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環境2022年06月28日 建築物分野での省エネ対策を加速! 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律 (令和4年6月17日法律69号)

概要

 2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)の実現に向け、エネルギー消費の約3割を占める建築物分野での省エネ対策を加速させ、あわせて、木材需要の約4割を占める建築物分野での木材利用を促進し、吸収源対策の強化に寄与するため、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部について所要の改正が行われました。

施行

 公布の日から起算して3年を経過した日から施行(一部の規定を除く。)

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部改正関係

1)題名
  題名を「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」に改めることとされました。
2)目的

  この法律の目的に建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置の促進を図ることを追加することとされました。
3)建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象となる建築物の範囲の拡大等
〈1〉建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ない規模以下のものを除きます。)をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならないこととされました。
〈2〉〈1〉の規定は、建築基準法第6条の4第1項第3号に掲げる建築物の建築をする場合における同法第6条第1項等の規定の適用等を除き、同項に規定する建築基準関係規定とみなすこととされました。
〈3〉建築主は、〈1〉の規定により建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない建築物の建築(建築基準法第6条の4第1項第3号に掲げる建築物の建築に該当するものを除きます。)であって、同法第6条第1項の規定による確認を要するものをしようとするとき等は、当該建築行為が、建築物エネルギー消費性能適合性判定を行うことが比較的容易なものである場合を除き、建築物エネルギー消費性能確保計画を提出して所管行政庁等の建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならないもの等とすることとされました。
4)分譲型規格共同住宅等に係る措置
〈1〉特定共同住宅等建築主(自らが定めた共同住宅等の構造及び設備に関する規格に基づき共同住宅等を新築し、これを分譲することを業として行う建築主であって、その1年間に新築する当該規格に基づく共同住宅等(以下「分譲型規格共同住宅等」といいます。)の住戸の数が政令で定める数以上であるものをいいます。以下同じ。)は、その新築する分譲型規格共同住宅等を〈2〉に規定する基準に適合させるよう努めなければならないこととされました。
〈2〉経済産業大臣及び国土交通大臣は、特定共同住宅等建築主の新築する分譲型規格共同住宅等のエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準を定めなければならないこととされました。
〈3〉国土交通大臣は、特定共同住宅等建築主に対し、その新築する分譲型規格共同住宅等について、〈2〉に規定する基準に照らし勧告をすることができるものとし、その者が当該勧告に従わなかったとき等は、公表及び命令をすることができるもの等とすることとされました。
5)販売事業者等による建築物の販売等に係る措置
〈1〉建築物の販売又は賃貸(以下「販売等」といいます。)を行う事業者(以下「販売事業者等」といいます。)は、その販売等を行う建築物について、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならないものとし、国土交通大臣は、当該表示について、次に掲げる事項を定め、これを告示することとされました。
 〈ア〉建築物のエネルギー消費性能に関し販売事業者等が表示すべき事項
 〈イ〉表示の方法その他建築物のエネルギー消費性能の表示に際して販売事業者等が遵守すべき事項
〈2〉国土交通大臣は、販売事業者等に対し、その販売等を行う建築物について〈1〉の規定により告示されたところに従ってエネルギー消費性能の表示をしていないと認めるときは、勧告をすることができるものとし、その者が当該勧告に従わなかったとき等は、公表及び命令をすることができるもの等とすることとされました。
6)建築物再生可能エネルギー利用促進区域における措置等
〈1〉国土交通大臣は、基本方針において、〈2〉に規定する促進計画に関する基本的な事項等を定めることとされました。
〈2〉市町村は、基本方針に基づき、当該市町村の区域内の一定の区域であって、建築物への再生可能エネルギー利用設備(再生可能エネルギー源の利用に資する設備として国土交通省令で定めるものをいいます。以下同じ。)の設置の促進を図ることが必要であると認められるもの(以下「建築物再生可能エネルギー利用促進区域」といいます。)について、建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置の促進に関する計画(以下「促進計画」といいます。)を作成することができることとされました。
〈3〉促進計画には、次に掲げる事項について定めることとされました。
  〈ア〉建築物再生可能エネルギー利用促進区域の位置及び区域
  〈イ〉建築物再生可能エネルギー利用促進区域において建築物への設置を促進する再生可能エネルギー利用設備の種類に関する事項
  〈ウ〉建築物再生可能エネルギー利用促進区域内において再生可能エネルギー利用設備を設置する建築物について建築基準法第52条第14項、第53条第5項、第55条第3項又は第58条第2項の規定(以下「特例対象規定」といいます。)の適用を受けるための要件に関する事項
〈4〉促進計画には、〈3〉の〈ア〉から〈ウ〉までに掲げる事項のほか、建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置に関する啓発及び知識の普及に関する事項その他建築物再生可能エネルギー利用促進区域内における建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置の促進に関し必要な事項を定めるよう努めることとされました。
〈5〉市町村は、促進計画を作成するときは、あらかじめ、当該建築物再生可能エネルギー利用促進区域内の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするほか、これに定めようとする〈3〉の〈ウ〉に掲げる事項について、当該建築物再生可能エネルギー利用促進区域内の建築物について特例対象規定による許可の権限を有する特定行政庁と協議をしなければならないこととされました。
〈6〉市町村は、促進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならないこととされました。
〈7〉促進計画を作成した市町村(以下「計画作成市町村」といいます。)は、建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置を促進するため、建築物再生可能エネルギー利用促進区域内の建築物の建築主等に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うよう努めることとされました。
〈8〉建築物再生可能エネルギー利用促進区域内においては、建築主は、その建築又は修繕等をしようとする建築物について、再生可能エネルギー利用設備を設置するよう努めなければならないこととされました。
〈9〉建築士は、建築物再生可能エネルギー利用促進区域内において、計画作成市町村の条例で定める用途に供する建築物の建築で当該条例で定める規模以上のものに係る設計を行うときは、説明を要しない旨の意思の表明があった場合を除き、当該設計の委託をした建築主に対し、当該設計に係る建築物に設置することができる再生可能エネルギー利用設備について、書面を交付して説明しなければならないこととされました。
〈10〉建築士は、〈9〉の規定による書面の交付に代えて、当該建築主の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとされました。
〈11〉促進計画が〈6〉等の規定により公表されたときは、当該公表の日以後は、建築物再生可能エネルギー利用促進区域内の建築物に対する特例対象規定の適用については、〈3〉の〈ウ〉に掲げる事項に適合する建築物を、特例対象規定による許可の対象とすることとされました。

建築基準法の一部改正関係 

1)建築確認を要する木造の建築物の範囲の拡大

  建築主は、2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超える木造の建築物を建築しようとする場合等においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないこととされました。
2)防火に関する制限の合理化
〈1〉耐火建築物は、その主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がない部分以外の部分が耐火構造である建築物等をいうこととされました。
〈2〉延べ面積が3,000㎡を超える建築物は、その壁、柱、床その他の建築物の部分又は防火戸その他の防火設備を通常の火災時における火熱が当該建築物の周囲に防火上有害な影響を及ぼすことを防止するためにこれらに必要とされる性能に関する技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならないこととされました。
〈3〉〈2〉に規定する基準等の適用上一の建築物であっても別の建築物とみなすことができる部分が二以上ある建築物の当該建築物の部分は、当該基準等に係る規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなすこととされました。
〈4〉防火上有効な構造の防火壁等によって他の部分と有効に区画されている部分(以下「特定部分」といいます。)を有する建築物であって、当該建築物の特定部分の特定主要構造部が耐火構造であるもの等に該当し、かつ、当該特定部分の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に建築基準法第2条第9号の2ロに規定する防火設備を有するもの等に係る同法第26条第1項の規定の適用については、当該建築物の特定部分及び他の部分をそれぞれ別の建築物とみなし、かつ、当該特定部分を同項第1号に該当する建築物とみなすこととされました。
3)構造に関する制限の合理化等
〈1〉建築物の計画(建築基準法第20条第1項第4号に掲げる建築物に係るもののうち、構造設計一級建築士の構造設計に基づくもの等に限ります。)が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの確認審査等を、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者である建築主事がする場合等は、建築主は、構造計算適合性判定を受けなくてもよいこととされました。
〈2〉地階を除く階数が3である木造の建築物であって、高さが13mを超え、16m以下であるもの等の構造方法は、構造耐力上主要な部分ごとに応力度が許容応力度を超えないことを確かめること等の基準に従った構造計算(以下「許容応力度計算」といいます。)で、国土交通大臣が定めた方法によるもの等によって確かめられる安全性を有するものでよいこととされました。
〈3〉高さが60m以下である建築物(建築基準法第20条第1項第2号に掲げる建築物を除きます。)のうち、木造の建築物で地階を除く階数が3以上であるもの又は延べ面積が300㎡を超えるものの構造方法は、許容応力度計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの等によって確かめられる安全性を有するもの等でなければならないこととされました。
4)居室の採光に関する制限の合理化
  住宅の居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、5分の1から10分の1までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならないこととされました。
5)容積率等に関する制限の合理化
〈1〉住宅又は老人ホーム等に設ける機械室等(給湯設備等を設置するためのものであって、市街地の環境を害するおそれがないものに限ります。)で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものの床面積は、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、算入しないこととされました。
〈2〉建築物のエネルギー消費性能の向上のため必要な外壁に関する工事等を行う構造上やむを得ない建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの容積率は、その許可の範囲内において、建築基準法第52条第1項から第9項までの規定による限度を超えるものとすることができることとされました。
〈3〉建築物のエネルギー消費性能の向上のため必要な外壁に関する工事等を行う構造上やむを得ない建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、その許可の範囲内において、建築基準法第53条第1項から第3項までの規定による限度を超えるものとすることができることとされました。
〈4〉第一種低層住居専用地域等内においては、再生可能エネルギー源の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事等を行う構造上やむを得ない建築物で、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、その許可の範囲内において、建築基準法第55条第1項及び第2項の規定による限度を超えるものとすることができることとされました。
〈5〉都市計画において建築物の高さの最高限度が定められた高度地区内においては、再生可能エネルギー源の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事等を行う構造上やむを得ない建築物で、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、その許可の範囲内において、当該最高限度を超えるものとすることができることとされました。
6)一の敷地とみなすこと等による制限の緩和等の対象の拡大
   一の敷地とみなすこと等による制限の緩和等の対象について、大規模の修繕又は大規模の模様替をする建築物を追加するもの等とすることとされました。
7)既存不適格建築物に関する制限の合理化
〈1〉建築基準法第3条第2項等の規定により同法第21条、第22条第1項、第23条、第25条、第35条(同条の階段、出入口その他の避難施設及び排煙設備に関する技術的基準のうち政令で定めるもの並びに同条の敷地内の避難上及び消火上必要な通路に関する技術的基準のうち政令で定めるものに係る部分に限ります。)、第36条(同条の防火壁及び防火区画の設置及び構造に関する技術的基準のうち政令で定めるもの(以下「防火壁等に関する技術的基準」といいます。)に係る部分に限ります。)、第43条第1項、第44条第1項又は第62条の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において増築等をする場合においては、同法第3条第3項の規定にかかわらず、これらの規定は適用しないこととされました。
〈2〉建築基準法第3条第2項等の規定により同法第21条、第23条、第26条、第27条、第36条(防火壁等に関する技術的基準(政令で定める防火区画に係る部分を除きます。)に係る部分に限ります。)又は第61条の規定の適用を受けない建築物であって、これらの規定に規定する基準の適用上一の建築物であっても別の建築物とみなすことができる部分(以下「独立部分」といいます。)が二以上あるものについて増築等をする場合においては、同法第3条第3項の規定にかかわらず、当該増築等をする独立部分以外の独立部分に対しては、これらの規定は適用しないこととされました。
〈3〉建築基準法第3条第2項等の規定により同法第35条(同条の廊下並びに非常用の照明装置及び進入口に関する技術的基準のうち政令で定めるものに係る部分に限ります。)、第35条の2又は第37条の規定の適用を受けない建築物について増築等をする場合においては、同法第3条第3項の規定にかかわらず、当該増築等をする部分以外の部分に対しては、これらの規定は適用しないこととされました。

建築士法の一部改正関係  

 地階を除く階数が3以下であり、高さが13mを超え、16m以下である建築物及び建築物の部分等を新築する場合における設計及び工事監理については、一級建築士の業務独占範囲から除き、二級建築士がすることができることとされました。

独立行政法人住宅金融支援機構法の一部改正関係          

 独立行政法人住宅金融支援機構は、住宅のエネルギー消費性能の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを行うこととされました。

新日本法規出版株式会社
(2022年6月)

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