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契約2020年02月10日 消費貸借で同種・同等のものを返還し得なくなった場合の価額償還の算定時期はいつか 編著:川合善明
 著:木村美隆 佐久間豊 瀧田博 中島美砂子 坂本慎二 藤縄雅啓


 消費貸借で同種・同等のものを返還し得なくなった場合の価額償還の算定時期はいつか
 物の返還が不能となった時
解 説
 消費貸借の借主は同種・同等・同量の物を返還すれば足り(民587①)、それが履行不能となることは通常考えられません。ただし、返還時期に同種・同等の物が存在しなくなったり、流通が禁止されたりする場合もあり得ないわけではありません。もしそのような事態になれば、借主の返還義務は履行不能により消滅するはずですが、他方で借主は目的物を消費し利益を得ているわけですから、返還義務が消滅することにより借主はかえって不当な利益を得てしまいます。そこで民法は、このような場合には、物の返還に代えて価額で貸主に償還すべきものとしました(民592)。
 価額を算定する時期は、本来であれば返還時期となるはずですが、その時期に物がない以上価額の算定は困難であり、非常な高額になっているおそれもあります。そこで民法は、最後の市場価格である履行不能時の価額により算定するとしています(民592本文)。
 なお、金銭の消費貸借において特殊の通貨で返還する約束がある場合で、その通貨が強制通用力を失ったときは、他の通貨で返還すべきものとされています(民592ただし書・402②)。

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