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金融・証券2019年08月28日 特別企画:東京都内に本店を置く23信用金庫 預金・貸出金調査 出典:帝国データバンク

9 割が預金・積金、貸出金伸ばす~ 23 金庫の平均自己資本比率 5 年連続低下~

はじめに

4 月 1 日に近畿大阪銀行と関西アーバン銀行の合併により「関西みらい銀行」が誕生した。ま た、7 月 10 日には横浜銀行と千葉銀行の業務提携が発表されるなど、依然として地方銀行を中心 に再編機運が高まっている。そうしたなか、信用金庫でも今年に入り、静岡県で「浜松いわた信用 金庫」、「島田掛川信用金庫」、「しずおか焼津信用金庫」が、三重県で「桑名三重信用金庫」が合併 により誕生。中部地域で信金の再編が目立っているなか、東京都の信用金庫については、2006 年 1 月に多摩中央信用金庫と八王子信用金庫、太平信用金庫の 3 金庫が合併し「多摩信用金庫」が発 足したのを最後に合併は行われておらず、今後の動向に注目が集まっている。
帝国データバンクでは、東京都内に本店を置く 23 の信用金庫の、2017 年 3 月末、2018 年 3 月 末、2019 年 3 月末の預金積金残高、貸出金残高、自己資本比率の推移について調査した。

1. 預金積金残高 ~23 金庫合計で 25 兆 2033 億円

2019 年 3 月末時点の 23 金庫の預 金積金残高の合計は 25 兆 2033 億 1700 万円となり、2018 年 3 月末(24 兆 8608 億 600 万円)比で 3425 億 1100 万円増加(1.38%増)した。
23 金庫中 22 金庫(構成比 95.7%) で預金積金を伸ばし、総預金積金残 高の増加が続いている。
2019 年 3 月末時点で、預金積金残 高が 1 兆円を超えているのは、3 兆 6609 億円の「城南」、2 兆 7407 億円の 「多摩」、2 兆 4645 億円の「城北」を はじめ、「西武」「東京東」「巣鴨」「朝 日」「さわやか」「芝」の 9 金庫。
前年に比べて最も預金積金残高の 増加幅が大きかったのは、「西武」 (5.50%増)。以下、「東京」(4.60% 増)、「東京三協」(3.23%増)と続い た。一方でマイナスとなったのは「さ わやか」(0.37%減)のみだった。
各金庫では、改めて関心が高まって いる老後資金など、多様化する利用者 のニーズや資金運用に対応するべく 幅広い預金商品を取り揃えている。少子高齢化の進行といった社会の変化を踏まえ、高齢者や子 育て世代向け商品を拡充している。増加率トップとなった「西武」は、50 周年キャンペーンとし て金利を上げたことが預金高の増加に寄与した。

2. 貸出金残高 ~23 金庫合計で 14 兆 9 億円

2019 年 3 月末時点の 23 金庫の貸出 金残高の合計は 14 兆 9 億 2800 万円と なり、2018 年 3 月末(13 兆 7463 億 8500 万円)比で 2545 億 4300 万円増加 (1.85%増)した。
23 金庫中 21 金庫(構成比 91.3%) で貸出金残高を伸ばした。個人向け融 資に積極的に取り組んでいることなど が貸出金の増加につながっているもの の、前期比で 1.85%増(前年は 4.1% 増)と伸びは鈍化した。
貸出金残高が 1 兆円を超えているの は、2 兆 1972 億円の「城南」、1 兆 6642 億円の「西武」、1 兆 2109 億円の「城 北」、1 兆 787 億円の「朝日」、1 兆 720 億円の「多摩」、1 兆 36 億円の「東京 東」の 6 金庫。「朝日」が前期比 5.01% 増となり「多摩」を上回った。また、 「東京東」が 1 兆円超えとなった。
前期比 2 ケタの伸びを記録した信金 はなく、最も増加率が大きかったの は、「青梅」(5.71%増)。以下、「亀有」 (5.31%増)、「東京」(5.30%増)が続 いた。投資用不動産向け融資問題のあ った「西武」は、前期比 0.14%増とこ れまでの増加傾向(2017 年 3 月末= 15.76%増、2018 年 3 月末=14.84%増)が鈍化。一方、増加率マイナスとなったのは「西京」(2.54% 減)、「昭和」(1.82%減)の 2 金庫。

3.自己資本比率 ~平均 9.58%と 2 年連続の 10%割れ

23 金庫の平均自己資本比率を見る と、2017 年 3 月末 10.04%→2018 年 3 月末 9.83%→2019 年 3 月末 9.58% と 2 年連続で 10%を割り、依然とし て右肩下がりの推移となった。また、 5 年前の 2014 年 3 月末(10.53%)と 比較すると約 1 ポイント減少してい る。
2019 年 3 月末時点で 23 金庫中、 最も自己資本比率が高かったのは 「亀有」で 16.59%。次いで「東栄」 で 11.76%、「芝」で 10.89%となり、 自己資本比率が 10%を上回っている のは 23 金庫中 7 金庫だった。
前期比で最も増加率が大きかった のは「西武」(0.35 ポイント増)。そ のほか増加したのは「目黒」「昭和」 「西京」「足立成和」「東京」「東京シ ティ」で 7 金庫にとどまった。
自己資本比率は全 23 金庫で国内基 準の 4%を上回ったものの、低金利政 策が長期化するなか、経営の健全性 確保に苦慮している様子がうかがえ る。

4.貸倒引当金

23 金庫の貸倒引当金合計を見ると、2018 年 3 月末 658 億 1000 万円→2019 年 3 月末 700 億 6400 万円と 42 億 5400 万円増加して いる。2019 年 3 月末時点で 23 金庫中 11 金 庫が前期比増加、同 12 金庫が減少した。
前期比で最も増加したのが「西武」の 46 億 8500 万円増。以下、「多摩」の 7 億 9500 万円、「朝日」の 5 億 6200 万円と続くが、 23 信金の増加額を「西武」の 1 信金が上回 っていることからも「西武」が際立つ結果と なった。一方で前期比最も減少したのが「東 京シティ」の 12 億 2000 万円減。以下、「昭 和」の 6 億 4200 万円、「さわやか」の 4 億 3500 万円と続いた。

5.まとめ

信用金庫は、主な取引先が営業エリアの中小企業や個人事業者、地域住民であり、地域経済を 支える役割を果たしている。大手行・地銀・第二地銀(主要 111 行)の 2018 年 3 月末→2019 年 3 月 末の総貸出金の増加率は 5.0%(帝国データバンク:国内主要 111 行の預金・貸出金等実態調査) に対し東京都内に本店を置く 23 信用金庫の総貸出金残高は、23 金庫中 21 金庫で貸出金残高を伸 ばしたものの、貸出金合計の増加率は 1.85%と主要 111 行平均を大きく下回った。
中小企業金融円滑化法が終了した 6 年前の 2013 年 3 月末では、前年比で貸出金残高を伸ばした 金庫が 21 金庫中 8 金庫にとどまっていたことを鑑みると、東京都における資金需要は依然として 旺盛であるとみられる。一方、近年活況であった不動産業界への融資については近時の不正融資 問題に端を発し、見直しを検討するケースも増えてきている。ここ数年大きな伸びを見せてきた 西武信用金庫は、金融庁から業務改善命令を受け投資用不動産への融資方針を見直すとされ、来 年末の貸出金動向に影響を与えそうだ。
金融庁は今年 4 月に早期警戒制度の見直しを中心とする中小・地域金融機関向けの総合的な監 督指針の改正案を公表。従来の不良債権問題を念頭にした自己資本比率による健全性重視の方針 から、将来の収益性を重視する方針へと転換し、地域金融機関への監視を強化する。都内信用金 庫においては、2019 年 3 月末で自己資本比率 9.58 と 5 年連続で低下しているが、今回の方針転 換によりさらなる低下も予想され、貸出金および預金積金と併せて動向が注目される。

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