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厚生・労働2020年03月24日 特別企画:2020年度の雇用動向に関する企業の意識調査 出典:帝国データバンク

正社員の採用予定、6年ぶりに6割を下回る
~新型コロナウイルス感染症の影響で、採用を控える企業も~

はじめに
 人手不足が深刻化するなか、2019年の有効求人倍率は1.60倍と、依然として高度経済成長期に近い高水準が続いている(厚生労働省)。また、新規学卒者の就職内定率は2019年12月時点で87.1%(大卒)となり、1996年に調査を開始して以来2番目に高い内定状況となっている(厚生労働省・文部科学省)。さらに、政府は、就職氷河期世代に対して就労やキャリアアップなどの活躍支援を始めるなど、雇用の下支えが注目されている。
 そこで、帝国データバンクは、2020年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年2月調査とともに行った。
※調査期間は2020年2月14日~2月29日、調査対象は全国2万3,668社、有効回答企業数は1万704社(回答率45.2%)。なお、雇用動向に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で16回目
※本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果(要旨)
1. 2020年度に正社員の採用予定がある企業は前回調査(2019年2月実施)から5.0ポイント減少の59.2%となり、2年連続で減少、6年ぶりに6割を下回る大幅減となった。規模別では、「大企業」は82.9%と7年連続で8割台となり、高い採用意欲が続いている一方、「中小企業」は53.6%で同5.5ポイント減少した。正社員採用は、大企業の積極性が続く一方、中小企業は高水準ながら慎重な採用姿勢がうかがえる
2. 非正社員では、採用予定がある企業は44.2%で、前回調査から6.1ポイントの大幅減となり、3年ぶりに5割を下回った。一方、人手不足の状態にある業種における採用意欲は高く、「飲食店」で9割、「各種商品小売」「教育サービス」など5業種は7割を上回る企業で採用を予定している
3. 企業からあげられた声をみると、新型コロナウイルス感染症による先行き不透明感の高まりで、採用を控える企業も多くみられた
4. 「就職氷河期世代活躍支援プログラム」の利用状況について、プログラムの利用に『積極的』(「既に利用した」「現在利用中」「これから利用する予定」のいずれかを回答した企業)な企業は6.3%だった。また、「利用しない(できない)」は35.4%だった。「プログラムを知らない」は23.9%となり、4社に1社が当プログラムを知らなかった
1.2020年度正社員採用、「採用予定あり」は59.2%、2年連続で前年を下回る
 2020年度(2020年4月~2021年3月入社)の正社員(新卒・中途入社)の採用状況について尋ねたところ、「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と回答した企業は前回調査(2019年2月実施)から5.0ポイント減の59.2%となり、2年連続で減少した。2014年度調査(2014年2月実施)以来6年ぶりに6割を下回った。他方、「採用予定はない」は同3.4ポイント増の27.8%となり、2年連続で増加した。
 正社員の「採用予定がある」と回答した企業を規模別にみると、「大企業」は82.9%となり、7年連続で8割を上回った。企業の6割超が人手不足を感じているなか1、採用活動に積極的な姿勢が続いている。「中小企業」は53.6%となり、前回調査から5.5ポイント減少した。中小企業は高水準ながら慎重な採用姿勢がうかがえる。
 採用予定のある企業からは、「社員の平均年齢が年々上がるため、若年層の採用に力を入れている」(一般貨物自動車運送、愛知県)、「高齢従業員の退職にともなう人員減を補填するために採用する予定」(一般土木建築工事、新潟県)といった、従業員の高齢化にともない採用活動を行うという意見が多く聞かれた。また、「働き方改革によって時間外労働で業務補填をすることが難しくなったので、従業員を増やし対応する」(給排水・衛生設備工事、岩手県)、「働き方改革にともなう諸法令を遵守するためには、新たな雇用が必要」(電気機械器具卸売、東京都)など、働き方改革関連法への対応を目的に採用を行うとの声も聞かれた。

1 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2020年1月)」
 他方、採用予定のない企業からは、「景気が上向くか未知数なので、採用予定はない」(スポーツ用品小売、岩手県)や「先行きの見通しが良くないため、人件費を補えるかが予測できない」(塗料卸売、岐阜県)といった、景況感の悪化による先行きの不透明感をあげる企業が多くみられる。
2.非正社員の採用予定企業は44.2%、2年連続の減少で5割を下回る
 2020年度の非正社員(新卒・中途入社)の採用状況について尋ねたところ、「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と回答した企業は44.2%となった。前回調査から6.1ポイントの大幅減となり、3年ぶりに5割を下回った。
 一方で、非正社員が人手不足の状態にある業種における採用意欲は高い。人手不足が顕著な「飲食店」は93.6%で最も高く、「各種商品小売」(77.1%)、「教育サービス」(76.7%)など5業種が7割台で続いている。
 企業からは、「正社員を確保できないため、高齢者や学生のパ-ト・アルバイトにシフトしている」(ガソリンスタンド、山形県)、「正社員の採用が達成できていないため、非正規に頼らざるを得ない」(金属製スプリング製造、茨城県)といった、正社員の雇用環境の厳しさによって非正社員の採用を考えている声が多数あげられている。また、「人数を増やし、フレキシブルな出勤体制を確立するため」(紙器製造、埼玉県)のように、正社員同様に働き方改革を見据えたうえで増員を計画する様子もうかがえる。
3.新型コロナウイルス感染症による先行き不透明感の高まりで、採用を控える企業も
 企業からあげられた声をみると、新型コロナウイルス感染症によって採用を躊躇するという声が多くみられた。「新型コロナウイルスの影響がなくなるまでは静観する」(情報処理サービス、埼玉県)という意見があるように、多くの企業が先行き不透明感の高まりをその理由にあげている。
4.就職氷河期世代の活躍支援プログラム、6.3%が利用に『積極的』
 政府は雇用の下支えを目的に、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った就職氷河期世代2を対象に、就労やキャリアアップの支援を行っている。そこで、「就職氷河期世代活躍支援プログラム」の利用状況について尋ねたところ、プログラムの利用に『積極的』(「既に利用した」「現在利用中」「これから利用する予定」のいずれかを回答した企業)とした企業は6.3%だった。他方、「利用しない(できない)」は35.4%、「プログラムを知らない」は23.9%となり、4社に1社が当プログラムを把握していなかった。

2 就職氷河期世代とは、高卒や大卒などを問わず、おおむね1993年(平成5年)~2004年(平成16年)に学校卒業期を迎えた世代を指す
 企業からは、「人手不足が恒常的であり、支援プログラムがあるのはありがたい」(一般機械修理、静岡県)といった前向きな声が聞かれた。また、「氷河期世代と区切らず、すべての世代の人を対象に採用活動を行っている」(野菜卸売、愛知県)、「特定の世代に向けての雇用は考えておらず、あくまで個人の能力、キャリア、希望に応じて雇用する」(事業サービス、東京都)といった、採用活動において就職氷河期世代だけを特別視していないという意見も多くあがった。他方、「対象者は既にベテランの域にあり、採用は難しい」(ソフト受託開発、東京都)、「本音で言えば40代より20代の方が欲しい。就職氷河期の年齢層を採用することで企業に相当なメリットがないと難しい」(金属製品製造、福岡県)といった、当プログラムを利用しない理由に就職氷河期世代の年齢をあげる声もみられた。
 「プログラムを知らない」とした企業からは、「知らない制度であったが、調べて自社の条件が合えば利用してみたい」(土木建築サービス、広島県)や「採用補助金、税制優遇等があるなら内容をもっと周知してほしい」(建築工事、宮城県)など、制度の利用には積極的ではあるものの、制度自体を知らないために利用していないという声があがっていた。
まとめ
 2020年度の雇用動向について、正社員の「採用予定がある」企業の割合は6年ぶりに6割を下回った。「大企業」は8割台で推移し積極的な採用姿勢が継続していたが、「中小企業」の採用姿勢は高水準ながら大きく減少している。また、非正社員の「採用予定がある」企業は3年ぶりに5割を下回ったものの、人手不足感が強い業種における採用意欲は依然として高い。
 就職氷河期世代の活躍支援プログラムに関しては、「プログラムを知らない」とした企業が4社に1社にのぼった。また、「複雑すぎて理解しにくい。利用したくても手間がかかりすぎるので積極的になれない」(特定旅客自動車運送、石川県)などの声もあるように、今後は詳細な説明や制度の周知が必要となろう。
 新型コロナウイルス感染症によって足元の景況感が悪化するなか、先行き不透明感の高まりにともない、既に採用に慎重な姿勢をとっている企業もみられた。企業の6割超が業績にマイナスの影響を見込んでおり(帝国データバンク「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」)、今後の動向によっては採用計画を見直す企業が増える可能性もあるだろう。

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