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民事2020年03月19日 売主の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を定める場合 契約書リーガルチェックのポイント-事例でみるトラブル条項例- 編集者:秦周平 仲晃一 山中俊郎
執筆者:奥山隆輔 北野了考 田尾賢太 塚元健 秦周平 髭野淳平 吉田将樹 田中勲 仲晃一 山中俊郎


条 項 例
(瑕疵担保責任)
第◯条 乙は、本件目的物に瑕疵があった場合、甲に対して損害賠償請求をすることができる。
<問題点>
① 民法改正後では、契約不適合責任として記載すべきである。
② 契約不適合責任の対象又は対象外となる具体的内容が一切記載されていない。

改 善 例
① 契約不適合責任を定める場合
(契約不適合責任)
第◯条 乙は、本件目的物が契約内容に適合しない場合(ただし、次条に定める事由は除く。)、適合しないことを知った時から1年以内に甲にその旨通知し、かつ相当の期間を定めて履行の追完を催告した場合に限り、履行の追完を請求することができる。
2 前項の催告にもかかわらず、乙が定めた期間に甲が追完しない場合、乙は、甲に対し不適合の内容に応じた代金の減額を請求できる。
3 本条の規定は、乙による損害賠償請求又は解除を妨げない。
② 契約不適合責任を免除する場合
(契約不適合責任)
第◯条 甲は乙に対し、以下に定める事由〔特性の例示列挙〕を含む一切の契約不適合責任を負わないものとし、乙は甲に対し、本件目的物が契約に不適合であることを理由として売買代金の減額、追完、解除又は損害賠償請求をすることができない。
(以下略)
解 説
1 契約不適合責任の考え方
 改正後民法では、いわゆる特定物ドグマを否定し、瑕疵担保責任を債務不履行責任の特則と位置付けており、従来の「瑕疵」という文言を使用せず「契約の内容に適合しないもの」と規定しました(もっとも、従来の「瑕疵」の概念を積極的に変更する趣旨ではないと解されています。)。したがって、契約書においても契約不適合責任という文言を使用することが望ましいといえます。
 契約内容に適合するか否かは、契約当事者の合意内容、合理的意思解釈から判断されるので、品質・性能・数量等を契約書において細かく定めておくことが、売主の責任の範囲を明確化し、紛争予防につながります。
2 契約不適合責任の免除条項
 不動産と動産とにかかわらず、特定物を現状有姿で引き渡す場合、売主の契約不適合責任を免除する旨の条項を入れておくことがあります。従来の瑕疵担保責任は任意規定であり、免除条項そのものは有効と考えられているため、売主にとって同条項を定めておく必要性は高いといえるでしょう。特定物のリスクを承知で売買契約締結に至るケースでは、買主の合意を得ることも可能と思われます。ただし、売主が当該不適合を知りながら告げなかった場合は責任を免れないので注意が必要です(民572)。
 一切の契約不適合責任を免除することが難しいケースであっても、契約締結時点で判明している目的物の特性及び不具合等について契約書に記載し、当該項目については契約不適合責任を免除する旨規定することも可能です。

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