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経営・総務2019年12月06日 TDB 景気動向調査(全国) ― 2019 年 11 月調査 ― 出典:帝国データバンク

悪化が続く製造業、国内景気を下押し
~今後は個人消費の動向がカギに ~

(調査対象 2 万 3,678 社、有効回答 1 万 46 社、回答率 42.4%、調査開始 2002 年 5 月)
調査結果のポイント
1.2019 年 11 月の景気 DI は前月比 0.3 ポイント減の 43.6 となり、2 カ月連続で悪 化した。製造業の悪化が関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続 き、国内景気は後退局面入りした可能性がある。今後の国内景気は、個人消費の 動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感が一層強まっている。
2.10 業界中、『製造』『卸売』『小売』『サービス』など5 業界が悪化、5 業界が改善 した。自動車や機械関連の低迷で『製造』の悪化が継続したうえ、『小売』は消費 税率引き上げが影響し2 カ月連続で悪化した。
2.10 業界中、『製造』『卸売』『小売』『サービス』など5 業界が悪化、5 業界が改善 した。自動車や機械関連の低迷で『製造』の悪化が継続したうえ、『小売』は消費 税率引き上げが影響し2 カ月連続で悪化した。
< 2019 年11 月の動向 : 後退局面入りの可能性 >
2019 年11 月の景気DI は前月比0.3 ポイント減の43.6 となり、2 カ月連続で悪化した。
11 月の国内景気は、外需および内需が低迷するなかで自動車の販売量や産業機械の出荷 量が減少したことを背景に、製造業で景況感の悪化が続き、関連する業種にもマイナスの 影響を及ぼした。加えて、消費税率引き上げにともなう駆け込みの反動減が継続し、耐久 財を中心に小売業などの景況感悪化につながった。民間設備や住宅への投資意欲減退も響 いたほか、人件費や輸送費の高値推移が重くのしかかった。他方、災害復旧や防災・減災 を目的とした公共工事の増加、日経平均株価の上昇と円安基調は好材料となった。
製造業の悪化が関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続き、国内景気は 後退局面入りした可能性がある。
今後の見通し : 下振れ材料多く、不透明感が一層強まる >
今後の国内景気は、消費税率の引き上げなどを受けて落ち込んだ消費の行方に左右され る。貿易摩擦の激化などを背景に世界経済が減速するなか、輸出の低迷に加え、先行き不 透明感から設備投資意欲は減退すると予想される。さらに人手不足や原材料高などが招く コスト負担も引き続き悪材料となろう。米中貿易摩擦や日韓関係、世界的な金融緩和政策 が及ぼす影響についても、動向を注視していく必要がある。一方で、公的支出が景気を下 支えするほか、東京五輪に向けた消費マインドの高まりはプラス要因になると見込まれる。
今後の国内景気は、個人消費の動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感 が一層強まっている。
業界別:製造業は 7 カ月連続で悪化、景気 DI が 6 年 7 カ月ぶりの 30 台に
・10 業界中 5 業界が悪化、5 業界が改善した。自動車や機械関連の低迷で『製造』の悪化が 継続したうえ、『小売』は消費税率引き上げが影響し2 カ月連続で悪化した。
『製造』(39.6)…前月比 0.7 ポイント減。2008 年 9 月以来 11 年 2 カ月ぶりに 7 カ月連 続で悪化した。また前年同月比では 10.4 ポイント減少し、10 年 4 カ月ぶりに前年同月を 10 ポイント以上下回った。「輸送用機械・器具製造」(前月比 2.3 ポイント減)は、世界的 に自動車販売台数が減少するなか、自動車関連の輸出減少基調が続いたことで装置製造の 景況感が悪化した。工作機械受注の落ち込みが響いた「機械製造」(同0.9 ポイント減)や、 機械関連の生産および在庫調整がマイナスに影響した「鉄鋼・非鉄・鉱業」(同1.7 ポイン ト減)は、ともに 7 カ月連続で悪化。『製造』は 12 業種中 8 業種が悪化し、景気 DI が 6 年 7 カ月ぶりに 40 を下回った。
『卸売』(39.3)…同 0.6 ポイント減。2 カ月連続で悪化。「再生資源卸売」(同 5.8 ポイン ト減)は、中国の環境規制により古紙の輸出価格が落ち込んだことや、海外の鉄スクラッ プ価格が低下傾向にあることが響いた。「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(同 1.7 ポイ ント減)は、家具・建具や木材・竹材卸売で、駆け込み需要の反動減や住宅投資の減退が 響いた。製造業など取引先の出荷減少が需要低迷を招いた「化学品卸売」(同0.6 ポイント 減)など、『卸売』は 9 業種中 8 業種が悪化した。
『小売』(36.1)…同 0.9 ポイント減。2 カ月連続で悪化。消費税率の引き上げなどを受け て落ち込んだ 10 月から悪化幅は縮小したものの、耐久財や高額品で駆け込み需要の反動 減が続いた。「自動車・同部品小売」(同 3.1 ポイント減)は新車と中古車がともに悪化し たほか、「家具類小売」(同 6.4 ポイント減)や「家電・情報機器小売」(同 2.0 ポイント減) は住宅着工戸数の減少傾向も悪材料となった。スーパーのほか「飲食料品小売」(同 0.3 ポ イント減)も悪化し、実質所得減少による消費者の買い控えに直面する企業の声が広く寄 せられた。『小売』は 9 業種中 6 業種が悪化した。
『サービス』(50.4)…同 0.2 ポイント減。2 カ月連続で悪化。「人材派遣・紹介」(同 2.4 ポイント減)は、労働者派遣で製造業向け需要の低迷がマイナスの影響を及ぼした。ビル メンテナンスにおいて最低賃金の上昇や人員確保が重荷となったうえ、機械修理で製造業 の設備稼働率の低下が響いた「メンテナンス・警備・検査」(同 1.8 ポイント減)など、『サ ービス』は 15 業種中 7 業種が悪化した。他方、「飲食店」(同 2.1 ポイント増)は大きく落 ち込んだ前月から売り上げが一部持ち直したほか、「情報サービス」(同 0.4 ポイント増) は省力化やOS 切り替えといった旺盛な需要が追い風となった。
規模別:全規模が 2 カ月連続で悪化、小規模メーカーの落ち込み目立つ
・「大企業」「中小企業」「小規模企業」が 2 カ月連続でそろって悪化した。消費税率引き上げ の影響が残るなか、海外経済の弱含みによる輸出の低迷で小規模メーカーが落ち込んだ。
「大企業」(47.0)…前月比 0.1 ポイント減。2 カ月連続で悪化。『小売』は消費税率引き上 げの影響が続き、家具類や貴金属製品なども含め 2 カ月連続で悪化した。他方、貸し会議 室の稼働が好調な『不動産』や販売単価の上昇などを受けた『運輸・倉庫』は改善した。
「中小企業」(42.8)…同0.4 ポイント減。2 カ月連続で悪化。自動車関連の減速が響いた ことで非鉄金属や機械器具などを含む『卸売』が大きく悪化。景況感を「悪い」と考える 企業の割合が前年同月比 16.2 ポイント増の 46.0%となっており、厳しさが目立ってきた。
「小規模企業」(43.5)…同 0.4 ポイント減。2 カ月連続で悪化。輸出が減少傾向にあるな か、機械類などの小規模部品メーカーを中心に『製造』が3 年 6 カ月ぶりとなる水準に落 ち込んだ。また、台風の影響が残る飲食料品卸売なども低迷した。
地域別:海外経済の停滞や設備投資意欲の減退などが地域経済を下押し
・『北海道』『北陸』『東海』など 10 地域中 7 地域が悪化、『東北』『九州』が改善、『南関東』 が横ばいとなった。中国など海外経済の停滞や設備投資意欲の減退などが域内部品メーカ ーに影響したほか、資材価格の上昇や低調な住宅関連が景況感を下押しした。
『北海道』(45.0)…前月比 0.7 ポイント減。2 カ月連続で悪化。スルメイカなどの漁獲量 が記録的不漁となるなど、『農・林・水産』の景況感が大幅に悪化した。また低調な『製造』 に加えて、資材単価の上昇や設備投資意欲の減退などは、『建設』の下押し要因となった。
『北陸』(40.4)…同 1.7 ポイント減。3 カ月連続で悪化。中国など海外経済の停滞で域内 の建設機械・工作機械部品メーカーなど『製造』が大きく悪化。特に「中小企業」は 10 地 域で最大の悪化幅となり 3 年 1 カ月ぶりの 30 台に落ち込んだ。
『東海』(42.7)…同0.9 ポイント減。2 カ月連続で悪化。低調な住宅関連で『建設』が大 きく悪化したほか、『製造』は 6 年 8 カ月ぶりの 30 台となった。特に「愛知」(同 1.6 ポイ ント減)は自動車業界の悪化などが響き、『東海』全体を0.81 ポイント下押しした。
2.調査事項
・景況感(現在)および先行きに対する見通し
・経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時 間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について
3.調査時期・方法
2019 年11 月18 日~11 月30 日(インターネット調査)
景気動向指数(景気 DI)について
■TDB 景気動向調査の目的および調査項目
全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調 査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目に ついて全国2 万3 千社以上を対象に実施している月次統計調査(ビジネス・サーベイ)である。
■調査先企業の選定
全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。
■DI 算出方法
DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による 7 段階の判断に、それぞ れ以下の点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している。
景気 DI は、50 を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50 が判断の 分かれ目となる(小数点第2 位を四捨五入)。また、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っ ておらず、「1 社1 票」で算出している。
■企業規模区分
企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に中 小企業基本法に準拠し、全国売上高ランキングデータを加え下記の通り区分している。
■景気予測 DI
景気 DI の先行きを予測する指標。ARIMA モデルに、経済統計や TDB 景気動向調査の 「売り上げ DI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通し DI」などを加えた structural ARIMA モデ ルで分析し、景気予測DI を算出している。

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