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企業法務2022年03月03日 同友会で学ぶ「人間尊重経営」と自社の成長 2030年、人権を実現できるビジネスをめざす ~ビジネスと人権に関する国連指導原則 そしてSDGsを追い風に~ 執筆者:加藤昌之

同友会の学びと気づき

創業してしばらくすると不動産バブル、その追い風で経営は絶好調でした。そんな中で同友会に入会し経営者にとって都合の良い経営指針書を基に本社ビル建設。建設中にバブル崩壊、創業以来の社員は見限って退社を申し入れてきました。今から思えば当時同友会では真面目に学んではいなかった。社員が退社するまでの1年間は社員達と多くの議論をしました。その時に同友会理念が少しずつ解ってきました。

現実との葛藤の中に未来を描く

それでもまだ経営者の甘えがあります。「建築設計事務所は徒弟制度的なところがあるから労働条件や給与面で世間より悪いのはしょうがない」という誤った考えが根っこにありました。そこが見限られた本質だと思います。「社員は対等なパートナー」と口で言ってもすべては見透かされます。経営環境はバブル崩壊で仕事は半減、採算の合わない仕事の山、薄利多売で社員の神経や体力がすり減っていきます。そんな状況においても社員に明確な未来ビジョンを示すことができませんでした。

生きることの本質を求める

それを見ていた仲間から地区例会で報告することを勧められました。素直に報告すると先輩会員から辛辣な意見を言われ、初めて目が覚めた思いでした。「君の会社の社会での存在価値はなんですか?」「社員の労働条件や労働環境はいつ改善されるのですか?」全く答えられませんでした。社員の働く喜びは他人や社会から期待され感謝されて、それに報われる報酬をいただくこと。その上、社員や家族の暮らしを豊かに支え、人間らしく営める人生を求めている。これは我々だけでなく、社会全体が他者を敬い尊重できる人間の関係性ができることこそが世界が求めていることだと思います。同友会の理念と創業の歴史がそれを表しています。

経営者の社会的使命

今こそ経営者への期待は高い。社会は常に大きく変貌していきます。いかなる経営環境においても会社を維持発展させることは経営者の使命です。社員とともに社会の激変に柔軟に対応し、会社の成長と共に地域の発展を担う中小企業への期待は大きい。「人間尊重経営」は他から与えられたり強いられたりするものではありません。内発的に湧き上がる思いをビジョンの中に展開し社会への使命感として推進されるものだと思っています。

我が社の未来

S D Gsは2030年の企業目標です。我が社にも10年ビジョンがあります。建築を通じて地球環境と人間の健康を追求することと、地域で一番働きやすい設計事務所を目指すことです。我が社は目指す企業像と共に付加価値が上がり利益も出る様になりました。それを社員や地域に還元すると同時に自社の更なる成長の源泉としています。自社の明るい未来は同友会理念の実践と共に確かなものとなっていきます。

(2022年1月執筆)

執筆者

加藤 昌之かとう まさゆき

㈱加藤設計 代表取締役

略歴・経歴

1954年01月    愛知県生まれ
1976年03月    愛知工業大学工学部建築学科卒業
1976年04月~1985年4月  玉岡設計に勤務
1985年07月    1級建築士事務所 加藤建築設計室 開設 所長
1990年08月    株式会社 加藤設計 設立 代表取締役
現在に至る

同友会の会歴
1989年09月    愛知中小企業家同友会入会
1997年    愛知同友会千種地区地区会長
2003年~2008年  愛知同友会広報部委員長(理事)(6年間)
2009年~2019年  中同協広報委員長(常任理事)(11年間)
2011年~2015年  愛知中小企業家同友会副代表理事(5年間)
2016年~2020年  愛知中小企業家同友会財務部長(理事)(5年間)
2021年    愛知中小企業家同友会代表理事
現在に至る

その他社外役職
2014年06月    (公社)愛知建築士会 副会長(8年間)
現在に至る

㈱加藤設計について
1990年08月  ㈱加藤設計として設立
資本金    1,000万円
従業員数   24名
売上高    3.6億円
事業内容   1級建築士事務所・宅地建物取引業
住所     〒461-0014 名古屋市東区橦木町3-58 ℡052-931-6671
(2022.2.10現在)

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