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企業法務2022年09月09日 育児・介護休業法の10月1日施行に伴う各企業での対応について 執筆者:大神令子

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)及び雇用保険法が令和3年6月に改正され、令和4年4月及び10月(一部令和5年4月)に施行されることとなります。
今回は、10月1日からの施行について、企業として対応しておかなければならないことについて、ご説明いたします。

1.改正点

改正の内容につきまして、再掲いたします。
① 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組み『産後パパ育休』の創設
② 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
③ 育児休業の分割取得が可能に
④ 育児休業の取得の状況の公表の義務付け
⑤ 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
⑥ 育児休業給付に関する所要の規定の整備(雇用保険)
このうち、②と⑤が4月1日から、①、③、⑥が10月1日から施行されます。④については令和5年4月1日から施行ですが、従業員数が1000人を超える企業が対象です。
10月1日の施行まであまり時間がありませんが、実際に新しい育休制度が稼働するのが10月1日からですので、社内規定などの対応ができているかどうか、再度チェックなさってください。

2.10月1日施行への対応

① 『産後パパ育休』の創設
『産後パパ育休(出生時育児休業)』は、今までの出生した子の母親が産後休暇を取得する期間に子の父親である男性が取得できた「パパ休暇」を廃止して創設されたものです。産後8週間の間に4週間の休暇が取得できます。この「産後パパ育休」は二分割で取得することも可能です。また、本人が希望する場合は「産後パパ育休」の間に勤務をしていただくこともできることになっています。

「パパ休暇」を廃止したと言っても、本来の育休が取得できなくなるわけではありません。今までの育休にプラスして、より育休を取得しやすくするためにできた制度とお考えいただいて良いと思います。この「産後パパ育休」が出来たことによって、よりこまめな休暇の取得ができるようになりますので、労使共に上手く活用されることが望ましいと思います。

「産後パパ育休」に対応するためには、就業規則(育児・介護休業規程)を改定する必要があります。その改定を10月1日までにしなければならないことになりますので、対応が取れているかどうか御確認ください。育児・介護休業規程や労使協定等の雛形は厚生労働省のwebサイトにあります(https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000685056.pdf)。御参考になさってください。

「産後パパ育休」の取得の申出は、原則として休暇の2週間前までとなっています。今までの育休の1か月前までの申出より短期間ですので、休暇が滞りなく取得できるように御配慮ください。

「産後パパ育休」は4週間となっていますが、元々各社でこの時期の育休を独自に策定している場合は、それと合算しても問題はありません。

二分割が可能となっていますので、まとめて4週間の休暇を取られても良いですが、例えば子の母親である配偶者が退院する時期に2週間取得し、産後休暇から育休に移行する前に2週間取得するということも可能です。但し、「産後パパ育休」の取得の申出の時に、どのような期間の取得になるのかの指定が必要で、分割取得する場合は、取得申出の時に分割取得することも申し出しておく必要があります。これについては、雛形の「育児休業申出書」に書式がありますので、御確認ください。

「産後パパ育休」取得中に出勤させる場合は、労使協定が必要となります。休暇中の出勤は、あくまでも本人が希望し事前に出勤について申出があった場合に可能なことですので、前日や当日になって「明日(今日)は忙しいので出勤してください」ということは出来ません。事前に、本人から「就業可能日」として申出があった日のうち、事業主側が就業を希望する日と時間を提示し、本人が同意した場合に就業(出勤)可能となりますので、お間違いのないように御注意ください。

② 育児休業の分割取得
今までの育児休業は、「パパ育休」を取得した場合を除き、一度復帰してしまうと再度取得することができませんでした。しかし、より柔軟な形で育休を利用できるように、2回に分割して取得が可能となります。これによって、出生した子の両親が交代で育休を取得することが行いやすくなりますので、労使共に育休の取得がより容易になるのではないかと思います。
また、今までは1歳到達時、1歳半到達時の休暇の延長については、延長の最初から取得することしかできませんでしたが、途中からの取得も可能となります。この場合も、出生した子の父母が交替で育休を取得することが行いやすくなり、労使共に育休の取得が行いやすくなるのではないかと思います。

育児休業の分割については、「産後パパ育休」とは違って、最初の「育児休業申出書」で分割取得することの指定をする必要はありません。育児休業の申出から後、分割が必要となった時に申し出するのでも良いことになっています。会社としては滞りなく対応できるよう、配慮する必要がありますので、御注意ください。

③ 育児休業給付(雇用保険)に関わる規程の整備
育児休業給付そのものについては今までと変わりありませんが、上記の変更に伴って、育児・介護休業規則を改定し、育児休業申出書等の書式を整える必要があります。特に「育児休業申出書」等の社内文書の書式については厚生労働省の雛形を御参照いただき、給付金が適正に支給されるように整備なさってください。

なお、両立支援等助成金として、育児休業等が取得しやすくなるように整備等をした場合の助成金もありますので、必要な場合は御利用を御検討ください。

(2022年8月執筆)

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執筆者

大神 令子おおがみ れいこ

社会保険労務士

略歴・経歴

大神令子社会保険労務士事務所代表

2000年(平成12年)12月 社会保険労務士試験 合格
2001年(平成13年) 2月 大阪府社会保険労務士会 登録
2002年(平成14年) 4月 大阪府内社会保険事務所にて 社会保険相談指導員
2006年(平成18年)12月 大神令子社会保険労務士事務所設立

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