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建設・土木2019年08月28日 特別企画: 建設業者の倒産動向調査(2019 年上半期) 出典:帝国データバンク

2019 年は半期ベースで最少を記録〜 地域で件数に格差、減少傾向に底打ちの様相も 〜

はじめに

2019 年度予算では、公共事業関係費が前年度を 15.6%上回る 6.9 兆円を計上、2018 年度の住 宅着⼯⼾数でも前年度比 0.7%増(国土交通省)と前年度から増加に転じている。災害復興、国土 強靭化計画、東京五輪を契機とした都市部の再開発など、建設業界には追い風が続き、建設業者 の倒産件数(全国)は 2009 年以降、2018 年まで 10 年連続減少し、倒産件数全体の押し下げに大 きく影響を与えている。しかし、底堅い受注動向が見込まれるなかで、人手不足の影響による労 務費・外注費の増加、建材費の上昇などを受け、採算悪化を心配される状況も続いている。
帝国データバンクは、2019 年上半期(1 ⽉〜6 月)に発生した建設業者の倒産を集計・分析し た。

※集計対象は、負債 1000 万円以上、法的整理による倒産

1.件数・負債推移 〜減少トレンド 10 年続く

2019 年上半期(1 ⽉〜6 月)の建設業者の倒産件数は 685 件(前年同期比 4.3%減)となり、3 年連続で前年同期を下回った。2010 年以降、上半期では 2016 年を除き、すべての期で前年同期 を下回っており、年ベースでみても 10 年間にわたって減少トレンドが続いている。また、2019 年 上半期は、2000 年以降の各半期で見ても最少を記録した。
負債総額は、684 億 6300 万円で、前年同期を 9.1%上回った。上半期で前年を上回ったのは、 2013 年上半期(6780 億 4700 万円、前年同期比 291.7%増)以来、6 年ぶり。

2.地域別 〜地域ごとに傾向にバラつき

地域別にみると、「関東」が 228 件(前年同期比 5.1%増)で最多。以下、「近畿」(157 件、前 年同期比 25.2%減)、「中部」(91 件、同 25.4%減)と続いた。また、9 地域中 4 地域で前年同期 を下回った。なかでも「北陸」「中部」「近畿」の 3 地域は前年同期比で 2 ケタの減少。対して、 「中国」「四国」「九州」では、2018 年上半期に半期ベースで過去最少の倒産件数を記録、その反 動もあり増加に転じたものとみられる。この地域においては倒産が底打ちしている可能性がある。 都道府県別に見ると、「東京都」「神奈川県」「福岡県」などで件数の増加が見られた半面、「愛知 県」「大阪府」「埼玉県」では大幅に減少。大都市圏においても傾向にバラつきがみられた。

3.負債規模別 〜負債 1 億円以上は増加基調

負債規模別にみると、「5000 万円未満」が 391 件(前年同期比 7.3%減)で最多。「1 億〜5 億円 未満」(157件、前年同期比 9.8%増)、「5000 万円〜1 億円未満」(114 件、同 14.3%減)と続いた。 1 億円未満の小規模の倒産件数が引き続き減少傾向にあるのに対して、1 億円以上の倒産件数は増 加に転じている。
50 億円以上の大型倒産は発生せず、抑制された傾向が続いているが、2010 年以降負債規模を問 わず続いてきた倒産減少トレンドのなかで、中規模レベルの倒産が底を打ち、増加に転じている。

4.業歴別 〜業歴 10 年未満の倒産は増加

業歴別にみると、「30 年以上」が 197 件(前年同期比 12.8%減)で最多。「20〜30 年未満」(149 件、前年同期比 1.4%増)、「5〜10 年未満」(101 件、同 5.2%増)と続いた。
2015 年までは、すべての業歴で前年を下回る年も見受けられたのに対し、近年は業歴ごとで差 が生じている。2019 年上半期においても、業歴の⻑い企業群の倒産件数は引き続き減少傾向にあ るものの、特に 10 年未満の業歴の浅い企業では倒産件数は増加の兆しをみせている。

5.特定要因による倒産 〜人手不足の影響懸念

建設業における人手不足倒産の推移をみ ると、2019 年上半期は 32 件(前年同期比 77.8%増)となり、3 年連続で前年同期を上 回っている。年間を通しても 2018 年(46 件)を上回り、過去最多になる可能性が高 い。
全業種で人手不足倒産の件数が増加基調 をみせるなか、建設業も人手不足の影響を 色濃く受けており、増加傾向が続いている。

6.まとめ

2019 年上半期の建設業の倒産件数は 685 件。上半期だけではなく、下半期を含めても 2000 年 以降で最少を記録した。国土強靭化計画やオリンピック関連の再開発などが追い風となり、倒産 件数の減少は続いている。しかし、地域別では、「関東」をはじめ 5 地域で増加に転じているほか、 震災復興工事のピークアウトした「東北」でも件数が下げ止まっており、地域ごとのバラつきが 見受けられる。また、負債規模別・業歴別でみても、負債 1 億円以上の企業や、業歴 10 年未満の 企業などで件数が増加している。6 月に発表した「2018 年度主要上場建設会社 58 社の受注・業績 動向調査」においても、上場各社の受注は堅調ながら、利益率が低下している状況が判明。人件費 や建材価格の上昇が要因にあるとみられている。今回の調査においても、建設業の「人手不足倒 産」が、2019 年上半期で 32 件発生。外注費の増加などコストアップにつながる「人手不足」が 深刻な状況にあることを示していよう。
今後も公共事業をはじめ、首都圏の再開発案件など堅調な受注を見通す建設業界だが、倒産件 数の減少は一部で底を打つなど変化の兆しも見られ、下半期の倒産動向が注目される。

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