総会参考書類や議決権行使書面を作成・交付しなければならないなど、会社の実務的負担は大きくなります。前記第3章1(4)「ア 概 要」(75頁)参照)。
さらに、株主総会当日においては、マスクや消毒液を準備する、座席の間隔を空けて株主席や役員席を配置する、体調が優れない場合には出席を控えるよう受付で要請する、マイクを用いる場合は使用者が変わるごとに消毒するかスタンドマイクを設置する、株主総会の時間を短縮すべく簡素なシナリオにする(株主総会のシナリオについては、前記第4章「第2 議事運営」の【参考書式29】(160頁)及び【参考書式30】(167頁)をご参照ください。)などの対応をとることが考えられます。
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