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一般2020年04月10日 特別企画:新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月) 出典:帝国データバンク

新型コロナウイルス、企業の80.3%で「業績にマイナス」
~幅広い業種で脅威となるも、一部業種では業績にプラスの影響も~

はじめに
 世界的に猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症。2020年3月11日、WHO(世界保健機関)は、世界的な流行を意味する「パンデミック」にあたると宣言した。日本でも国民生活だけでなく、企業の経済活動に大きな影響を及ぼしている。政府は、資金繰り支援やテレワークなどの経営環境の整備支援、雇用の維持を図るための助成金の給付など、様々な対策を進めている。しかしながら、早期終息の糸口も掴めておらず、いまだ予断を許さない状況である。
 そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年3月調査とともに行った。
※調査期間は2020年3月17日~31日、調査対象は全国2万3,676社で、有効回答企業数は1万1,330社(回答率47.9%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月に続き、今回で2回目
※本調査の詳細なデータは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果(要旨)
1.新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は80.3%。内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」が46.5%、「今後マイナスの影響がある」が33.8%となった。「影響はない」とする企業は9.0%だった一方で、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)と見込む企業は2.1%にとどまった
2.規模別にみると、企業の大小問わず約8割の企業で『マイナスの影響がある』と見込んでいた。同様に、日別にみると、概ね8割程度で推移しているが、首都圏を中心に行われた週末の不要不急の外出自粛を経て、3月31日にはピークとなる84.4%にのぼった
3.『マイナスの影響がある』と見込む企業を業種別にみると、「家具類小売」が100.0%で最も高い。以下、「飲食店」(98.2%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(97.0%)、「旅館・ホテル」(96.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(96.6%)が9割台後半で続く。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が20.4%で最も高かった
1.企業の8割でマイナスの影響を見込む、先月よりさらに悪影響を実感
 新型コロナウイルス感染症により自社の業績にどのような影響があるか尋ねたところ、『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込む企業は80.3%と、8割超にのぼった。前回調査(2020年2月、63.4%)と比較すると、16.9ポイント増加しており、業績への悪影響をさらに実感している様子がうかがえた。
 また、内訳は、「既にマイナスの影響がある」が46.5%(2020年2月、30.2%)、「今後マイナスの影響がある」が33.8%(同33.2%)となった。とりわけ、既にマイナスの影響がでている企業は半数近くまで増加した。
 他方、「影響はない」とする企業は9.0%(同16.9%)だったほか、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)と見込む企業は2.1%(同1.7%)となった。
 『マイナスの影響がある』と見込む企業を規模別にみると、「大企業」は82.1%、「中小企業」が79.9%、「小規模企業」が77.8%となった。企業の大小問わず、厳しい反応がみられている。
 とりわけ、日別にみると、概ね8割程度で推移しているが、首都圏を中心に行われた週末の不要不急の外出自粛を経て、3月31日にはピークとなる84.4%にのぼった。また、「既にマイナスの影響がある」は、4割台中盤から5割台前半で推移していた。
 『マイナスの影響がある』と見込む企業を業界別にみると、『運輸・倉庫』が84.5%と最も高かった。以下、『小売』(84.2%)、『卸売』(83.8%)、『不動産』(82.0%)、『農・林・水産』(81.5%)が続いた。
 特に、『小売』では、「例年の同月期と比較して、新規の店頭顧客が非常に少ない」(自動車(新車)小売、青森県)や「物流の停滞による燃料消費の減少」(ガソリンスタンド、秋田県)とあるように企業の62.5%で既にマイナスの影響がでていた。また、『建設』は、今後の悪影響を見込む企業が41.3%となり、先行きを懸念している様子がみられた。
 さらに、『マイナスの影響がある』を前回調査と比較すると『農・林・水産』は、40.1ポイント増となり、最も増加がみられた。企業からも「景気が落ち込めば、高級魚の売上も減少し、沢山の在庫を抱えることとなる」(魚類養殖、熊本県)といった声があがった。次いで、『不動産』(2020年2月比26.8ポイント増)、『建設』(同23.8ポイント増)、『サービス』(同23.6ポイント増)が20.0ポイント以上の増加となった。『農・林・水産』をはじめとした4業界では、この1カ月の間で業績への悪影響が顕著に表れていた。
2.「家具類小売」では、すべての企業で業績にマイナスの影響を見込む
 マイナスの影響がある』と見込む企業を業種別にみると、「家具類小売」が100.0%で最も高い。以下、「飲食店」(98.2%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(97.0%)、「旅館・ホテル」(96.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(96.6%)が9割台後半で続く。
 企業からも、「宿泊・宴会のキャンセルで大損害。このままでは会社や雇用が維持していけるか不安しかない」(旅館、岩手県)や「外出自粛により百貨店や専門店への来店数が大幅に落ち込み、婦人服の販売が半分以下に減少している」(婦人・子供服卸売、愛知県)といった声があがった。
 また、「既にマイナスの影響がある」企業は、「娯楽サービス」が84.2%でトップとなった。次いで「旅館・ホテル」(83.9%)、「飲食店」(83.6%)、「広告関連」(81.7%)が8割台で上位に並んでいる。とりわけ、「娯楽サービス」や「放送」では前回調査から50ポイント以上増加しており、「イベントの自粛要請によって、まとまった団体客の利用が一気になくなった」(ゴルフ場、兵庫県)など大きな影響を受けている様子がうかがえた。
 また、「企業の広告活動であるイベントやキャンペーンなどが軒並み自粛となり、4月以降も見通せない市場環境となっている」(広告代理、東京都)といった意見もあげられ、企業活動に大きな不安を抱いていた。
 他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が20.4%(2020年2月、4.2%)で最も高く、次いで、「飲食料品小売」が11.0%(同4.7%)、「医薬品・日用雑貨品小売」が8.7%(同12.0%)で続く。特に、「消費者の巣ごもり需要、内食需要が好影響」(スーパーストア、広島県)や「現時点では宅配サービスの需要が高まっている」(飲食料品小売、長野県)といった声にあるように、2月時点と異なり、一部では外出自粛などが需要拡大に働きつつある。
 また、「売り上げは落ちているが、今後開発する商品によっては、挽回もできると考えている」(食料・飲料卸売、岐阜県)というように、ピンチをチャンスに変えようという企業もみられた。
まとめ
 本調査では、8割の企業が新型コロナウイルス感染症により業績にマイナスの影響があると見込んでいる。2020年2月時点と比較すると大きく増加しており、この1カ月の間でさらに深刻化していた。また、調査期間中を日別にみると8割程度で推移しており、北海道の緊急事態宣言や、大阪府・兵庫県の往来自粛、さらに首都圏を中心に行われた週末の不要不急の外出自粛を経て3月31日には84.4%とマイナスの影響を見込む割合がピークとなった。
 幅広い業種で悪影響を及ぼしているなか、「家具類小売」ではすべての企業でマイナスの影響を見込む事態となっている。さらに、ゴルフ場やフィットネスなどの「娯楽サービス」などでは、2月と比較して大幅な悪化がみられていた。
 そのようななかであっても、一部スーパーマーケットなどでは、外出自粛による買い溜めや巣ごもり消費がプラスの影響を与えている。また、困難な状況下でも新たなチャンスを模索する動きもうかがえた。
 しかしながら、企業からは「国民の人命第一は理解するが、企業活動維持のための支援政策、国民の理解を得るバックアップ対策も必要ではないか」(化学製品卸売、大阪府)といった声に代表されるように、政府に対する支援やサービスを求める声もあがっている。他方で、「製品を中国産から国内産に切り替える機会が増える」(電気機械器具卸売、東京都)というように国内回帰による需要の拡大を期待する声もある。
 政府には、新型コロナウイルス感染症の早期終息のため、ワクチン開発などのウイルス対応施策とともに、迅速な企業向け支援策および国民に向けた補償策の実行が必要である。

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