都市・土地2022年05月19日 さらなる利用促進と災害発生の防止のために! 法令ダイジェスト 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律 (令和4年5月9日法律38号)

概要
市町村をはじめとする地域の関係者が実施する所有者不明土地対策を支える仕組みを充実させるため、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法について所要の改正が行われました。
施行
公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行(一部の規定を除く。)
所有者不明土地の利用の円滑化のための措置
1)特定所有者不明土地の定義の拡大
「特定所有者不明土地」として、「損傷、腐食等により利用が困難であり、引き続き利用されないと見込まれる建築物が存在し、かつ、業務の用その他の特別の用途に供されていない土地」を追加することとされました。
2)地域福利増進事業の対象事業の拡充
「地域福利増進事業」の対象事業として、「備蓄倉庫等の災害関連施設及び再生可能エネルギー発電設備の整備に関する事業」を追加することとされました。
3)地域福利増進事業の事業期間の延長
土地等使用権の存続期間について、長期にわたる土地の使用を要する地域福利増進事業にあっては、20年を限度とすることとされました。
4)裁定申請書等の縦覧期間の短縮
地域福利増進事業の裁定申請書等の縦覧期間について、現行の6か月間から2か月間に短縮することとされました。
所有者不明土地の管理の適正化のための措置
1)市町村長による勧告・命令・代執行制度の創設
市町村長は、所有者不明土地等の周辺土地における災害・環境悪化の防止のために必要かつ適当であると認める場合には、当該所有者不明土地等について、勧告・命令・代執行ができることとされました。
2)管理不全土地管理命令の請求権を市町村長に付与
市町村長は、所有者不明土地等の周辺土地における災害・環境悪化の防止のために特に必要があると認めるときは、当該所有者不明土地等について、管理不全土地管理命令の請求をすることができることとされました。
3)所有者探索に必要な公的情報の利用等を可能とする措置の導入
都道府県知事及び市町村長は、勧告又は所有者不明土地管理命令の請求等を行うため土地所有者等を知る必要があるときは、保有する土地所有者等関連情報を内部で利用することができることとされました。
所有者不明土地対策推進のための措置
1)所有者不明土地対策に関する計画制度及び協議会制度の創設
市町村は、単独で又は共同して、所有者不明土地対策計画を作成し、所有者不明土地対策協議会を組織することができることとされました。
2)所有者不明土地利用円滑化等推進法人の指定制度の創設
〈1〉市町村長は、特定非営利活動法人等を所有者不明土地利用円滑化等推進法人として指定することができることとされました。
〈2〉所有者不明土地利用円滑化等推進法人は、所有者不明土地等の管理のために特に必要があると認めるとき、又は所有者不明土地等の周辺土地における災害・環境悪化の防止のために特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、所有者不明土地管理命令の請求等又は管理不全土地管理命令の請求等をするよう要請することができることとされました。
3)国土交通省職員の派遣の要請
市町村長は、所有者不明土地対策計画の作成等又は所有者不明土地の管理の適正化を図るために行う事業の準備等のため必要があるときは、国土交通省職員の派遣を要請することができることとされました。
新日本法規出版株式会社
(2022年5月)
人気記事
人気商品
関連商品
法令ダイジェスト 全42記事
- 社会保険の加入対象の拡大等、年金制度の見直しを実施!
- 就業環境のさらなる整備のために!
- 譲渡担保契約・所有権留保契約のルールを明文化!
- マンションの大規模修繕や建替え・売却の要件が緩和されました!
- さらなる職場環境の整備を推進!
- 児童虐待防止と保育現場の人材確保・体制強化!
- 基礎控除の引上げ等の見直しを実施!
- 子どもを性犯罪から守るための日本版DBS!
- 技能実習制度に代わり、新たに育成就労制度を創設!
- さらなる柔軟な働き方の実現に向けた措置を拡充!
- 離婚後の「共同親権」が導入される!
- 所得税・個人住民税の定額減税を実施!
- 送還・収容ルールの見直しのほか、紛争避難民等の保護が図られました!
- 空き家対策のさらなる強化のために!
- DVから被害者を守るため、 保護命令制度が拡充される!
- 働き方の多様化に対応し、 フリーランスの法的保護を図るために!
- ADRでの和解の一部で、 差し押さえなどの強制執行が可能に!
- 子どもの権利を護るため、 嫡出や懲戒をめぐる規定を120年ぶりに見直し!
- 懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化!
- こどもの権利を包括的に保障する基本法が制定される!
- こども関連政策を担う司令塔として、こども家庭庁が設置される!
- 建築物分野での省エネ対策を加速!
- 子育て世帯に対する支援体制を強化!
- さらなる消費者被害の防止・救済の強化が図られる!
- 民事裁判の全面的なIT化が図られる!
- さらなる利用促進と災害発生の防止のために!
- 賃上げ促進税制が拡充されました!
- デジタル社会における消費者保護が図られる!
- 出生時育児休業制度を新設するなど、 さらなる仕事と育児・介護の両立を促進!
- 匿名者によるネット誹謗中傷被害救済のため、 発信者情報開示制度の見直しが図られる!
- 所有者不明土地問題の解決のために!
- 相続等により取得した土地所有権の国庫帰属が可能に!
- DX投資促進税制が創設されました!
- 中小企業の廃業を防ぎ、成長できる環境を整備するために!
- 事業者の不祥事を早期に是正し、被害の防止を図るために!
- 消費者からの個人情報の利用停止・削除・開示請求への対応が厳格化!
- 全世代型社会保障の構築に向けた改正!
- 高年齢者の就業増加や副業解禁など、昨今の労働環境の変化に対応する改正!
- グループ通算制度が創設されました!
- 土地についての基本理念等が見直されました!
- 賃金請求権の消滅時効期間が3年に!
- 社外取締役設置や報酬決定方針の開示を義務化!
-
-
団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -
Copyright (C) 2019
SHINNIPPON-HOKI PUBLISHING CO.,LTD.