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家族2022年06月24日 子育て世帯に対する支援体制を強化! 児童福祉法等の一部を改正する法律 (令和4年6月15日法律66号)

概要

 児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行うため、児童福祉法等の一部について所要の改正が行われました。

施行

令和6年4月1日から施行(一部の規定を除く。)

児童福祉法の一部改正関係

1)市町村による包括的な支援のための体制の強化等に関する事項

〈1〉市町村(特別区を含みます。以下同じ。)の業務として、児童及び妊産婦の福祉に関し、心身の状況等に照らし包括的な支援を必要とすると認められる要支援児童及びその保護者、特定妊婦等に対して、これらの者に対する支援の種類及び内容その他の事項を記載した計画の作成その他の包括的かつ計画的な支援を行うものとされました。
〈2〉市町村は、こども家庭センターの設置に努めなければならないものとし、当該センターは、児童及び妊産婦の福祉に関する包括的な支援を行うことを目的とするとともに、家庭からの相談に応ずること、〈1〉の計画の作成その他の包括的かつ計画的な支援を行うこと、関係機関との連絡調整、児童及び妊産婦の福祉並びに児童の健全育成に資する支援を円滑に行うための体制の整備等の業務を行うほか、〈3〉の地域子育て相談機関と密接に連携を図るものとされました。
〈3〉市町村は、地域の住民からの子育てに関する相談に応じ、必要な助言を行うことができる地域子育て相談機関(保育所、認定こども園、地域子育て支援拠点事業を行う場所等であって、的確な相談及び助言を行うに足りる体制を有すると市町村が認めるものをいいます。以下この〈3〉において同じ。)の整備等に努めなければならないものとし、地域子育て相談機関は、必要に応じ、こども家庭センターと連絡調整を行うとともに、地域の住民に対し、子育て支援に関する情報提供を行うよう努めなければならないものとされました。
〈4〉保育所は、地域の住民に対して、その行う保育に関し情報の提供を行わなければならないものとされました。

2)児童等に対する支援の充実等に関する事項
 ア)障害児通所支援に関する事項
  〈1〉肢体不自由のある児童を支援の対象とした医療型児童発達支援について全ての障害児を対象とする児童発達支援に一元化するものとされました。
  〈2〉放課後等デイサービスの対象となる障害児に、専修学校等に就学している障害児のうち、その福祉の増進を図るため、授業の終了後又は休業日における支援の必要があると市町村長(特別区の区長を含みます。)が認める者を加えるものとされました。
  〈3〉児童発達支援センターは、地域の障害児の健全な発達において中核的な役割を担う機関として、障害児を日々保護者の下から通わせて、高度の専門的な知識及び技術を必要とする児童発達支援を提供し、あわせて障害児の家族、指定障害児通所支援事業者その他の関係者に対し、相談、専門的な助言その他の必要な援助を行うことを目的とする施設であることを明確化するものとされました。
 イ)児童自立生活援助事業の対象者に関する事項
  児童自立生活援助事業について、事業の実施場所を拡充するほか、満20歳以上の措置解除者等であって政令で定めるもののうち、大学の学生であることその他のやむを得ない事情により児童自立生活援助の実施が必要であると都道府県知事が認めたものを対象とするものとされました。
 ウ)都道府県又は市町村等による事業の実施等に関する事項
  a)新たに創設する事業
   〈1〉親子再統合支援事業とは、親子の再統合を図ることが必要と認められる児童及びその保護者に対して、児童虐待の防止に資する情報の提供、相談及び助言その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈2〉社会的養護自立支援拠点事業とは、措置解除者等又はこれに類する者が相互の交流を行う場所を開設し、これらの者に対する情報の提供、相談及び助言並びにこれらの者の支援に関連する関係機関との連絡調整その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈3〉意見表明等支援事業とは、4)の〈2〉の意見聴取等措置の対象となる児童の入所の措置又は一時保護等の措置(3)のエ)及び4)において「入所措置等」といいます。)を行うことに係る意見又は意向及び入所の措置その他の措置が採られている児童その他の者の当該措置における処遇に係る意見又は意向について、児童の福祉に関し知識又は経験を有する者が、意見聴取その他これらの者の状況に応じた適切な方法により把握するとともに、これらの意見又は意向を勘案して児童相談所、都道府県その他の関係機関との連絡調整その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈4〉妊産婦等生活援助事業とは、家庭生活に支障が生じている特定妊婦その他これに類する者及びその者の監護すべき児童を、生活すべき住居に入居させ、又は当該事業に係る事業所その他の場所に通わせ、食事の提供その他日常生活を営むのに必要な便宜の供与、児童の養育に係る相談及び助言、母子生活支援施設その他の関係機関との連絡調整、特別養子縁組に係る情報の提供その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈5〉子育て世帯訪問支援事業とは、要支援児童の保護者等に対し、その居宅において、子育てに関する情報の提供並びに家事及び養育に係る援助その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈6〉児童育成支援拠点事業とは、養育環境等に関する課題を抱える児童について、当該児童に生活の場を与えるための場所を開設し、情報の提供、相談及び関係機関との連絡調整を行うとともに、必要に応じて当該児童の保護者に対し、情報の提供、相談及び助言その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
   〈7〉親子関係形成支援事業とは、親子間における適切な関係性の構築を目的として、児童及びその保護者に対し、当該児童の心身の発達の状況等に応じた情報の提供、相談及び助言その他の必要な支援を行う事業をいうものとされました。
  b)事業の拡充
   〈1〉子育て短期支援事業について、保護者の心身の状況、児童の養育環境その他の状況を勘案し、児童と共にその保護者に対して支援を行うことが必要である場合にあっては、当該保護者への支援を行うことができるものとされました。
   〈2〉一時預かり事業について、子育てに係る保護者の負担を軽減するため、保育所等において一時的に預かることが望ましいと認められる乳児又は幼児をその対象者として含むものとされました。
  c)事業に関する手続等
   〈1〉都道府県又は市町村は、a)の事業が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めなければならないものとされました。
   〈2〉市町村、都道府県の設置する福祉事務所の長及び児童相談所長は、a)の〈2〉の事業の実施が適当であると認める者を、当該事業の実施に係る都道府県知事に報告するものとし、福祉事務所を設置していない町村又は都道府県の設置する福祉事務所の長及び児童相談所長は、a)の〈4〉の事業の実施が適当であると認める者を、それぞれ、当該事業の実施に係る都道府県知事に報告し、又は都道府県知事若しくは市町村の長に報告し、若しくは通知するものとし、児童相談所長は、a)の〈5〉から〈7〉までの事業又はb)の〈2〉の事業の実施が適当であると認める者を、当該事業の実施に係る市町村の長に通知するものとされました。
   〈3〉a)の〈2〉若しくは〈4〉の事業を行う都道府県又はa)の〈4〉の事業を行う市若しくは福祉事務所を設置する町村は、それぞれ、〈2〉若しくは売春防止法の一部改正による報告を受けた児童等について、又は〈2〉若しくは売春防止法の一部改正による報告若しくは通知を受けた妊産婦等について、必要があると認めるときは、これらの者に対し、当該事業の利用を勧奨しなければならないものとされました。
   〈4〉国及び都道府県以外の者によるa)の〈1〉から〈4〉までの事業、市町村、社会福祉法人その他の者によるa)の〈5〉及び〈7〉の事業並びに国、都道府県及び市町村以外の者によるa)の〈6〉の事業の実施に係る届出手続等について規定するものとされました。
 エ)市町村による利用勧奨及び措置
  〈1〉市町村は、1)の〈1〉の計画が作成された者その他の子育て短期支援事業、養育支援訪問事業、一時預かり事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業又は親子関係形成支援事業(以下このエ)において「家庭支援事業」といいます。)の提供が必要であると認められる者について、当該者に必要な家庭支援事業(当該市町村が実施するものに限ります。)の利用を勧奨し、及びその利用ができるよう支援しなければならないものとされました。
  〈2〉市町村は、〈1〉の者が、〈1〉の勧奨及び支援を行っても、なおやむを得ない事由により当該勧奨及び支援に係る家庭支援事業を利用することが著しく困難であると認めるときは、当該者について、家庭支援事業による支援を提供することができるものとされました。

3)都道府県等による支援に関する事項
 ア)里親支援に関する事項
   〈1〉児童福祉施設として、里親支援センターを追加するものとされました。
   〈2〉里親支援センターは、里親支援事業を行うほか、里親及び里親に養育される児童並びに里親になろうとする者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とし、同センターの長は、当該事業及び当該援助を行うに当たっては、都道府県等の関係機関と相互に協力し、緊密な連携を図るよう努めなければならないものとされました。
 イ)措置解除者等の自立支援
   都道府県の業務として、措置解除者等の実情を把握し、その自立のために必要な援助を行うものとされました。
 ウ)障害児入所支援に関する事項
   〈1〉都道府県は、障害児入所施設に在所している障害児等が、障害福祉サービス等を利用しつつ自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、自立した日常生活又は社会生活への移行について、市町村その他の関係者との協議の場を設け、市町村その他の関係者との連携及び調整を図ることその他の必要な措置を講じなければならないものとされました。
   〈2〉都道府県は、障害児入所給付費等の支給を受けている者又は措置により障害児入所施設に在所等している者であって、障害福祉サービス等を利用しつつ自立した日常生活又は社会生活を営むことが著しく困難なものについて、満20歳に到達してもなお引き続き指定入所支援を受けなければ、又は障害児入所施設に在所させる等の措置を採らなければその福祉を損なうおそれがあると認めるときは、当該者が満23歳に達するまで、引き続き障害児入所給付費等を支給し、又は障害児入所施設に在所させる等の措置を採ることができるものとされました。
 エ)関係機関への協力の求めに関する事項
   都道府県知事又は児童相談所長は、入所措置等に関して必要があると認めるときは、地方公共団体の機関、病院、診療所、医学に関する大学(大学の学部を含みます。)、児童福祉施設、入所措置等に係る児童が在籍する又は在籍していた学校その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができるものとし、これらの協力等を求められた者はこれに応ずるよう努めなければならないものとされました。

4)児童の権利の擁護に関する事項
〈1〉都道府県の業務として、入所措置等その他の措置の実施及びこれらの措置の実施中における処遇に対する児童の意見又は意向に関し、都道府県児童福祉審議会その他の機関の調査審議及び意見の具申が行われるようにすることその他の児童の権利の擁護に係る環境の整備を行うものとされました。
〈2〉都道府県知事又は児童相談所長は、児童に入所措置等を採る場合又は入所措置等を解除し、停止し、若しくは他の措置に変更する場合等においては、児童の最善の利益を考慮するとともに、児童の意見又は意向を勘案して入所措置等を行うために、あらかじめ、年齢、発達の状況その他の当該児童の事情に応じ意見聴取その他の措置(以下この〈2〉において「意見聴取等措置」といいます。)をとらなければならないものとされました。ただし、児童の生命又は心身の安全を確保するため緊急を要する場合で、あらかじめ意見聴取等措置をとるいとまがないときは、児童に入所措置等を採り、又は入所措置等を解除し、停止し、若しくは他の措置への変更等を行った後速やかに意見聴取等措置をとらなければならないものとされました。

5)一時保護に関する事項
 ア)一時保護開始時の要件及び手続の整備に関する事項
   〈1〉児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるとき、少年法第6条の6第1項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であって、必要があると認めるときは、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができるものとされました。
   〈2〉都道府県知事は、〈1〉の場合であって、必要があると認めるときは、児童相談所長をして、児童の一時保護を行わせ、又は適当な者に当該一時保護を行うことを委託させることができるものとされました。
   〈3〉児童相談所長又は都道府県知事は、〈1〉又は〈2〉による一時保護を行うときは、次に掲げる場合を除き、一時保護を開始した日から起算して7日以内に、〈1〉の場合に該当し、かつ、一時保護の必要があると認められる資料を添えて、これらの者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に〈4〉の一時保護状を請求しなければならないものとされました。この場合において、一時保護を開始する前にあらかじめ一時保護状を請求することを妨げないものとされました。
   〈ア〉当該一時保護を行うことについて当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の同意がある場合
   〈イ〉当該児童に親権を行う者又は未成年後見人がない場合
   〈ウ〉当該一時保護をその開始した日から起算して7日以内に解除した場合
   〈4〉裁判官は、〈3〉の請求(以下このア)において「一時保護状の請求」といいます。)のあった児童について、〈1〉の場合に該当すると認めるときは、一時保護状を発するものとされました。ただし、明らかに一時保護の必要がないと認めるときは、この限りでないものとされました。
   〈5〉〈4〉の一時保護状には、一時保護を行う児童の氏名、一時保護の理由、発付の年月日、裁判所名並びに有効期間及び有効期間経過後は一時保護を開始することができずこれを返還しなければならない旨(〈3〉の後段に該当する場合に限ります。)を記載し、裁判官がこれに記名押印しなければならないものとされました。
   〈6〉一時保護状の請求についての裁判は、判事補が単独ですることができるものとされました。
   〈7〉児童相談所長又は都道府県知事は、裁判官が一時保護状の請求を却下する裁判をしたときは、速やかに一時保護を解除しなければならないものとされました。ただし、一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、児童相談所長又は都道府県知事は、当該裁判があった日の翌日から起算して3日以内に限り、〈1〉の場合に該当し、かつ、一時保護の必要があると認められる資料及び一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれると認められる資料を添えて、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官が所属する裁判所にその裁判の取消しを請求することができるものとされました。
   〈8〉〈7〉のただし書の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならないものとされました。
   〈9〉児童相談所長又は都道府県知事は、〈7〉のただし書による請求をするときは、一時保護状の請求についての裁判が確定するまでの間、引き続き一時保護を行うことができるものとされました。
   〈10〉〈7〉のただし書による請求を受けた裁判所は、当該請求がその規定に違反したとき、又は請求が理由のないときは、決定で請求を棄却しなければならないものとされました。
   〈11〉〈7〉のただし書による請求を受けた裁判所は、当該請求が理由のあるときは、決定で原裁判を取り消し、自ら一時保護状を発しなければならないものとされました。
 イ)一時保護施設の設備及び運営に関する事項
  都道府県は、一時保護施設の設備及び運営について、条例で、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保する基準を定めなければならないものとされました。

6)児童福祉司の任用要件等に関する事項
〈1〉児童福祉司の任用に係る要件について、児童虐待を受けた児童の保護その他児童の福祉に関する専門的な対応を要する事項について、児童及びその保護者に対する相談及び必要な指導等を通じて的確な支援を実施できる十分な知識及び技術を有する者として内閣府令で定めるものが追加されました。
〈2〉指導教育担当児童福祉司に係る要件について、〈1〉の者のうち、内閣府令で定める施設において2年以上相談援助業務に従事した者その他の内閣府令で定めるものにあっては、児童福祉司としておおむね3年以上勤務した者であって、内閣総理大臣が定める基準に適合する研修の課程を修了したものが追加されました。

7)保育士の登録に関する事項
〈1〉禁錮以上の刑に処せられた者は保育士となることができないものとするほか、児童の福祉に関する法律の規定により罰金の刑に処せられた者が保育士となることができない期間を、その執行を終えた日等から起算して2年間から3年間とされました。
〈2〉都道府県知事は、保育士が児童生徒性暴力等を行ったと認められる場合には、その登録を取り消さなければならないものとされました。
〈3〉都道府県知事は、〈2〉により保育士の登録を取り消された者、〈2〉以外の理由により保育士の登録を取り消された者のうち、その登録を受けた日以後の行為が児童生徒性暴力等に該当していたと判明した者等(以下この〈3〉及び〈4〉において「特定登録取消者」といいます。)については、その行った児童生徒性暴力等の内容等を踏まえ、特定登録取消者の改善更生の状況その他その後の事情により保育士の登録を行うのが適当であると認められる場合に限り、保育士の登録を行うことができるものとし、当該登録を行うに当たっては、あらかじめ、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならないものとされました。
〈4〉都道府県知事は、〈3〉による登録を行おうとする際に必要があると認めるときは、保育士の登録を取り消した都道府県知事その他の関係機関に対し、特定登録取消者についてその行った児童生徒性暴力等の内容等を調査し、保育士の登録を行うかどうかを判断するために必要な情報の提供を求めることができるものとされました。
〈5〉保育士を任命し、又は雇用する者は、その任命し、又は雇用する保育士について禁錮以上の刑に処せられた者若しくは児童の福祉に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終えた日等から3年を経過していない者に該当すると認めたとき、又は児童生徒性暴力等を行ったと思料するときは、速やかにその旨を都道府県知事に報告しなければならないものとされました。
〈6〉国は、児童生徒性暴力等を行ったことにより保育士の登録を取り消された者及びそれ以外の理由により保育士の登録を取り消された者のうちその登録を受けた日以後の行為が児童生徒性暴力等に該当していたと判明したものについて、その氏名、保育士の登録の取消しの事由、行った児童生徒性暴力等に関する情報等に係るデータベースを整備するものとし、都道府県知事は、保育士が児童生徒性暴力等を行ったことによりその登録を取り消したとき、又はそれ以外の理由により保育士の登録を取り消した者についてその登録を受けた日以後の行為が児童生徒性暴力等に該当していたと判明したときは、当該情報等を当該データベースに迅速に記録することその他必要な措置を講ずるものとされました。
〈7〉保育士を任命し、又は雇用する者は、保育士を任命し、又は雇用しようとするときは、〈6〉のデータベースを活用するものとされました。

8)認可を受けていない保育施設等の設置者に関する情報等の提供の求め等に関する事項
〈1〉都道府県知事は、認可を受けていない保育施設等の設置者に対して勧告を行い、又は事業の停止若しくは施設の閉鎖を命ずるために必要があると認めるときは、他の都道府県知事に対し、その勧告又は命令の対象となるべき施設の設置者に関する情報その他の参考となるべき情報の提供を求めることができるものとされました。
〈2〉都道府県知事は、〈1〉の施設について、事業の停止又は施設の閉鎖に関する命令をした場合には、その旨を公表することができるものとされました。

9)児童の安全の確保に関する事項
  児童福祉施設等の運営について、国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項として児童の安全の確保を加えるものとされました。

10)都道府県及び市町村の支弁に関する事項
〈1〉児童相談所長が児童又はその保護者を児童家庭支援センター等に委託して指導させる場合等におけるこれらの指導に要する費用は、都道府県の支弁とするものとされました
〈2〉里親支援センターにおいて行う里親支援事業に要する費用は、都道府県の支弁とするものとされました。
〈3〉都道府県が行う児童自立生活援助の実施に要する費用は、満20歳以上の措置解除者等で2)のイ)に該当する者についても都道府県の支弁とするものとされました。
〈4〉2)のエ)の〈2〉の措置に要する費用は、市町村の支弁とするものとされました。


母子保健法の一部改正関係 

1)市町村は、母子保健に関する相談に応じなければならないものとされ、母性並びに乳児及び幼児に対する支援に関する計画の作成その他の支援を行うものとされました。
2)こども家庭センターは、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に関する包括的な支援を行うことを目的として、母子保健に関する相談や保健指導、1)の支援等の事業を行うものとされました。

社会福祉法の一部改正関係     

 親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業及び親子関係形成支援事業並びに里親支援センターを経営する事業を第二種社会福祉事業に追加するものとされました。

売春防止法の一部改正関係      

 婦人相談所長は、要保護女子であって配偶者のない女子等及びその者の監護すべき児童について、妊産婦等生活援助事業の実施が適当であると認めたときは、これらの者を当該事業の実施に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知しなければならないものとされました。

児童虐待の防止等に関する法律の一部改正関係  

 児童相談所長が、児童虐待を受けたと思われる児童等のうち妊産婦等生活援助事業、一時預かり事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業又は親子関係形成支援事業の実施が適当であると認めるものを、これらの事業の実施に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知するものとされました。

国家戦略特別区域法の一部改正関係 

 国家戦略特別区域限定保育士の登録に関して、「児童福祉法の一部改正関係」7)保育士の登録に関する事項と同様の改正を行うこととされました。

検討  

 政府は、児童福祉司の任用に係る要件の施行の状況、児童その他の者に対する相談援助業務に従事する者に係る資格の取得状況その他の状況を勘案し、次に掲げる事項に係る環境を整備しつつ、児童の生命又は心身の安全を確保する観点から、児童の福祉に関し専門的な知識及び技術を必要とする支援を行う者(以下「支援実施者」といいます。)に関して、その能力を発揮して働くことができる組織及び資格の在り方について、国家資格を含め、この法律の施行後2年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされました。

〈1〉支援実施者が実施すべき業務の内容、支援実施者に必要な専門的な知識及び技術に係る内容並びに教育課程の内容の明確化
〈2〉支援実施者を養成するために必要な体制の確保
〈3〉支援実施者がその能力を発揮して働くことができる施設その他の場所における雇用の機会の確保

新日本法規出版株式会社
(2022年6月)

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