一般2021年09月01日 アンチ・ドーピングについてJADA規程に準拠しない競技団体とその課題 一般社団法人日本スポーツ法支援・研究センターからの便り 執筆者:長谷川佳英

1 「JBCの管轄のもとでおこなわれる試合に出場するボクサーは、リングにおける自らの能力を増強もしくは減衰させる麻薬、薬剤、薬物を摂取しもしくは身体に塗布してはならない。」(https://www.jbc.or.jp/info/jbc_rulebook_excerpt.pdf)
2 https://www.jbc.or.jp/rls/2021/0520.pdf
3 https://boxingnews.jp/news/83424/
https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/05/19/kiji/20210519s00021000415000c.html 等
4 本記事の執筆時点で最新のJADA規程は、2021年1月1日発効のものです
(https://www.playtruejapan.org/entry_img/jadacode2021.pdf)。
5 浦川道太郎ほか編『標準テキスト スポーツ法学(第3版)』211頁(2020年)、スポーツ問題研究会編『Q&Aスポーツの法律問題〔第4版〕』229頁(2018年)。
6 ほかには、例えば、プロ野球を統括する一般社団法人日本野球機構(NPB)も、その団体のひとつです。
7 前掲脚注2のURL。
8 前掲脚注2のURL。
9 一部の報道では、「答申書では、ドーピング規定の見直しなどの提言もまとめられており」と指摘されています
(https://news.yahoo.co.jp/articles/c28635b1bf52796476c6d630ca7c9a0acc008f3c)。
10 白井久明ほか「日本の競技団体のドーピング防止規程の現状と課題」日本スポーツ法学会年報17号222頁以下(2010年)は、次のように指摘しています。「JADA規程に準拠することとなると、『禁止薬物等の使用等』の違反の場合、1回目の違反で2年間の資格停止処分(第10.2項)、同じ違反行為について2回目の違反で8年間から永久の資格停止処分(第10.7項)という制裁措置が科されることとなる。しかし、その競技を行うことで生活しているプロ選手としては、このような制裁措置が科されると、生活の手段が事実上奪われることとなってしまうため、プロ選手を抱える競技団体がJADAに準拠せずに、独自のドーピング防止規程を設け、独自の制裁を行おうとすることにも理由がある。」。
(2021年8月執筆)
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執筆者

長谷川 佳英はせがわ けえ
弁護士(横木増井法律事務所)
略歴・経歴
2012年 東京大学法学部卒業
2014年 東京大学法科大学院修了
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構 仲裁人・調停人候補者
著書
『公認スタートコーチ(スポーツ少年団)専門科目テキスト』(共著)公益財団法人日本スポーツ協会(2020年4月)
『パワーハラスメント実務大全』(共著)株式会社日本法令(2021年4月)など
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