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民事2020年03月25日 期間の定めのある建物賃貸借において中途解約に伴う違約金条項の効力が問題となる場合 契約書リーガルチェックのポイント-事例でみるトラブル条項例- 編集者:秦周平 仲晃一 山中俊郎
執筆者:奥山隆輔 北野了考 田尾賢太 塚元健 秦周平 髭野淳平 吉田将樹 田中勲 仲晃一 山中俊郎


条 項 例
(期間内解約)
第◯条 賃借人は、賃貸借期間満了前に本契約を解約する場合、 期間満了日までの賃料相当額を違約金として支払う。
<問題点>
① 中途解約に伴う違約金条項の定めが有効ではない場合がある。
② 認められる違約金の範囲が不明確である。

改 善 例
(期間内解約)
第◯条 賃借人は、賃貸借期間満了前に本契約を解約する場合、◯か月分(なお、残存期間がこれより短い場合は当期間分)の賃料相当額を違約金として支払う。
解 説
1 中途解約に伴う違約金条項を定める必要性
 期間の定めのある賃貸借契約では、中途解約を認める条項がない限り、賃借人は当然に中途解約できるわけではありません。賃借人による中途解約を認める場合、賃貸人としては、次の賃借人が入居するまで賃料収入を得られず、また、募集時期によっては、賃料値下げを余儀なくされる場合もあるため、そういった場合の損害を填補する目的で違約金条項(例えば、一定期間分の賃料相当額を違約金として支払うことを条件に中途解約を認める)を設けることがあり、合意ある以上、当該条項自体は有効といえます。
2 公序良俗に反し無効とされる場合
 もっとも、違約金条項の趣旨が上記のとおりであるため、新たな賃借人の確保が困難とはいえないといった場合にまで、高額の違約金請求を可能とする条項は、賃借人に著しく不利で、解約の自由を極端に制約するという理由から、一定の範囲で公序良俗(民90)に反し無効と判断される可能性があります(後記トラブル例)。賃貸人が事業者で、賃借人が消費者に当たる場合は、消費者契約法9条や10条も問題となり得ます。
3 有効と認められる範囲
 違約金の額がどの程度までなら有効と認められるかに関しては、前記の賃借人が消費者か事業者か、契約締結に至るまでの交渉経過(例えば、賃貸人による建物建設費用回収のため違約金条項が定められたことを賃借人が十分認識していれば、有効となりやすい)のほか、建物の用途や仕様等を考慮(例えば、特殊な用途や仕様の建物であれば、新たな賃借人を確保し難い)の上、新たな賃借人を確保するのに必要な合理的期間の賃料相当額に見合う違約金額といえるかどうかが判断基準となるでしょう。
トラブル例
◯期間の定めのある賃貸借契約において、中途解約した場合の違約金条項が賃借人に著しく不利として、公序良俗違反を理由に一部無効とされた事例(東京地判平8・8・22判タ933・155)

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