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経営・総務2026年10月29日 社長が仕事を任せられないのはなぜ?組織図とOKRで管理職が自走する組織をつくる 執筆者:岩田健一

社長が仕事を任せられない本当の理由

管理職に仕事を任せたいのに、結局は社長が判断しなければ仕事が進まない。そんな悩みを抱えていないでしょうか。
その原因は、社員への信頼が足りないから、あるいは管理職の能力が不足しているから、という理由だけではないかもしれません。そもそも、会社が目指す成果、各部署の役割、責任の範囲、判断してよい基準が明確になっているでしょうか。
社員が自ら考え、判断して動ける組織をつくるには、任せる勇気だけでなく、任せられる仕組みを整えることが重要です。

まず組織図で役割と責任範囲を明確にする

最初に取り組みたいのが、組織図の見直しです。組織図は、誰がどの部署を担い、誰に報告するのか、部下の範囲や指示命令系統を明確にするための基盤です。必要に応じて各部署がどのような業務を担当するのかも明文化し、各ポジションがどんな責任を負うのかを明らかにしましょう。
役割が曖昧なままでは、問題が起きるたびに社長が判断したり、部署間で責任を押し付け合ったりすることになりかねません。まずは、組織の構造と各部署の責任範囲を整理することが大切です。

組織図とOKRを連動させる

組織図を整えたら、次はOKRを活用して、組織の役割と目指す成果を結び付けます。
OKRとは、目標(Objective:O)と主要な成果(Key Results:KR)を組み合わせて目標達成を目指す仕組みです。Oは実現したい状態を定性的に示し、KRはその達成度を確認するための具体的で測定可能な成果を示します。
Oは、会社のビジョンそのものではありません。しかし、会社が目指す将来像を目指すため、一定期間内に取り組む具体的な目標へと落とし込むために記述します。
まず全社のOKRを設定し、その実現に貢献するように部署ごとのOKRを設定します。こうすることで、組織図上の各部署とOKRツリー上の目標を対応させ、「どの部署が会社全体のどの成果に貢献するのか」を見えるようにできます。
さらに、KRごとに責任者を定めれば、誰がその成果の実現に責任を持つのかも明確になります。OKRを通じて目標と責任を具体化することは、仕事を任せるための重要な土台となります。

責任だけでなく、権限と判断基準も整える

ただし、KRの責任者を決めただけでは、管理職が自分で判断できるようになるとは限りません。成果への責任と、意思決定の権限は別だからです。
例えば、予算をどこまで執行できるのか、値引きをどの範囲まで認めるのか、どのような場合に社長へ相談・報告するのかを明確にしておきましょう。また、相談すればよいのか、承認を得るまで実行できないのかも区別する必要があります。
併せて、会社が大切にする価値観や判断基準である「バリュー」を共有することも有効です。社員が判断に迷ったときのよりどころがあれば、社長に逐一確認しなくても行動しやすくなります。

管理職の担当人数を見直し、組織づくりを投資と捉える

OKRによる目標設定では、社長が一方的に決めるのではなく、管理職が目標設定に参画することに意味があります。会社全体の目標を理解し、自部署の目標や達成方法を考える過程そのものが、管理職の育成や自主的自立的な行動につながるからです。

この記事を読んだ社長はまず、組織図を見直すことから始めてはいかがでしょうか。組織図の見直しであれば、社長だけでも実行可能です。
なお、組織図を見直す際には、管理職が直接担当する部下の人数にも目を向けましょう。実務上の目安として、直属の部下全員と2週間に1回、1時間程度面談する、と考えたとき、何人までなら十分な時間を確保できるでしょうか。
5~7人程度を一つの目安としつつ、プレイングマネージャーなのか、マネジメントに専念できるのかによっても適切な部下の人数は変わります。部下との対話や育成に必要な時間を確保できるかを考えることが重要です。
組織図の整備やOKRの設定・運用には時間も労力もかかります。しかし、それは社長が現場の細かな判断から離れ、経営や事業の成長に力を注げる組織の土台をつくるための大切な投資です。
まずは自社の組織図を見直し、管理職の役割と担当人数が適切かを確認することから始めてみましょう。

執筆者の毎日ブログはこちら
https://iwata-office.jp/blog/

(2026年10月執筆)

(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)

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執筆者

岩田 健一

組織開発コンサルタント・キャッシュフローコーチ・社会保険労務士(お金と人事のコンサルティング岩田事務所 代表)

略歴・経歴

心理学科卒・信用金庫職員・調剤薬局経理職を経て2014年8月開業。
答えを教えず答えを引き出すコーチングをベースとした社長相談で、納得の経営判断をサポートする。
クライアントの悩みに合わせて相談に応じるため、相談で取り扱うテーマは、経営理念の見直し、目的目標の明確化、事業戦略の整理、責任分担(組織図)の明確化、従業員のキャリアパスの明確化、理想人材像の明確化、サクセッションプラン、人事制度の明確化、部下との関わり方など、多岐にわたる。
必要に応じて組織診断、人材診断、社員研修、ミーティングの進行役なども行う。

「面倒見の良さ」「相手の話を心から聴く力」「難しいことを分かりやすく説明する力」「あれもこれも相談できる知識の広さ」に定評がある。

人生理念
「誠実・他社貢献・自然体」
ミッション
「会社の成長と社員の幸せの両立を実現し、笑顔あふれるつながり作りに貢献する。」
バリュー
「真の悩みに寄り添い、安心を与えるコンサルティング」

保有資格は特定社会保険労務士・CFP・1級FP技能士など多数。

経営に役立つ365日毎日ブログを3500日(9年7か月)以上継続している。
「岩田事務所 毎日ブログ」
https://iwata-office.jp/blog/

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