カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2024年12月16日 SCOPE 外国税額控除の明細書にミス、控除額過大で3,000件に影響(2024年12月16日号・№1055)

対象となる納税者には税務署から個別に案内
外国税額控除の明細書にミス、控除額過大で3,000件に影響


 国税庁は12月6日、「外国税額控除に関する明細書」の様式に誤りがあり、一部の納税者の外国税額控除の金額が過大に算出される場合があることを明らかにした。同庁によると、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける納税者が、明細書の様式に沿って計算をすると外国税額控除額が過大に算出されるケースがあったという。このため、修正が必要と見込まれる納税者に対しては、所轄税務署から修正申告や、加算税等なしでの不足分額の納付の案内を行うとしており、すでに一部で開始されている。明細書の様式が改訂された令和2年分から令和5年分に申告された約3,000件に影響があるとされ、多くの納税者の納付額は1件当たり数百円~数千円程度とされる。
 今回の明細書の様式の誤りは、国税庁が定額減税の実施に伴い明細書の改訂作業を進めていた際に判明した。外国税額控除の限度額を計算する際の分配時調整外国税相当額控除の金額を控除する順序が誤っていたことが原因としている。

本来であれば分配時調整外国税相当額控除の金額を先に控除

 国税庁は12月6日、「外国税額控除に関する明細書」の様式に誤りがあり、一部の納税者の控除額が過大に算出されるケースがあることを明らかにした。
 過大に算出される可能性があるのは、分配時調整外国税相当額控除の適用を受けている納税者で、明細書や「確定申告書等作成コーナー」の手順に沿って外国税額控除の計算をすると、控除額が過大に算出されるケースがあったという。
 具体的には、外国税額控除の適用を受ける際は、「外国税額控除に関する明細書」を申告書に添付する必要があるが、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける納税者の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる所得税及び復興特別所得税の金額は、それぞれ分配時調整外国税相当額控除の金額を控除した後の金額となるところ、同控除を控除する前の金額を記載するよう誤った案内が行われていたものとしている(参照)。

 修正の対象となる期間は、明細書が改訂された令和2年分から令和5年分までの4年分の申告で、約3,000件に影響があるとされる。国税庁のサンプル調査によれば、納税額は、大半の納税者で1件当たり数百円~数千円程度になると見込まれており、不足分の徴収に際しては、本税のみで延滞税や加算税は賦課されない。
 また、申告内容に影響を受ける可能性があるのは、外国税額控除の適用を受ける際に分配時調整外国税相当額控除の適用がある場合で、例えば、国内の証券会社を通じて海外の投資信託等を購入しているケースなどが該当するという。
納税者は税務署からの連絡を待てばOK
 現在、税務署では該当する納税者の特定作業が行われており、修正が必要と見込まれる納税者に対しては、所轄税務署から申告内容の見直しや不足分額の納付の案内が行われる。分配時調整外国税相当額控除の適用がある場合であっても、必ずしも修正が必要とは限らないため、基本的に納税者は税務署からの連絡を待てばよいとしている。
 一方で、納税者自身が正しい控除額を算出して修正の要否を判断することも可能で、その場合は国税庁ホームページに掲載されている正しい外国税額控除額を算出する「外国税額控除検証用ツール」を使用して確認することもできる。
作成コーナーは来年1月6日以降に
 なお、国税庁ホームページに掲載されている明細書は既に修正されているが、「確定申告書等作成コーナー」のプログラムが修正されるのは令和7年1月6日以降となるため、同日前に修正申告を行う場合には、紙の申告書で行うことになる。
 国税庁によると、定額減税の実施に伴い「外国税額控除に関する明細書」の改訂作業を進めていたときに様式の誤りが判明。分配時調整外国税相当額控除の適用が始まった令和2年分の明細書の改訂時に、同控除を反映した適切な様式の改訂が行われなかったとしている。同庁は、「納税者が確定申告の際に使用する様式に誤りが発生し、納税者の申告に影響を及ぼしたことについて、深くお詫び申し上げます。今後、同様の誤りが生じないよう、厳格な確認作業を行うなど、適切な事務処理に努めてまいります」とコメントした。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索