労働基準2026年01月26日 副業・兼業、スキマバイト時代の「労働時間通算」への疑問?! ~タイミー事件(東京地判令和7年3月27日労経速2593号3頁)を題材に~ 執筆者:大川恒星

これに対し、原告は、被告の提供する本件サービスの内容等に照らせば、被告及びA社は、他の事業主の下での労働について、原告からの申告等を待たずに自ら確認すべき義務があるといえるところ、かかる義務を怠ったのであるから、労基法38条1項による割増賃金の支払義務を免れないなどと主張する。しかし、この点に関して原告が主張する事情等を踏まえても、原告が本件サービスの利用者であることをもって、当然に、A社あるいは被告において、労基法38条1項の規定を念頭に置いて、原告の申告等がない場合にも、自ら、他の事業主の下での労働について原告に確認する義務を負っていたものと解すべき根拠は見出せず、原告の上記主張は採用できない。
(時間計算)
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
(2026年1月執筆)
1原告主張は、「原告は令和5年7月当時、B整骨院と労働契約を締結しており、A社での勤務(7月19日11:45~13:00)の直前に、自宅にてB整骨院の業務を計43時間(7月17日05:00~19日09:00)行ったため、A社での勤務が法定時間外労働の割増賃金の対象となる。」というものである。藤井聖悟「残業代請求事件の実務(上)」判タ1365号4頁には「2暦日に渡って継続勤務が行われる場合は,1勤務として,勤務の全体が始業時刻の属する日の労働と取り扱われる(昭63.1.1基発1号)。したがって,0時を挟んで労務を提供した場合には,通算される。」との記述があり、上記の原告主張は、労基法38条1項について通算説の適用を前提に、0時を挟んだB整骨院での勤務がA社での勤務と通算されることを前提にしているものと思料される。原告主張は、「原告は令和5年7月当時、B整骨院と労働契約を締結しており、A社での勤務(7月19日11:45~13:00)の直前に、自宅にてB整骨院の業務を計43時間(7月17日05:00~19日09:00)行ったため、A社での勤務が法定時間外労働の割増賃金の対象となる。」というものである。藤井聖悟「残業代請求事件の実務(上)」判タ1365号4頁には「2暦日に渡って継続勤務が行われる場合は,1勤務として,勤務の全体が始業時刻の属する日の労働と取り扱われる(昭63.1.1基発1号)。したがって,0時を挟んで労務を提供した場合には,通算される。」との記述があり、上記の原告主張は、労基法38条1項について通算説の適用を前提に、0時を挟んだB整骨院での勤務がA社での勤務と通算されることを前提にしているものと思料される。原告主張は、「原告は令和5年7月当時、B整骨院と労働契約を締結しており、A社での勤務(7月19日11:45~13:00)の直前に、自宅にてB整骨院の業務を計43時間(7月17日05:00~19日09:00)行ったため、A社での勤務が法定時間外労働の割増賃金の対象となる。」というものである。藤井聖悟「残業代請求事件の実務(上)」判タ1365号4頁には「2暦日に渡って継続勤務が行われる場合は,1勤務として,勤務の全体が始業時刻の属する日の労働と取り扱われる(昭63.1.1基発1号)。したがって,0時を挟んで労務を提供した場合には,通算される。」との記述があり、上記の原告主張は、労基法38条1項について通算説の適用を前提に、0時を挟んだB整骨院での勤務がA社での勤務と通算されることを前提にしているものと思料される。原告主張は、「原告は令和5年7月当時、B整骨院と労働契約を締結しており、A社での勤務(7月19日11:45~13:00)の直前に、自宅にてB整骨院の業務を計43時間(7月17日05:00~19日09:00)行ったため、A社での勤務が法定時間外労働の割増賃金の対象となる。」というものである。藤井聖悟「残業代請求事件の実務(上)」判タ1365号4頁には「2暦日に渡って継続勤務が行われる場合は,1勤務として,勤務の全体が始業時刻の属する日の労働と取り扱われる(昭63.1.1基発1号)。したがって,0時を挟んで労務を提供した場合には,通算される。」との記述があり、上記の原告主張は、労基法38条1項について通算説の適用を前提に、0時を挟んだB整骨院での勤務がA社での勤務と通算されることを前提にしているものと思料される。
2本判決の事実認定によれば、原告は、令和5年10月18日、被告に対し、少額訴訟を鹿児島簡易裁判所に提起したところ、被告は、同年12月14日、上記少額訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をし、上記少額訴訟は通常の手続に移行した。また、鹿児島簡易裁判所は、令和6年1月29日付けで、本件を東京地方裁判所に移送した。さらに、原告は、当初、被告に対し、労働基準法114条に基づく付加金請求もしていたものの、令和6年5月23日の第2回口頭弁論期日において、同請求に係る訴えを取り下げた。
3本判決の事実認定によれば、被告は、令和5年10月26日付けで、民法494条1項2号に基づき、原告を被供託者とする、労働契約に基づく賃金1340円の供託を東京法務局に申請し、同月31日に受理された。また、被告は、この供託に際し、供託の原因たる事実として、被告がかかる賃金の支払日である同年8月15日に「被供託者指定の銀行口座に振り込もうとしたが、被供託者から正しい口座情報を得られず振り込みができなかったため、受領することができないので供託する」などと記載した。
4https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000673995.pdf「第3 労働時間の通算」にて「労働者からの申告等がなかった場合には労働時間の通算は要せず、また、労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間が事実と異なっていた場合でも労働者からの申告等により把握した労働時間によって通算していれば足りること(第4の1において同じ。)」、「第4の1」とは「第4 時間外労働の割増賃金の取扱い」「1 割増賃金の支払義務」を指す。
8大器キャリアキャスティングほか1社事件(大阪高判令4・10・14労判1283号44頁)は、本業にかかる使用者は兼業先での就労状況も比較的容易に把握できたのであるから,業務軽減措置を取るべき義務を負っていたとして安全配慮義務違反を肯定した。
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執筆者

大川 恒星おおかわ こうじ
弁護士・ニューヨーク州弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)
略歴・経歴
大阪府出身
私立灘高校、京都大学法学部・法科大学院卒業
2014年12月 司法修習修了(第67期)、弁護士登録(大阪弁護士会)
2015年1月 弁護士法人淀屋橋・山上合同にて執務開始
2020年5月 UCLA School of Law LL.M.卒業
2020年11月~ AKHH法律事務所(ジャカルタ)にて研修(~同年7月)
2021年7月 ニューヨーク州弁護士登録
2022年4月 龍谷大学法学部 非常勤講師(裁判と人権)
2024年4月 アジア・太平洋労働法制研究会委員
(法務省法務総合研究所・公益財団法人国際民商事法センター)
<主な著作>
「Q&A 感染症リスクと企業労務対応」(共編著)ぎょうせい(2020年)
「インドネシア雇用創出オムニバス法の概要と日本企業への影響」旬刊経理情報(2021年4月)
「中小事業者もこれだけは押さえたい!! ハラスメント対策のポイント解説」税理士のための税務特化情報誌「旬刊速報税理」ぎょうせい(2022年7月1日号)
「若手弁護士のための弁護実務入門2」(共著)成文堂(2023年)
「中小事業者のためのフリーランス新法対応ハンドブック」税理士のための税務特化情報誌「旬刊速報税理」ぎょうせい(2024年10月21日号)
「インバウンドビジネス法務Q&A」(共編著)中央経済社(2024年)
「テーマ別『インバウンド法務』の勘どころ 第5回 人事・労務」(共著)「ビジネス法務」中央経済社(2025年10月号)
<主な講演>
・2025年10月 法務省法務総合研究所・公益財団法人国際民商事法センター 主催 「アジア・太平洋法制研究会 第12回国際民商事法シンポジウム 東南アジア4か国の労働法制と実務対応」
・2022年10月 株式会社ぎょうせい 主催 「あなたの会社は大丈夫?!事例で学ぶハラスメント防止~ハラスメントをしない・させないために」
・2021年7月 在大阪インドネシア共和国総領事館主催・ジェトロ大阪本部共催 ウェビナー「インドネシアへの関西企業投資誘致フォーラム ―コロナ禍におけるインドネシアの現状と投資の可能性について」
・2019年2月 全国社会保険労務士会連合会近畿地域協議会・2018年度労務管理研修会「働き方改革関連法の実務的対応」
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