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解説記事2020年08月31日 税制改正解説 令和2年度における法人税関係及び新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に関する改正について(上)(2020年8月31日号・№847)

税制改正解説
令和2年度における法人税関係及び新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に関する改正について(上)
 鈴木慎一郎

はじめに

 令和2年度税制改正においては、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進並びに投資及び賃上げを促すための税制上の措置を講ずるとともに、連結納税制度の抜本的な見直しを行うこととされ、さらに、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制を実現するとともに、NISA(少額投資非課税)制度の見直しを行うこととされたほか、国際課税制度の見直し、所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応、納税環境の整備等を行うこととされ、関係法令の改正が行われた。
 このうち法人税関係(連結納税制度の見直し関係及び国際課税関係を除く。)については、会社法等の改正に伴う譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例の整備及び業績連動役員給与の損金算入要件のうち適正な手続に関する要件の見直し、企業会計における取扱いの改正を踏まえた売買目的有価証券の期末評価額の見直し等の改正が行われたほか、租税特別措置法の改正では、認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度及び特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例の創設等が行われる一方で、革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の廃止等、既存の租税特別措置の整理合理化が行われた。
 また、法人税関係の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置として、大規模法人等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付措置及び中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の拡充がなされた。
 本稿は、これらの改正の内容についての解説をするものである。

法人税法等の改正

Ⅰ 会社法等の改正に伴う整備

一 譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例

1 改正の内容
 会社法の改正により、上場会社において取締役又は執行役の報酬として株式を発行する場合には出資の履行を要しないこととされた(会社法202の2、361①三)。これに伴い、特定譲渡制限付株式が、譲渡制限付株式であって次の要件に該当するものとされた(法法54①)。
① その譲渡制限付株式が役務の提供の対価として個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものであること。
② ①のほか、その譲渡制限付株式が実質的に役務の提供の対価と認められるものであること。
2 適用関係
 上記1の改正は、法人が会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)の施行の日以後にその交付に係る決議(その決議が行われない場合には、その交付)をする特定譲渡制限付株式及びその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式について適用し、法人が同日前にその交付に係る決議(その決議が行われない場合には、その交付)をした特定譲渡制限付株式及びその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式については、従前どおりとされている(改正法附則19)。

二 役員給与の損金不算入

1 改正の内容
 独立職務執行者の範囲について、次の見直しが行われた。
① 独立職務執行者に該当しない親法人の業務執行者等の範囲の見直し
  業績連動給与の算定方法についての手続の終了の日の属する内国法人の会計期間開始の日の10年前(改正前:1年前)の日からその手続の終了の日までの期間内のいずれかの時において次の者に該当する者(ロの者に該当する者にあっては、その終了の日においてその設置法人の監査役であるものに限る。)が独立業務執行者に該当しないこととされた(法令69⑱三)。
 イ 親法人の業務執行者又は業務執行者以外の取締役
 ロ 親法人の監査役
 ハ 設置法人との間に支配関係がある法人(親法人及びその設置法人による支配関係がある法人を除く。)の業務執行者
② 独立職務執行者に該当しない親法人の業務執行者等の親族の範囲の見直し
  業績連動給与の算定方法についての手続の終了の日の属する内国法人の会計期間開始の日の10年前(改正前:1年前)の日からその手続の終了の日までの期間内のいずれかの時において次の者に該当する者の配偶者又は二親等以内の親族(ロの者に該当する者の配偶者又は二親等以内の親族にあっては、その終了の日においてその設置法人の監査役であるものに限る。)が独立業務執行者に該当しないこととされた(法令69⑱四)。
 イ 上記①イ又はハの者(業務執行者にあっては、使用人のうち重要な使用人でないものを除く。)
 ロ 上記①ロの者
2 適用関係
 上記1の改正は、法人の令和2年4月1日以後最初に開始する事業年度の前事業年度に関する定時株主総会の日の翌日以後に終了する業績連動給与の算定方法についての手続に係る給与について適用し、法人の同日前に終了した業績連動給与の算定方法についての手続に係る給与については、従前どおりとされている(改正法令附則3)。

Ⅱ 時価の算定に関する会計基準の制定に伴う改正

1 改正の内容
(1)売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入

① 売買目的有価証券の時価評価金額の計算における1単位当たりの金額について、次の見直しが行われた。
 イ 取引所売買有価証券、店頭売買有価証券及び取扱有価証券並びにその他価格公表有価証券で事業年度終了の日において公表された最終の売買の価格及び最終の気配相場の価格のいずれもないものについては、同日前の最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格が公表された日でその終了の日に最も近いものを基礎とした合理的な方法により計算した金額とされた(法令119の13①一、二、三)。
 ロ 上記イ以外の有価証券(株式又は出資を除く。)については、その有価証券に類似する有価証券について公表された事業年度終了の日における最終の売買の価格又は利率その他の指標に基づき合理的な方法により計算した金額とされた(法令119の13①四)。
② 書類の保存義務
  内国法人は、売買目的有価証券の時価法により評価した金額を計算する場合において、上記①の「合理的な方法」によったときは、その方法を採用した理由及びその方法による計算の基礎とした事項を記載した書類を保存しなければならないこととされた(法令119の13②)。
(2)短期売買商品等の評価益又は評価損の益金又は損金算入
① 時価法により評価した金額
  短期売買商品等(暗号資産を除く。)について評価額を時価法により評価した金額とする場合において、価格公表者によって公表された当該事業年度終了の日における短期売買商品等の最終の売買の価格及び価格公表者によって公表された同日における最終の気配相場の価格のいずれもないときは、その時価法により評価した金額は、その短期売買商品等の当該事業年度終了の日における売買の価格に相当する金額として同日前の最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格が公表された日で当該事業年度終了の日に最も近い日におけるその最終の売買の価格又はその最終の気配相場の価格を基礎とした合理的な方法により計算した金額とされた(法令118の8①一)。
② 書類の保存義務
  内国法人は、短期売買商品等(暗号資産を除く。)の時価法により評価した金額を計算する場合において、上記①の「合理的な方法」によったときは、その方法を採用した理由及びその方法による計算の基礎とした事項を記載した書類を保存しなければならないこととされた(法令118の8②)。
(3)デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等
 内国法人は、デリバティブ取引等を決済したものとみなして利益相当額又は損失相当額を算出する場合において、合理的な方法によったときは、その方法を採用した理由及びその方法による計算の基礎とした事項を記載した書類を保存しなければならないこととされた(法規27の7④)。
(4)資産の評価損の損金不算入
 上記(1)の改正に伴い、有価証券の評価損が損金算入される物損等の事実の範囲について、「その有価証券の価額が著しく低下したこと」が物損等の事実となる有価証券は、上記(1)①イ及びロの有価証券(企業支配株式に該当するものを除く。)とされた(法令68①二イ)。
 また、企業会計と同様に、売買目的有価証券については、「その有価証券の価額が著しく低下したこと」が物損等の事実から除外され、「その有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく低下したこと」及びこれに準ずる特別の事実のみが物損等の事実とされた(法令68①二)。
(5)貸倒引当金
 貸倒引当金の対象となる金銭債権に債券に表示されるべき権利が含まれないことが明確化された(法法52①)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税について適用し、法人の同日前に終了した事業年度の所得に対する法人税については、従前どおりとされている(改正法令附則6①)。
 上記1(2)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税について適用し、法人の同日前に終了した事業年度の所得に対する法人税については、従前どおりとされている(改正法令附則4①)。
 なお、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度(令和3年3月31日以前に開始するものに限る。)においては、その有する有価証券及び短期売買商品等(暗号資産を除く。)については、上記1(1)及び(2)の改正前の時価法により評価した金額を改正後の時価法により評価した金額とみなして、上記1(1)及び(2)の改正後の規定を適用することができることとされている(改正法令附則6②、4②)。
 上記1(3)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税について適用することとされている(改正法規附則②)。
 上記1(4)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税について適用し、法人の同日前に終了した事業年度の所得に対する法人税については、従前どおりとされている(改正法令附則2①)。なお、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度(令和3年3月31日以前に開始するものに限る。)において、その有する上記1(1)①ロの有価証券について、その有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく低下した場合には、その低下したことを改正後の物損等の事実とみなして、上記1(4)の改正後の制度を適用することができることとされている(改正法令附則2②)。

Ⅲ その他

1 敷地分割組合に対する税制上の措置
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替え法)が改正され、同法により設立される敷地分割組合を公益法人等とみなし、収益事業から生ずる所得についてのみ課税することとされた。また、敷地分割組合に適用される税率は普通法人と同様とするほか、みなし寄附金の規定は適用しないこととされている(法法2六、37、66、マンション建替え法188①)。
2 減価償却資産の範囲の見直し
 樹木採取権が、減価償却資産(無形固定資産)とされた(法令13八ヲ)。
 樹木採取権の耐用年数は、その存続期間をもって耐用年数とされている。具体的には、国有林野管理法の規定により農林水産大臣が行う樹木採取権の設定をする旨の通知において明らかにされたその樹木採取権の存続期間の年数が耐用年数となる(耐用年数省令1②六)。
 また、樹木採取権の償却方法は、他の無形固定資産と同様に定額法とされている(法令48の2①四)。
3 第二次納税義務に係る納付税額
 消費税及び地方消費税に法人の申告期限の延長制度が創設されたことに伴い、国税徴収法の第二次納税義務の規定の例により納付すべき地方消費税に係る利子税が損金不算入の対象に追加された(法法39①②、法令78の2①②)。
4 デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等
 連結法人が個別益金額又は個別損金額を計算する場合において、その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人との間で行われた一定のデリバティブ取引があるときは、そのデリバティブ取引に係るみなし決済損益額は、ないものとすることとされた(法令155の3の3)。
5 年金制度の見直しに伴う法人税関係の改正
 確定給付企業年金法の規定により企業年金連合会が積み立てなければならないこととされている給付に充てるべき積立金が、確定給付年金積立金に該当することとされた(法法84①)。また、企業年金連合会が確定給付企業年金法の規定により締結した積立金の運用に関する契約が、確定給付年金基金資産運用契約の範囲に含まれることとされた(法法84③)。
6 特定同族会社の特別税率(留保金課税)
 特定同族会社の特別税率について、留保金額の計算上控除される道府県民税及び市町村民税の額の計算において、特定同族会社が支出した地方税法の特定寄附金につき道府県民税及び市町村民税の額から控除される金額がある場合の計算方法等が見直された(法令139の8④、139の10①②)。

租税特別措置法の改正

Ⅰ 税額控除関係

一 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
(1)対象法人の追加

 本制度の対象法人に、エネルギー使用の合理化等に関する法律(以下「省エネ法」という。)第29条第2項に規定する認定管理統括事業者及び同項第2号に規定する管理関係事業者が追加された(措法42の5①一)。
 なお、認定管理統括事業者又は管理関係事業者が省エネ法第18条第2項ただし書に規定する特定連鎖化事業者である場合には、これらの者が行う連鎖化事業の加盟者を含むこととされている。
(2)対象資産の見直し
 省エネ法の特定事業者、特定連鎖化事業者又は認定統括事業者若しくは管理関係事業者が取得又は製作若しくは建設をした場合に本制度の対象となる資産について、次の見直しが行われた。
① 追加
  対象資産に、省エネ法第37条第1項の規定により同項の主務大臣に提出された同項の計画において設置するものとして記載されたエネルギーの使用の合理化のための機械その他の減価償却資産でエネルギーの使用の合理化に特に効果の高いものが追加された(措法42の5①一、措令27の5①、措規20の2①)。
② 除外
  対象資産から、10設備・システム(高効率工業炉、ハイブリッド式加熱システム、塗料燃焼型焼付乾燥炉、排熱利用焼き戻し炉、ハンプバック炉、高性能アーク炉、高性能抵抗炉、高性能高周波炉、高性能溶解・保持用溝型炉及び高性能電気分解炉・メッキ炉)が除外された(平30.11経済産業告232、製造業に係る中長期的な計画の作成指針(平22.3財務・厚生労働・農林水産・経済産業、国土交通告1)3、鉱業等に係る中長期的な計画の作成指針(平22.3経済産業告68)5、上水道業等に係る中長期的な計画の作成指針(平22.3厚生労働・経済産業・国土交通・環境告1)4)。
(3)特別償却割合の引下げ
 特別償却割合が、20%(改正前:30%)に引き下げられた(措法42の5①)。
(4)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の5①)。
2 適用関係
(1)上記1(1)(2)①及び(3)の改正は、法人が令和2年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする高度省エネルギー増進設備等について適用し、法人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした高度省エネルギー増進設備等については、従前どおりとされている(改正法附則80)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則94)。
(2)上記1(2)②の改正は、令和2年4月1日から適用されている(令2.3経済産業告71前文)。

二 国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却等又は法人税額の特別控除制度(改正後:国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度)

1 改正の内容
(1)研究開発税制の特例の廃止

 研究開発税制の特例が廃止された(旧措法42の10③、旧措令27の10③、旧措規20の5⑤)。
(2)対象事業の見直し
① 除外
  対象事業である特定事業から次の事業が除外された(国家特区規10)。
 イ 高度な医療を提供する医療施設又は医療設備(以下「高度医療施設等」という。)に近接して設けられるホテル、旅館その他の宿泊施設であって、専ら患者又はその家族の利用に供されるものの整備又は運営に関する事業
 ロ 高度医療施設等への外国人の患者の受入れに必要な渡航に係る手続の代行、その渡航に付随して行う通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)その他外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業
 ハ 2以上の法人(これらの法人の本店又は主たる事務所が所在する国又は海外の地域の数が2以上であるものに限る。)のそれぞれの総株主等の議決権(総株主又は総出資者の議決権をいう。)の過半数を取得し、又は保有することにより、その2以上の法人が行う事業の方針を策定するとともに、内部統制の整備支援、資金運用等の業績管理その他のその2以上の法人が行う事業を統括する事業(その事業に係る事業実施計画が内閣総理大臣が定める要件を満たすものに限る。)
② 要件の見直し
  対象事業である特定事業のうち指定金融機関から事業を行うのに必要な資金の貸付けを受けて行われるものにおける要件について、「国家戦略特別区域法第28条第1項に規定する指定金融機関から事業を行うのに必要な資金の貸付けを受けて行われるもののうち同項に規定する利子補給契約に係る貸付けを受けて行われることその他の内閣府令で定める要件に該当するもの」に限定する見直しが行われた(国家特区法27の2)。
(3)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の10①)。
2 適用関係
(1)
上記1(1)の改正は、法人が令和2年4月1日前に取得又は製作をした開発研究用資産に係る研究開発税制の特例の適用については、従前どおりとされている(改正法附則81)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則95)。
(2)上記1(2)①の改正は、令和2年4月1日から施行されている(改正国家特区規附則)。
(3)上記1(2)②の改正は、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律(令和2年法律第34号。以下「改正国家特区法」という。)の施行前に認定区域計画に定められた特定事業(指定金融機関から事業を行うのに必要な資金の貸付けを受けて行われる事業に限る。)についての課税の特例については、従前どおりとされている(改正国家特区法附則4)。

三 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
(1)対象事業の除外

 対象事業である特定国際戦略事業から次の事業が除外された(総合特区規15二)。
① 水の確保が困難な地域における水の適切な供給及び効率的な排水の処理に関するシステムの研究開発に関する事業
② 高度な医療を提供する医療施設又は医療設備(以下「高度医療施設等」という。)に近接して設けられるホテル、旅館その他の宿泊施設であって、専ら患者又はその家族の利用に供されるものの整備又は運営に関する事業
③ 高度医療施設等への外国人の患者の受入れに必要な渡航に係る手続の代行、その渡航に付随して行う通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)その他外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業
④ 映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)であって、特に付加価値の高いと認められるものの創作又は提供に関する事業
⑤ プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系であって特に付加価値の高いと認められるものの研究開発に関する事業
(2)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の11①)。
2 適用関係
 上記1(1)の改正は、令和2年4月1日から施行されている(改正総合特区規附則)。

四 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
 地方への本社機能の移転・地方における雇用創出のさらなる促進及び制度の簡素化の観点から、次の見直しが行われた。
(1)地方事業所基準雇用者数に係る措置
① 適用要件のうち給与等支給額に係る要件の廃止
  適用要件のうち「給与等支給額が比較給与等支給額以上であること」との要件が廃止された(措法42の12⑨、旧措法42の12①一ロ④十〜十三、旧措令27の12⑭〜⑱)。
② 税額控除限度額の見直し
  税額控除限度額について、対象雇用者数から非特定新規雇用者(有期又はパートタイムである新規雇用者)数のうち法人の適用年度の新規雇用者総数の40%相当数に達するまでの数が除外された上、基準雇用者割合にかかわらず、次の金額の合計額とされた(措法42の12①二、旧措法42の12④十二、措令27の12⑫、旧措令27の12③、旧措規20の7②)。
 イ 30万円に、特定新規雇用者基礎数を乗じて計算した金額(移転型特定新規雇用者数がある場合には、20万円に、その特定新規雇用者基礎数のうちその移転型特定新規雇用者数に達するまでの数を乗じて計算した金額を加算した金額)(措法42の12①二イ、措令27の12③、措規20の7②)。
 ロ 20万円に、非新規基準雇用者数(移転型非新規基準雇用者数が零を超える場合には、その非新規基準雇用者数のうちその移転型非新規基準雇用者数に達するまでの数を加算した数)を乗じて計算した金額(措法42の12①二ロ、措令27の12④⑤、措規20の7②)。
③ 特定雇用者の要件の見直し
  特定雇用者の要件のうち「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条に規定する短時間労働者でないこと」との要件における短時間労働者の定義が、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条第1項に規定する短時間労働者」とされた(措法42の12⑤七ロ)。
④ 認定期限の延長
  措置の適用の前提となる地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の12①)。
(2)地方事業所特別基準雇用者数に係る措置
① 地方事業所特別税額控除限度額の引上げ
  地方事業所特別税額控除限度額が、40万円(改正前:30万円)に認定事業者である法人の適用年度の地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額(その計画の認定に係る特定業務施設が準地方活力向上地域内にある場合には、30万円(改正前:20万円)にその特定業務施設に係るその法人のその適用年度の地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額)に引き上げられた(措法42の12②)。
② 措置の適用の前提となる地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の12②)。
2 適用関係
(1)
上記1(1)①及び②並びに(2)①の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度(特例対象事業年度を除く。)分の法人税について適用し、法人の同日前に終了した事業年度(特例対象事業年度を含む。)分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則82①)。連結納税制度の場合については、連結法人の同日以後に終了する連結事業年度(特例対象連結事業年度を除く。)分の法人税について適用し、連結法人の同日前に終了した連結事業年度(特例対象連結事業年度を含む。)分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則96①)。
  なお、特例対象事業年度とは、令和2年4月1日前に地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた法人の同日以後に終了する事業年度(その法人が同日以後に同項の認定又は同条第4項の規定による変更の認定を受ける場合におけるこれらの認定を受ける日以後に終了する事業年度を除く。)をいい(改正法附則82②)、連結納税制度の場合における特例対象連結事業年度とは、連結法人(その連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人のいずれかが令和2年4月1日前に同条第3項の認定を受けたものに限る。)の同日以後に終了する連結事業年度(その連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人のいずれかが同日以後に同項の認定又は同条第4項の規定による変更の認定を受ける場合におけるこれらの認定を受ける日以後に終了する連結事業年度を除く。)をいう(改正法附則96②)。
(2)上記1(1)③の改正は、令和2年4月1日から施行されている(改正法附則1)。
  なお、法人で働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律附則第3条第1項に規定する中小事業主(以下「中小事業主」という。)であるものに対する令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間における特定雇用者の要件のうち「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条第1項に規定する短時間労働者でないこと」との要件における短時間労働者の定義については、上記1(1)③の改正前の定義(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律附則第11条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第7条の規定による改正前の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条に規定する短時間労働者)とすることとされている(改正法附則82③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則96③)。

五 認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
(1)税額控除限度額の引上げ

 税額控除限度額が、支出した特定寄附金の額の合計額の40%(改正前:20%)相当額からその特定寄附金の支出について法人住民税の額から控除される金額を控除した金額(その支出した特定寄附金の額の合計額の10%相当額が上限となる。)に引き上げられた(措法42の12の2①)。
(2)特定寄附金の見直し
 特定寄附金が、認定地方公共団体が行うまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附金(その寄附をした者がその寄附によって設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)とされた(措法42の12の2①)。
(3)適用期限の延長
 制度の適用期限が、令和7年3月31日まで5年延長された(措法42の12の2①)。
2 適用関係
(1)
上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則97②)。
(2)上記1(2)の改正は、法人が令和2年4月1日以後に支出する特定寄附金について適用し、法人が同日前に支出した特定寄附金については、従前どおりとされている(改正法附則83)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則97①)。

六 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
(1)適用要件のうち国内設備投資額に係る要件における当期償却費総額に乗ずる割合の引上げ

 中小企業者等以外の法人が給与等の引上げ及び設備投資を行った場合に係る措置の適用要件のうち国内設備投資額に係る要件における当期償却費総額に乗ずる割合が95%(改正前:90%)に引き上げられた(措法42の12の5①二)。
(2)雇用者給与等支給増加重複控除額及び中小企業者等雇用者給与等支給増加重複控除額の見直し
 前述「 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度」の1(1)②及び(2)①の改正に伴い、中小企業者等以外の法人が給与等の引上げ及び設備投資を行った場合に係る措置における雇用者給与等支給増加重複控除額が、法人の適用年度に係る雇用者給与等支給額をその適用年度終了の日における雇用者の数で除して計算した金額に次の数を合計した数(その合計した数が地方事業所基準雇用者数を超える場合には、その地方事業所基準雇用者数)を乗じて計算した金額の20%相当額とされた(措令27の12の4の2①)。
① その法人がその適用年度において地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度のうち地方事業所基準雇用者数に係る措置(前述1(1)の措置)の適用を受ける場合におけるその適用年度の特定新規雇用者基礎数とその適用年度の地方事業所基準雇用者数からその適用年度の新規雇用者総数を控除した数とを合計した数
② その法人がその適用年度において地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度のうち地方事業所特別基準雇用者数に係る措置(前述1(2)の措置)の適用を受ける場合におけるその適用年度の基準雇用者数として証明がされた数からその適用を受ける場合におけるその適用年度の次の数を合計した数を控除した数
 イ 特定新規雇用者基礎数のうち移転型特定新規雇用者数に達するまでの数
 ロ 地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数を控除した数のうち移転型非新規基準雇用者数に達するまでの数
  中小企業者等が給与等の引上げを行った場合に係る措置における中小企業者等雇用者給与等支給増加重複控除額についても同様である(措令27の12の4の2②)。
2 適用関係
(1)
上記1(1)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合については、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日以後に開始する連結事業年度分の法人税について適用し、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。
(2)上記1(2)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に終了する事業年度(特例対象事業年度を除く。)分の法人税について適用し、法人の同日前に終了した事業年度(特例対象事業年度を含む。)分の法人税については、従前どおりとされている(改正措令附則31)。連結納税制度の場合についても同様である(改正措令附則41)。

七 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(5G導入促進税制)(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する法人で特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律の認定導入事業者であるものが、同法の施行の日から令和4年3月31日までの間に、その法人の認定導入計画に記載された認定特定高度情報通信技術活用設備の取得等をして、その事業の用に供したときは、その認定特定高度情報通信技術活用設備の取得価額の30%相当額の特別償却又は15%相当額の税額控除ができることとされた(措法42の12の5の2①②)。なお、税額控除限度額は、当期の調整前法人税額の20%相当額を上限とすることとされている。
(注)認定特定高度情報通信技術活用設備とは、認定導入計画に従って実施される特定高度情報通信技術活用システムの導入の用に供するためのものであることその他要件を満たす一定の減価償却資産をいう。
 また、連結納税制度においても、同様の制度が創設されている(措法68の15の6の2①②)。
2 適用関係
 上記1の制度は、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律の施行の日から施行されている(改正法附則1九)。

八 革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
 制度が廃止された(旧措法42の12の6、旧措令27の12の6、旧措規20の10の2)。
2 適用関係
 上記1の改正は、法人が令和2年4月1日前に取得又は製作をした革新的情報産業活用設備及び同日前に認定を受けた法人がその認定に係る認定革新的データ産業活用計画に従って実施される革新的データ産業活用の用に供するために同日から令和3年3月31日までの間に取得又は製作をする革新的情報産業活用設備については、従前どおりとされている(改正法附則84)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則98)。

九 法人税の額から控除される特別控除額の特例

1 改正の内容
 特定税額控除制度の不適用措置について、次の見直しが行われた。
(1)特定税額控除制度の見直し
① 追加
  特定税額控除制度に「認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除制度(措法42の12の5の2②)」が追加された(措法42の13⑥⑧)。
② 除外
  前述「 革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」の1の改正に伴い、特定税額控除制度から「革新的情報産業活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除制度(措法42の12の6②)」が除外された(措法42の13⑥⑧)。
(2)適用要件のうち国内設備投資額に係る要件における当期償却費総額に乗ずる割合の引上げ
 適用要件のうち国内設備投資額に係る要件における当期償却費総額に乗ずる割合が30%(改正前:10%)に引き上げられた(措法42の13⑥二)。
2 適用関係
 上記1(2)の改正は、法人の令和2年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。連結納税制度の場合については、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日以後に開始する連結事業年度分の法人税について適用し、連結親法人又はその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度分の法人税については、従前どおりとされている(改正法附則78)。

十 その他の税額控除制度

1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度(研究開発税制)
 研究開発税制のうち特別試験研究費の額に係る法人税額の特別控除制度について、対象となる特別試験研究のうちその用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究に、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第77条の4に規定する特定用途医薬品、特定用途医療機器又は特定用途再生医療等製品に関する試験研究で、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所から助成金の交付を受けてその対象となった期間に行われるものが追加された(措令27の4⑱十二)。
2 認定期限の延長
 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の適用の前提となる地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定期限が、令和4年3月31日まで2年延長された(措法42の11の3①)。
 (以下、次号につづく)

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