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民事2023年05月29日 DVから被害者を守るため、 保護命令制度が拡充される! 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律 (令和5年5月19日法律30号)

概 要

 最近における配偶者からの暴力等の実情に鑑み、国が定める基本的な方針及び都道府県が定める基本的な計画の記載事項の拡充、関係者による情報交換及び支援内容の協議を行う協議会に関する規定の創設等の措置を講ずるとともに、接近禁止命令等の申立てをすることができる被害者の範囲の拡大、保護命令の期間の伸長等の保護命令制度の拡充等の措置を講ずることとされました。

施 行

令和6年4月1日(一部の規定を除く。)

国及び地方公共団体の責務 

 被害者の保護に被害者の自立を支援することを含むものとされました。

基本方針及び都道府県基本計画等

〈1〉基本方針の記載事項に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策を実施するために必要な国、地方公共団体及び民間の団体の連携及び協力に関する事項を追加することとされました。
〈2〉都道府県基本計画の記載事項に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策を実施するために必要な当該都道府県、関係地方公共団体及び民間の団体の連携及び協力に関する事項を追加することとされました。

配偶者暴力相談支援センター

 配偶者暴力相談支援センターが行う一時保護の委託を受けた者若しくはその役員若しくは職員又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、その委託を受けた業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとされました。

協議会

〈1〉都道府県は、単独で又は共同して、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、関係機関、関係団体、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関連する職務に従事する者その他の関係者により構成される協議会(以下「協議会」といいます。)を組織するよう努めなければならないものとされました。
〈2〉市町村は、単独で又は共同して、協議会を組織することができるものとされました。
〈3〉協議会は、被害者に関する情報その他被害者の保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、被害者に対する支援の内容に関する協議を行うものとすること等とされました。
〈4〉協議会の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由がなく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとされました。

保護命令

1)接近禁止命令等

 ア)接近禁止命令(第10条第1項の規定による命令をいいます。)被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知してする脅迫(以下「身体に対する暴力等」といいます。)を受けた者に限ります。)が、配偶者(配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。)からの更なる身体に対する暴力等により、その生命又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日から起算して1年間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除きます。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとすることとされました。
 イ)第10条第2項の規定による命令
〈1〉第10条第2項の規定による命令の期間を1年とすることとされました。
〈2〉第10条第2項の規定による命令において、次の〈ア〉から〈オ〉までの行為をしてはならないことを命ずる対象とすることとされました。
 〈ア〉緊急やむを得ない場合を除き、連続して、文書を送付し、通信文その他の情報(電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の電気通信を行うために必要な情報を含みます。以下「通信文等」といいます。)をファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールの送信等をすること。
 〈イ〉緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、通信文等をファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールの送信等をすること。
 〈ウ〉被害者の性的羞恥心を害する電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます。)に係る記録媒体その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
 〈エ〉被害者の承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置(当該装置の位置に係る位置情報を記録し、又は送信する機能を有する装置で政令で定めるものをいいます。)(〈オ〉に規定する行為がされた位置情報記録・送信装置を含みます。)により記録され、又は送信される当該位置情報記録・送信装置の位置に係る位置情報を政令で定める方法により取得すること。
 〈オ〉被害者の承諾を得ないで、その所持する物に位置情報記録・送信装置を取り付けること、位置情報記録・送信装置を取り付けた物を交付することその他その移動に伴い位置情報記録・送信装置を移動し得る状態にする行為として政令で定める行為をすること。
 ウ)第10条第3項の規定による命令
   被害者がその成年に達しない子(以下単に「子」といいます。)と同居しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、接近禁止命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、接近禁止命令の効力が生じた日から起算して1年を経過する日までの間、当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除きます。)、就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと及び当該子に対して第10条第2項第2号から第10号までに掲げる行為(同項第5号に掲げる行為にあっては、電話をかけること及び通信文等をファクシミリ装置を用いて送信することに限ります。)をしてはならないことを命ずるものとすることとされました。ただし、当該子が15歳以上であるときは、その同意がある場合に限るものとされました。
 エ)第10条第4項の規定による命令
   第10条第4項の規定による命令の期間を1年とすることとされました。
 オ)電子メールの送信等
   イ)〈2〉〈ア〉及び〈イ〉の「電子メールの送信等」とは、次のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及び通信文等をファクシミリ装置を用いて送信することを除きます。)をいうものとされました。
〈1〉電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信を行うこと。
〈2〉電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、内閣府令で定めるものを用いて通信文等の送信を行うこと。

2)退去等命令
  第10条の2の規定による命令の期間について、被害者及び配偶者が生活の本拠として使用する建物又は区分建物の所有者又は賃借人が被害者のみである場合において、被害者の申立てがあったときは、6月間とすることとされました。

3)保護命令に関する手続
 ア)三項命令の取消しの申立て
   三項命令(第10条第3項の規定による命令をいいます。)を受けた者は、接近禁止命令が効力を生じた日から起算して6月を経過した日又は当該三項命令が効力を生じた日から起算して3月を経過した日のいずれか遅い日以後において、当該三項命令を発した裁判所に対し、第10条第3項に規定する要件を欠くに至ったことを理由として、当該三項命令の取消しの申立てをすることができること等とされました。
 イ)民事訴訟法の準用
   保護命令に関する手続に関して準用する民事訴訟法の規定及び所要の読替えについて定めることとされました。

罰 則

〈1〉保護命令に違反した者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処するものとされました。
〈2〉前記の「配偶者暴力相談支援センター」又は「協議会」〈4〉に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処するものとされました。

その他

その他所要の改正を行うこととされました。

施行期日等

〈1〉この法律の施行に伴う所要の経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の改正を行うこととされました。
〈2〉この法律の施行状況に関する検討規定を設けることとされました。

以 上

新日本法規出版株式会社
(2023年5月)

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